NRCの監察官は核廃棄物キャスクの欠陥に関する報告書を精査中
NRC inspector probing report of flaws in nuke waste casks


2003年6月26日 ラスベガス・サン
AP通信社


ラスベガス(AP)−米国原子力規制委員会(NRC)の総括監察官は、5つの州で現在使用中の核廃棄物容器に欠陥があるという申し立てに対して、NRCが適切な対応を取ったのかどうか、自分が調査することになるだろうと木曜日に述べた。
 キャスクの製造および使用に携わった企業によって「追跡調査が行われたことをNRCが自らに保証するため何をしたのか、はっきりすることになるだろう」と、ワシントンDCのNRC監察官であるジョージ・ムーレイはラスベガス・サン紙に語った。
 NRCは原発と原発サイト内の廃棄物貯蔵区域を含む原子力施設の認可と規制に対して責任を負っている。
 先週、2つの公共の利益を求める団体が詳細な調査を要求した。2つのうち1つは、連邦政府が、ネバダ州南部で国営の核廃棄物処分場の建設を進めていることを阻止しようとしている団体である。
 この2団体は、主要な原発運転企業であるエクセロン社が行った3年前の検査で、イリノイ州、ジョージア州、ニューヨーク州、オレゴン州、ワシントン州のプラントで使用されている容器に、溶接上の問題が生じる可能性を含め、欠陥が存在するとされていたことを指摘した。
 サン紙は、エクセロン社の前検査官であったオスカー・シラニが、廃棄物容器に9つの欠陥を発見したことを伝えた。この廃棄物容器は、ニュージャージーに本拠を置くホルテック・インターナショナル社によって設計され、ピッツバーグに本拠を置くUSツール&ダイ社が製造し、エクセロン社が使用していたものである。ホルテック社はユッカ・マウンテンの廃棄物容器契約で有望な入札者である。
 シラニは、自分が欠陥を発見したために、エクセロン社は自分を原子力部門から財務部門に異動させ、最終的には会社から放り出したのだとサン紙に語った。
 シラニは、自分の検査結果−応力あるいはひずみを受けている廃棄物キャスクが、それに持ちこたえることができないかも知れないことを示す−に対して、エクセロン社は適切に対応しなかったのだと述べた。シラニは2001年12月、自分の懸念をNRCに持ちこんだ。
 「(現在)中身を装荷された全てのキャスクは、基準に違反した状態のままである」とシラニは語った。
 ホルテック社とエクセロン社の代表は、検査結果に会社は適切に対応したのだと言う。また、エクセロン社の役員は、会社がシラニに報復したことはないと言っている。
 シラニは、エクセロン社は、検査記録(同社は否定している)をねつ造したのだと述べた。
 類似した容器は、ラスベガスの90マイル北西に位置するユッカマウンテン・サイトに、核廃棄物を輸送し貯蔵するために使用されることになるだろう。
 「徹底的な調査が行われるだろうと我々は期待している」とパブリック・シチズンのリサ・グーは言った。パブリック・シチズンはNIRS(核の資料情報サービス)と共に上級監察官による精査を要求している。

ラスベガス・サン紙からの情報による