翻訳資料
ノルウェイの首相がセラフィールドへの抗議を支持
Norwegian PM backs protest over Sellafield


2002年3月21日 ガーディアン紙
ポール・ブラウン


 昨日、ノルウェイの首相はテレビ放送を利用して、セラフィールドからのイギリスの放射能放出に抗議するためベルゲンの市街に出るよう市民に呼びかけた。
 ノルウェイ政府が、発電所からの汚染に対して法的措置も辞さないことをイギリス政府に示し、首相のKjell Magne Bondevik氏もまたノルウェイの市で行われた昨夜のたいまつデモを支持した。そのデモは、ノルウェイ・ロブスターの放射能汚染に焦点をあてたものであった。
 イギリスの環境大臣で、第5回北海保護国際会議に出席した10人の環境大臣の1人、マイケル・ミーチャー氏は、注目の的になった。
 彼は、繰り返しイギリスの立場を擁護することを強いられた。デモ行進がホテルに到着し、ミーチャー氏がデモ参加者に話すために外に出たため、会議の進行は30分間中断された。
 ノルウェイの環境大臣Brende Borge氏は、昨日、ミーチャー氏と2時間会談し、1996年以来、セラフィールドからパイプを通じて海へ流され、ノルウェイ海に沿った魚貝や海藻中の含有量の検出が増加傾向にあるテクネチウム99と放射性物質のさらなる放出を中止するよう訴えた。
 環境局長のマーガレット・ベケット氏と保健省は、放射能放出を継続する計画を検討中である。しかし彼女達は、アイルランド政府やノルウェイ政府からはテクネチウムを陸上で貯蔵し、国内で処分するよう訴えられてきた。これは可能だが、お金が高くつく。
 ノルウェイの首相は視聴者に次のように述べた。「私は、できるだけ多くのベルゲン市民が市街に出て、ミーチャー氏とセラフィールドに抗議するよう呼びかけている。これは、デモに値することだし、人が多ければ、多いほどよい。」
 Borge氏は、ミーチャー氏との会談後、次のように述べた。「もし、テクネチウム99の放出が続くなら、我々は非常に失望するだろう。これらの放出を止めるために、我々がとりうる、あらゆる政治的・法的措置を検討している。」
 「外務省は、この行為をやめさせるのに有効なあらゆるフォーラム(法廷)で、イギリスに対する法的措置を取るよう、既に弁護士達に指示している。」
 テクネチウム99は、ベルゲン沖の海藻で、EUによって子供用の食糧向けに設定されている核事故の際の400ベクレルの制限値を上回る、600ベクレルのレベルで検出されている、と彼は述べた。
 ミーチャー氏は次のように述べた。「私は、ノルウェイ国民の心配をよく知っている。北海でとれる魚類を消費することによる放射能の平均被曝量は、非常に低く、健康に影響を及ぼす可能性はない。」
 彼は付け加えた。「放射能放出の総量は、ここ15年で99%削減された。放出を継続するかどうかの最終決定権はロンドンの閣僚達にあるため、どうなるかについて私はコメントできない。とりわけ、裁判になるかもしれないので。」



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