2001.6.12交渉での確認事項と再質問


1.関西電力は、今週末に高浜原発1・2号機から約39トンの使用済み燃料を青森県に搬出しようとしている。その搬出の根拠は、97年3月の関西電力と日本原燃との間で交わした「使用済み燃料再処理役務基本契約書」であると、本日の交渉で初めて明らかにした。同時に「基本契約書」では、再処理の時期・数量・コスト等は「別途協議」で行うことになっていることも本日確認した。また、この「基本契約書」の後に協議されたものとして、97年12月に「再処理料金及び前払い等に関する覚書」を日本原燃と関西電力の間で交わしたという。しかし、その「覚書」には、再処理の時期・量等は入っていない。 このような状況で、高浜原発から使用済み燃料を搬出すれば、その使用済み燃料は、いつ再処理されるとの明確な根拠もなく、事実上は、ただの核のゴミを青森に搬出することになってしまう。そこで、以下のことを明らかにすること。
 @再処理の時期について別途協議したのか。
 A協議した場合は、なんらかの「覚書」のようなものを作成したのか。
 B作成した場合、その書面の名称、日付、当事者、その内容を明らかにすること。

2.97年12月の「再処理料金および前払等に関する覚書」では
・再処理予定数量  10社合計で1万トン 関電分は1850トン
・前払金        10社合計で5千億円(その内、既に4900億円支払い済み)
              (関電は97年?2000年までに約900億円支払い済み)
となっていることを確認した。しかし、10社合計の5千億円はその後1兆円に値上がりしたという。関電分は1850トンであるので1850億円。すなわち、現時点では前払金は1トン1億円ということになる。
 @再処理前払金が10社合計で5000億円から1兆円に値上がりしたのはいつか。その値上がりの根拠を具体的に示すこと。

3.前払金については、上記のような数字があげられたが、前払金とは、再処理料金のいわば手付金のようなものであり、再処理料金そのものについては何の回答もなかった。
 @97年12月の「再処理料金及び前払等に関する覚書」の中で、再処理料金はいくらとなっているのか。料金の変遷がある場合には、具体的に明らかにすること。
 A具体的金額がない場合は、算定基準等はどうなっているのか。
 B再処理費用に上限はあるのか。あるとすればいくらか。

4.98年7月29日に日本原燃、青森県、六ヶ所村が安全協定を締結した。その際「再処理事業の実施が著しく困難になった場合、使用済み燃料を施設外に搬出する」との「覚書」が同時に締結された。これを受けて、電力会社が、この「覚書」の効力を担保するために「確認書」を作成したと言われている。
 @関西電力はこのような「確認書」を作成したのか。
 A「確認書」がある場合、その書面の名称、日付、当事者、内容を明らかにすること。

5.六ヶ所再処理施設の使用済み燃料プールの使用に関する協議あるいは「覚書」等があるか。あれば、その日時、書面の名称、内容を明らかにすること。

 刈羽村住民投票によって、プルサーマル反対の明確な意志が表明された。福島でも、福井でもプルサーマルは実施の目途もたっていない。関西電力は、このような新しい状況が生まれた中で、使用済み燃料搬出のトップバッターとなろうとしている。そして、その搬出にあたって、現時点では、使用済み燃料が「核のゴミではない」という明確な根拠も示すことができない状態にある。
 私達は、少なくとも、青森への搬出前に、上記の質問に誠実に回答することを要求する。

                                                               2001.6.12

                                                            グリーン・アクション
                                              美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会




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