ドイツG8に反対して8万人が抗議行動
グローバリゼーション反対と再生可能エネルギーへの転換、
原発即時永久放棄を掲げて



  道路も陸橋も人で埋めつくされている
写真:Indymediaのhpより
 6月6日〜8日にドイツ・ハイリゲンダムで行われたG8。マスメディアは、一部の「暴動」と警察との小競り合いの映像のみを何度も報道し、サミット会場近郊の町ロストックで連日行われていた大規模な非暴力の抗議行動を完全に無視した。
 ロストックでは、世界中から人々が集い、キャンプで滞在し、"Eine andre Welt ist moglich (もうひとつの世界は可能だ)"という統一のスローガンを掲げて、6月2日〜8日にかけて闘いを続けた。新自由主義、グローバリゼーションに反対し、軍国主義、移民や難民に対する差別、貧困に反対するためにG8そのものにNOをつきつけた。
 6月2日には8万人規模の国際デモが行われた。各国首脳を皮肉るユーモラスな着ぐるみや、カラフルな横断幕やプラカードを持った若者、音楽を演奏する人たちがロストックを歩いた。国際デモの呼びかけでは、債務問題や新自由主義に反対する要求項目とともに、「再生可能エネルギーへとすみやかに抜本的に転換しよう!危険な状態の気候変動と石油資源・ガス資源が目的のさらなる戦争は、エネルギー効率を大幅に上げ、持続可能な経済に移行して、初めて抑止することができる」「原子力エネルギーの即時永久放棄と世界中の完全な核軍縮」を訴えている。行動は6月3日「農業の日」、6月4日「移民の日」、6月5日「軍国主義に反対する日」と続いた。並行して、6月5日〜7日にかけて、オルタナティブ・サミットが開催され、2000人が参加し、様々なワークショップが持たれた。
 6月6日から7日にかけて、BlockG8が呼びかけたサミット会場封鎖行動には1万人以上が参加した。人々は警察が指定した立入制限区域に立ち入り、長時間座り込み、各国首脳やスタッフが議場に入るルートを封鎖し続けた。メルケル独首相は陸路での移動をあきらめ、ヘリコプターで会場に入った。非暴力の抗議行動に対し、ドイツ警察は放水し、不当な暴力と逮捕で排除しようとした。空港周辺ルートではブッシュ大統領の到着前に、1000人以上が一晩座り込んだ。これら封鎖行動には、ドイツ北部での核廃棄物輸送反対行動の経験も生かされている。

 海面上昇、凍土の減少、大洪水やハリケーン、生態系への影響等々、地球環境の悪化が顕在化している。同時にそれらは、途上国や貧困層・社会的弱者に被害を集中させる。地球温暖化を防止するための行動が緊急の課題となっている。
 サミットでは、地球温暖化防止に向けた取組が最重要議題であった。しかし合意に至ったのは、長期目標の設定はおろか、「2050年までに半減を真剣に検討する」にとどまった。ポスト京都の枠組みについては、ドイツのメルケル首相が合意の最低条件として設定した「国連での交渉開始」で合意することによって、2009年の国連の気候変動枠組条約締結国会議で基本合意を目指すことになった。このように、ブッシュが主張する「主要排出国15ヶ国国際会議」による主導権狙いにけん制をかけるのが精一杯だった。
 日米の主張する「温暖化対策」は全く異常だ。ブッシュ政権はバイオエタノールの推進と原発を切り札にしようとしている。これは途上国人民の食料を奪い貧困と飢餓を拡大するものだ。同時にCO2の吸収源であるアマゾンの熱帯林を破壊する。安倍首相は、「美しい星50」の名の下に老朽原発にむち打ち、海外へは原発を輸出しようとしている。これらに反対していこう。

(07/06/27UP)