本米崎小学校近くの測定位置は谷間の陰
児童の被曝線量は科技庁発表の約3倍!線量評価をやり直せ!
(2000年6月8日)


 科技庁もJCOも、転換試験棟からおよそ500メートル離れて位置する那珂町立本米崎小学校の児童達について健康調査の必要性を認めていない。推定被ばく線量が1mSvを超えていないことを理由としているが、その根拠を疑わせる、あるいは突き崩す新たな事実が判明した。被ばく評価の基礎となっている本米崎小学校近くでの測定が、児童が過ごしていた校庭や校舎のある高さより数メートル以上も低く、放射線のとどきにくい谷の部分で実施されたため、その測定値に依拠すると被ばく線量が過小評価になる極めて強い可能性が科技庁の回答(原子力安全課6月2日付け)から明らかになった。科技庁のこの回答は、我々が3月8日付けで提出していた質問書に対するものである。それは3ヶ月近くも捨て置かれたが、5月26日の「百人署名」提出時の交渉において回答するとの確約を得て、福島瑞穂議員事務所を通じてようやく手にすることができた。
 我々が測定位置にこだわった理由を述べておきたい。科技庁による線量評価の基礎となっているのは、原研職員が事故当時の9月30日午後8時45分付けデータとして報告している測定値である。それは22地点で測定されたものであったが、科技庁は「明らかに建物による遮へいの影響を受けていると思われる80m、95m、560mの3点を」除いた19のデータを「代表性がある」として採用した。図1に示したグラフは測定された中性子線量率を試験棟からの距離の関数としてプロットしたものである。線量評価はそのフィッテング式の値を用いて行われた。数字は図2の地図に記された測定位置を表している。本米崎小学校は測定点@の近くにあるが、内側の円で示される500m圏の線量率の中では最も低い部類の値(12μSv/h)になっている。例えば右隣の測定点Nの値は45μSv/hなので、それの1/3以下しかない。測定点Nは広大な畑の中であり臨界試験棟近くの高い建物も見通せる位置である。本米崎小学校の運動場や校舎からもそのJCOの建物はよく見える。しかし、科技庁が測定位置@として回答した箇所は運動場から数メートル以上も低く、そのJCOの建物も見えないような谷の部分であった(図3図4参照)。このような測定値をもって児童の被ばく線量評価を行うことは到底出来ない。
 既に指摘してきたように現行法令は中性子の線質係数を半分に値切っている。それに加えて測定位置が地形の高低による影になることでさらに数倍も測定値が小さくなっている可能性が非常に高い。すなわち本米崎小学校で児童に強要された被ばく線量は1mSvを有に超えていると考えられるのである。科技庁とJCOは線量評価にある過小評価の事実を認め、深く反省・謝罪し、それをやり直し、児童をはじめとする住民に将来にわたる万全の健康管理を確約すべきである。



トップ