関西電力への申し入れ書
高浜原発から青森への使用済み燃料=核のゴミの
搬出を中止すること




関西電力取締役社長 石川 博志 様

 貴社はまもなく、高浜原発1号機及び2号機から、合計84体約39トンUの使用済燃料を、6基の輸送容器で青森県六ヶ所村の再処理施設に搬出しようとしています。
その再処理施設はプルトニウムを抽出するのが目的ですが、現在、そのプルトニウムの主な使い道であるプルサーマル計画は暗礁に乗り上げた状態にあります。とりわけ本日(5月27日)刈羽村で、柏崎刈羽原発でのプルサーマル実施をめぐる住民投票が行われ、その結果、有効投票数3589のうちプルサーマル実施に反対が1925で過半数を超え、賛成の1533を大きく上回りました。住民はプルサーマル実施にノーとの判定を下しました。すなわち、柏崎刈羽原発でのプルサーマル実施は不可能となったのです。
さらにこの結果は、「国民のプルサーマル理解は進んでいない」という福島県知事の判断を事実として裏付けたことになり、福島でも、さらに国内のどこでも、プルサーマルの実施はほとんど不可能になったというべきでしょう。
 この結果、再処理施設は目的を失い、貴社が「リサイクル燃料」と称している使用済燃料は、ただの核のゴミと化すことになりました。六ヶ所に使用済燃料を搬出する理由が必然的に消滅したことになります。
 この点、貴社を指導監督する立場にある経済産業省の平沼赳夫大臣が5月14日に刈羽村で配布したビラでは、次のように記述しています。「プルサーマル計画が進まず、原子力発電所における利用が進まないとなると、使い終わった使用済燃料のリサイクルが困難になります。リサイクルしないなら、使用済燃料を原子力発電所からリサイクル施設(青森県六ヶ所村)に運び出すわけにはいきません」。
大臣がわざわざビラを配布したのは、住民投票を重視したがゆえの行為でしょう。そして実際に、住民投票の結果によって、大臣の上記の見解がそのまま効力を発揮する状況が生まれました。この見解に従えば、まさに高浜発電所の使用済燃料を六ヶ所村に「運び出すわけにはいかない」ことになります。
 もし貴社が搬出を強行すれば、それは平沼大臣の意向に反するばかりか、なによりもまず、青森の人たちにいわれのない核のゴミを押しつけることになります。
 それゆえに私たちは、今回の高浜原発から青森への使用済燃料の搬出に反対し、以下の申し入れをします。この申し入れ事項について速やかに回答を寄せてください。

                                 申し入れ事項
           1.高浜原発1号機及び2号機から青森への使用済燃料の搬出を中止すること。
           2.プルサーマル計画の中止を表明すること。

 2001年5月27日

                  グリーン・アクション(代表:アイリーン・美緒子・スミス)
                      連絡先:(〒606-8203)京都市左京区田中関田町22-75
                      TEL:075-701-7223; FAX:075-702-1952
                 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(代表:小山英之)
                      連絡先:(〒530-0047)大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル1階
                      TEL:06-6367-6580; FAX:06-6367-6581



トップ