◆国からの指導文書を広報部長が知らなかった事に関する責任を明らかにすること
◆市民との対応に関する改善策を示すこと
◆MOX燃料輸送容器に関する情報を公開すること



申    入    書


関西電力株式会社社長 藤 洋作 様

 私達は8月8日付配達証明郵便で、平沼赳夫経済産業大臣宛に要望書を送りました。これに対して、8月23日、資源エネルギー庁電力・ガス事業部 原子力政策課より、「関西電力に対して、今後とも最善の努力をするよう改めて指導いたしました」との旨の指導文書をFAXで受け取りました。
 ところが、昨日8月27日、広報部の責任者である庄野氏は、経済産業省から指導があったことを全く知らなかったことが発覚しました。同日、「日消連関西グループ」「毎月26日に関電前にランチタイムに集まる女たち」「脱原発へ!関電株主行動の会」「グリーン・アクション」の市民グループが交渉のため関電本店を訪れました。その際、交渉内容に関わる担当者を交渉に出すことを約束していたにも関わらず、貴社は相変わらず広報部員だけで対応しようとしました。これに抗議する中、庄野広報部長が出てきて、私達が出した平沼大臣への要望書の内容に関して「人権侵害だ」などと述べたものの、国が貴社に指導をしているではないかと追及されると、庄野部長は、「そんなはずがない」「そんなことは聞いていない」と国から指導があったことを一切知らなかったことが明らかになりました。
 他方、同日(8月27日)、私達と資源エネ庁の原子力政策課市村課長補佐との電話のやりとりでは、以下のことが明らかになりました。市村課長補佐は、8月16日に関西電力東京支店の原子力担当課長横山氏を経済産業省に呼び出し、私達の要望書の内容を伝えたとのことです。その後8月23日に、私達が受け取ったのと同じ指導文書を関西電力東京支店に送り、指導内容を電話で伝えたということでした。

 また、同日(8月27日)午前中、美浜の会の会員が、貴社の「原子力情報センター」を訪れ、貴社が8月23日に国に申請した「MOX輸送容器の設計承認申請書」等の閲覧を申し入れました。1時間以上待たされたあげく、本店と連絡を取った女性職員の返答は、「将来はお見せできます」「広報に問い合わせてください」と言うものでした。国に出した申請書は閲覧が自由であるにも関わらず、なぜ今公表できないのかについては「返答を持ち合わせていない」という対応でした。

 上記のような貴社の対応は、まったく異常としかいいようがありません。市民に対してまともな対応をするよう、情報を公開するようにと国から指導があったにも関わらず、担当部署の責任者が、指導の有無すら知らず、当然公開されてしかるべき資料について、何の理由もなく公開していないという貴社の姿勢は、社会から厳しく非難されて当然です。今回の不祥事を真摯に反省し、その責任を明らかにし、市民への対応についての改善策を打ち出し実行してください。まず、その第一歩として、MOX燃料輸送容器に関する資料等をただちに公開することを、強く要望します。


                            申  入  事  項

1.国からの指導を広報部長が知らなかった問題に関して
(1)庄野広報部長が、国からの指導があったことすら知らなかったことに対する、社としての責任を明らかにすること。

(2)国からの指導に対して、社としてどのような対応をとったのか明らかにすること。
 @8月16日から23日に指導文書を受け取るまでの貴社の対応
 A指導文書を受け取ってから、庄野部長が知らなかったことが発覚した8月27日までの貴社の対応
 Bそれ以降の貴社の対応
 C国の指導文書の中に引用されている「市民の皆様からのご質問にはその都度お答えし、可能な限り情報提供を行ってきました。今後とも引き続き御理解が得られるよう対応していきたい」との貴社の言葉は、貴社のどの部署のどなたが答えたものか。

2.市民への対応に関する改善策について
(1)交渉等には、それぞれの質問内容に応じて、担当部署の専門職員を同席させること
(2)質問に対する回答は、文書でも行うこと
(3)「情報公開の徹底」という国の指導を実行すること
 
3.MOX輸送容器に関する情報公開に関して、
 (1)1999年のMOX輸送に使った輸送容器の型名・型式、承認番号、製造番号、および現時点までの自主検査日、自主検査の場所を明らかにすること
 (2)上記輸送容器は、MOX燃料を取り出した後、輸送船に積んで返送されたのか
 (3)MOX燃料返還に使用する輸送容器は、上記と同じものか。そうでない場合は、型名・型式等を明らかにすること。
 (4)8月23日に国に提出した「輸送容器設計承認申請書」と添付書類を、速やかに公開すること。
 (5)輸送容器問題に関して、担当部署の職員が出席した上で、上記質問事項について説明すること。

 尚、国の指導が担当部長に伝わっていなかったことに関して、資源エネルギー庁の市村課長補佐は、電話で私達に対し、「庄野部長と直接話し合ってください」と何度も述べられました。このことを踏まえて、交渉には、当然のこととして、庄野広報部長の出席を求めます。
 また、事柄の関係上、この申入書は、国にも送付いたします。

                                 2001年8月28日
グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581



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