第23回東海村臨界被ばく事故裁判 報告
11月14日、いよいよ結審

阪南中央病院・東海臨界被曝事故被害者を支援する会 



 8月1日、第23回東海村臨界被ばく事故裁判が開かれた。裁判は13時30分から15分ほどで終わったが、最終弁論が次回11月14日と決まった。
 これまでJCO側は証人を一人も立てず、原告側証人の証言に対して専門的な反論をしてこなかった。ところが前回の法廷(6/13)で、しかも当日その場で被ばく線量の問題と精神被害の問題で2つの意見書を提出した。さらに今回の法廷では、やはり被ばく線量の問題と皮膚科疾患の問題で意見書を2つ提出してきた。あまりに論争しなかったことを不利に感じたのかもしれないが、原告側の皮膚科佐藤医師が証人に立ったのは2005年11月のことであり、2年もたってからの突然の反論である。伊東弁護士によれば民事訴訟で準備書面が遅いからといって却下することはまずないが、JCOのやり方はあまりにも卑怯だということだった。それも元々JCO側は、JCOと原告である大泉さんの交渉経過について、JCOの社員のメモを基に書面は提出するかもしれないと言っていたが、それについては自分からは一言も言わなかった。逆に裁判長に交渉経緯について出さないのですかと問われ、「必要ないから出しません」と言うにとどまった。おそらくJCOとしては今回提出したものも含めて4つの意見書を出すための時間稼ぎだったのだろう。
 今後の予定として、原告側は被告意見書に対して反論の必要なものは10月1日までに提出すること、その上で原告、被告双方が10月31日までに最終準備書面を提出することに決まった。ここでもJCO側弁護士は、「最終準備書面は同時に出すのか、原告が先に出してから被告が出すのか」と尋ね、どこまでも揚げ足取りのような反論しかしないJCOの姿勢が垣間見られた。これに対して裁判長は「同時です」と答えた。
 次回は11月14日、13時30分からと決まった。原告側が20分程度弁論を予定し、被告側にも10分程度の時間が与えられた。JCO事故から8年、提訴から5年、ようやく結論が出されようとしている。あと一踏ん張りのところまでたどり着いた。最後まで原告を支援していこう。
 なお、9月30日大阪での『JCO事故を忘れない!市民の集い』では、臨界事故被害者の会・事務局長の大泉実成さんからこれまでの裁判について話してもらいます。こちらにも結集を。

(07/08/28UP)