10月1日、高浜にMOX輸送船が入港する日、現地で原発反対福井県民会議の呼びかけで緊急抗議行動が開かれた。日本到着目前にMOX燃料のデータ改ざんが発覚し、高浜入港前日には史上最悪の東海臨界事故が起こるなど緊迫した情勢での抗議行動となった。地元福井はもちろん、石川、京都、大阪など各地の原水禁、労組、市民団体が駆けつけ、平日早朝の緊急行動にもかかわらず、300人もの人々が参加した。美浜の会からも多数前日から福井に入り、行動に参加した。
 原発と輸送船を対岸に望む音海地区で開かれた集会は、シュプレヒコールを間にはさみながら終始緊迫した雰囲気の中進められ、地元の人々や参加各団体から次々と熱気と決意にみちたアピールが続いた。この日の行動の圧巻は、集会後行われた町内のデモ行進。沿道で多くの町民がデモの列をじっと見守っていた。スーパーでは仕事の手を休めて入り口に集まりシュプレヒコールを聞いていた。そしてついに、デモの脇の歩道に手を振って応援してくれる町民の人まで現れた。なんとシュプレヒコールに合わせて無言で腕を突き出している!商店ではおばあさんが家族の人と店頭に立ち、デモの列に向かって手を合わせている!「ありがとう」との声も聞こえた。原発城下町でこれまで声なき声が押し込められ、物の言えない雰囲気が支配していた地元高浜でも、この状況の中でのMOX搬入はもう許せなかったのだろう。
この日の行動に先立って、早朝には越前町の底引き網組合の漁船80隻が出て海上での抗議行動も行われた。船体には「プルサーマル導入絶対反対!」の横断幕が掲げられた。
運動の流れに新たな変化が兆している。行動に参加した私たちは、このことを強く実感し、驚きとともにプルサーマルの阻止に向けて決意を新たにした。



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