Italian paper says nuclear industry fuels pro-depleted uranium stance

原子力産業が劣化ウラン賛成の立場を支える、
とイタリアの新聞は述べる

BBC 2001年1月11日



 イタリアの新聞記事によれば、劣化ウランの問題に関するイギリスとフランスによって取られている政治的立場は、それらの国が核産業からの廃棄物製品の主要な製造者であるという事実によって影響されている。それは加えて、劣化ウランの危険性に関する明らかな証拠が、まもなくイタリアで公開されることになっている、イラクに関するBBCのドキュメンタリー「Paying the Price」の中に含まれている。以下は、アルベルト・ネグリによるレポートのテキストである。「合衆国、イギリス、そしてフランスは巨大な劣化ウランビジネスをリードする」、これは1月11日、イタリアの新聞によって発行された。

 それが目標にあたる時、私達は、起こっていることが爆発であるかのように、目がくらむ程の多くの火と炎を見る。しかしあなたが見ているものを信じてはならない。劣化ウラン弾の中には爆発物はない。強い印象を与えるのは、弾薬の質量、スピードと放射能のエネルギーである。そのミサイルはそれが目標を貫通する瞬間に摂氏5000度の温度で燃焼を開始する。唯一他の金属、すなわちタングステンが、劣化ウランと同程度の密度と重さである、しかしそれは高価で、一方劣化ウランは核のプロセスの廃棄物である。一般大衆にとって、良かれ悪しかれ、それは今「厄介者の金属」となった、ところがその製造メーカーにとっては、それは原子力の民需利用と軍事利用の両方によって、健全なビジネスを表現している。そして多くの軍隊はそれを装備している。イタリアの軍隊は違うが、合衆国、フランス、イギリス、ロシア、中国、カナダ、そしてイスラエルの軍隊は確かにそうである(装備している)。そして数ダースの他の軍隊は、例えばフランス製のよく売れているLeclerc 戦車や、イギリス製のChallenger 戦車のように劣化ウラン弾を発砲する戦車で装備されている。
 劣化ウラン問題に関するイギリスとフランスの取っている政治的立場は、彼らが販売するウラン兵器を持っているだけでなく、彼らはまた、原子力産業からの廃棄物の主要な生産者でもあるという明らかな事実によって影響されている。原子力エネルギーは、イギリスで消費される電力の約25%、フランスで消費される電力の少なくとも75%を占めている。
 それが「貴金属」ウランの廃棄物であり、それゆえに「劣化」と呼ばれているという事実は、それが無害であることを意味しない。その放射性の程度は、純粋なウランより低いが、それでもなお、約半分だ。劣化ウランの危険性は、1991年3月8日付で、米軍の研究開発センターによってリリースされたメモが示すように、湾岸戦争のおかげで既によく知られていた。
 しかし、明らかな直接的な証拠が、「Paying the Price」(この英語の3語はオリジナルである)というタイトルのイラクに関するBBCドキュメンタリーから明らかになる。それは、RAIテレビ(イタリア国営放送局)で数日後に放映されることになっている。
 劣化ウラン計画の前指揮者、ダグ・ロック(Doug Rokke)教授は、サウジアラビアで、部下たちとともに、劣化ウラン弾で撃たれた輸送車輌を砂の中に葬る仕事を課せられた。彼のチームを編成した50人のメンバーのうち、少なくとも10人が既に死んでおり、そして現在ロック自身が病気である。今日彼は、腎臓ガンに苦しんでおり、彼の体内の通常より5000倍も高い放射線レベルである。マンハッタン計画と核廃棄物の蓄積で、米国はその劣化ウランをどう扱うべきかという60年代にさかのぼる問題を解決しなければならなかった。1943年にさかのぼって、ナチス・ドイツは原爆を作ろうという企てで1200トンのウランを蓄積した。ドイツはアメリカとの競争に追いつけないと悟ったとき、そのウランを連合国軍隊を砲撃する銃弾の形で使い始めた。実際、核廃棄物リサイクル産業が生まれたのは、ある程度まで第三ドイツ帝国の下で指揮された研究に基礎をおいていたのであり、その後、原子力発電所が建設され始めてメジャーなビジネスになったのである。1998年に米国は、728,000トンの処理しなければならない劣化ウランを持っており、フランスは260,000トンの除去すべき劣化ウランを持っていた。その業界の主要な企業の1つは、BNFLと呼ばれる英国政府所有の企業で、環境保護主義者たちがしばらく前から照準を向けてきた企業である。この企業は米国内に数ダースの提携会社を有するが、そこではエネルギー省によって割り当てられた放射性廃棄物除去の契約が毎年およそ20億ドル(約13億ポンド)に値する。BNFLあるいは、マニュファクチャリング・サイエンス社やユナイティド・ステイツ・エンリッチメント社などの米企業のような諸企業は、軍需品メーカーによって用いられる数千トンの劣化ウランを加工している。
 とにかく、劣化ウランは間違いなく、洗練された軍備開発の分野では最新の最先端技術ではない。約200万人の科学者が現在、西側でも東側でも研究所で働いており、それらの仕事のうち少なくとも600,000人が防衛産業のためのものである。ドクター・ストレンジラブ(全面核戦争推進論者)は今なお地球上の隅々に忙しく働いている。



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