美浜原発2号炉からの使用済み核燃料搬出に抗議する
「原発警備強化」、情報の機密化・統制ではなく、脱原発へ転換せよ


関西電力株式会社 代表取締役社長 藤 洋作 様

 10月13日、貴社は美浜原発2号炉から青森県六ヶ所村の再処理施設に向けて使用済み核燃料30体12トンの搬出を行いました。私たちはこの行為に怒りを禁じ得ません。断固として抗議します。
 去る9月11日の事件以後、「テロ対策」と称して原発に対する警備が強化されています。原発周辺では機動隊や警察官が、沿岸では海上保安庁の巡視船が、24時間体制で厳戒態勢を敷いています。貴社も警備人員を増員し、原発の見学も制限するほどです。一方で「警備強化」を行いながら、他方では、危険な使用済み核燃料の輸送を強行するなどもってのほかです。さらに今回の搬出に関しては、一切の情報が事前に明らかにされませんでした。「原発警備強化」と情報の機密化・統制は、地元の人々の生活を脅かしています。また、反対運動への威圧でもあります。このような中で貴社が強行した、使用済み核燃料の六ヶ所搬出を断じて許すことはできません。
 5月に行われた新潟県刈羽村での住民投票では、村民のプルサーマルNOの意思がはっきり示されました。それ以降、プルサーマルの目途は立っていません。その結果、青森県六ヶ所村の再処理工場はその目的を失いました。私たちは住民投票直後から貴社に対し、現情勢下で使用済み核燃料を搬出できる根拠を問い続けてきましたが、「1997年に締結した再処理基本契約です」の一点張りで、何ら具体的な根拠は示されていません。それにもかかわらず、貴社は6月の高浜原発からの搬出についで2回目の搬出を行いました。この行為は、青森県六ヶ所村へ核のゴミを押し付けることに他なりません。
 以上、私たちは今回の搬出に対し、強く抗議するとともに、今後予定されている高浜原発からの搬出を取りやめるよう要求します。
 貴社や政府が行っている「原発警備強化」等は、地元をはじめ多くの人々に、原発と放射性物質がいかに危険なものであるかを語っています。「原発警備強化」、情報の機密化・統制は、原子力の本質を端的に示すものです。私達は、脱原発に向けて方針を転換するよう、改めて要求します。

2001年10月18日
グリーン・アクション(代表:アイリーン・美緒子・スミス)
(〒606-8203)京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL:075-701-7223; FAX:075-702-1952
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(代表:小山英之)
(〒530-0047)大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル1階
TEL:06-6367-6580; FAX:06-6367-6581



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