許せない!科技庁、JCO、「専門家」たちの暴言録
(2000年6月8日)



「あなたたちへの体の影響は絶対ない。それでも納得しないなら、今ここで血液を調べてやる」−JCO主催の住民説明会(4/9)で田ノ岡宏医師(国立ガンセンター)が住民に向かって投げつけた暴言である。これだけではない。科技庁、JCO側の専門家達は、住民説明会や、政府委員会、学術会議等々、いたる所で住民を侮辱する暴言を吐き続けている。「ガンには絶対ならない」「その程度の被曝なら体にいいくらいだ」等々、科学的根拠も何もない。「専門家」という権威をカサに着れば、何を言っても許されると思っている。こんな思い上がりを絶対に許してはならない。田ノ岡氏のような「専門家」達を使って、「被害はない」「文句を言うな」と住民を脅しつけようとしているJCOを許してはならない。それを野放しにしている政府・科技庁の責任を徹底的に追及しよう。


田ノ岡宏氏(国立ガンセンター医師)
「自分は30mSvこれまで被曝している。あなたたちの中で最高でも21mSvでしょう。大したことはない。あなたたちへの体の影響は絶対ない。以上の説明で納得されない方は、今ここで血液を調べてあげます。それでも納得しないなら、墓石を削って分析してあげます」
                                                       JCO主催住民説明会(4月9日)
                         田ノ岡宏氏の履歴書
 田ノ岡宏氏は、「しきい値あり」論者の最右翼であり、あまりの露骨さに、最終報告を作った健康管理検討委員会のメンバー達ですら、一線を画していやがるほどの人物である。このような人物を住民説明会に呼んだJCOの責任が厳しく問われるべきである。「被害者の会」は、6月1日の申し入れ等、田ノ岡発言に対するJCOの責任を厳しく追及しているが、JCOは「記憶にございません」と居直っている。ここで、田ノ岡という人物は、いったいどんな人物なのか、簡単に述べておきたい。
 彼は「最近の放射線生物影響研究から(『保健物理』32(1)1997)」という論文の中で、「ラジウム内部被ばくによる骨肉腫の発生率には集積線量10Gy【注10Gy=約10000mSv!】でシャープなしきい値が存在することは旧知の事実である。要するに、低線量連続被ばくの場合は、人体はこの程度の線量まで耐えることができ」るという驚くべき主張をおこなっている。また、97年の動燃再処理工場火災・爆発事故時には、「放射能洩れによる悪い健康影響の心配はない」という判断を放射線影響学会として出すよう、佐々木正夫会長に提言したが、「原子力のずさんな取り扱いと理解にエールを送るものと誤解される恐れがある」とたしなめられ、却下されている。この佐々木氏(放射線生物研究センター)は、今回健康管理検討委主査代理を努めた人物であり、そのような人物にすら批判されるほどである。さらに、田ノ岡氏は、「少しの放射線ではがんにならない」というそのものずばりの演題で、「低線量放射線影響に関する公開シンポジウム(99年4月)」の、トップバッターとして講演している。その他、電中研顧問として、電力施設からの電磁波による悪影響を否定する研究報告までも出している。要するに田ノ岡氏とは、何が何でも「被曝の悪影響は絶対ない」と言いまくる、電力・原子力産業の広告塔なのである。
加藤氏(茨城県立医大医師)
「科技庁の健康診断は本来はやる必要のないものであり、国の恩情である」
                                                       JCO主催住民説明会(4月9日)
明石真言氏(放射線医学総合研究所放射線障害診療情報室長・健康管理検討委員会)
「吐き気やめまいは1Sv以下では出ないことが分かっている。だからあなたの症状は今回の事故によるものではない」
「50mSv以下なら影響は出ない」
                                科技庁・東海村共催「ジェー・シー・オー事故住民説明会(2月19日)」
                           「事故後、めまいや吐き気がするので心配」という痛切な住民の訴えに対して
長瀧重信氏((財)放射線影響研究所理事長・健康管理検討委員会主査)
「こっち側の普通の医者の議論から言ったら、(広島・長崎の)被爆者なんて全然浴びていない(ましてや東海事故の被爆者などたいしたことない)」「余り安全、安全といって低い量までいってしまうと、それは浴びた人が自分も被曝者だという非常な不安を与えてしまう。」「大丈夫だと安心させてやる方がよっぽど重要」「被曝が仮に計算上出てきても特に問題にしない」「50mSv以下を切り捨て」
                                                      健康管理検討委員会速記録より
草間朋子氏(大分県立看護科学大学学長・健康管理検討委員会・IRPA-10大会長)
「妊婦の場合は胎児が100mSv以上の放射線を受けていないと、奇形も精神発達の遅滞も問題になりません」「(線量評価は)350m以内の方たちについてやればよくて、これ以上広げる必要等はない」「350については今回エバケエーション[避難]という措置をとったので、....被曝したかどうかということを含めて調査させていただきますというような、ちょっとファジーな形の方が。そうじゃないと、....本当に被曝しちゃったのかということになるといけないので、被曝しなかったということも含めてファジーにしたほうがいい」
                                                      健康管理検討委員会速記録より
久保寺昭子氏(東京理科大教授)
「放射線作業従事者は放射線が一般より高いところで仕事をしているが、健康には影響はない。広島・長崎の被曝データから白血球は200_シーベルト以下であれば継続した影響はない。事故による健康影響を心配する必要はない。」 
                                                     原産年次大会東海大会(4月28日)
北川通治氏(大阪府立大学名誉教授)
「100_シーベルトぐらいどうってことはないということを常識としてもっていく必要がある。」
                                             大阪大学名誉教授住田健二講演会(4月21日)
T.D.ラッキー氏(米ミズーリ大学名誉教授)
「低線量放射線は利益があるばかりでなく、むしろ必須であり、我々の多くが放射線欠乏状態にある」「どのデータを見ても、低線量放射線を浴びると良い影響が出るというものばかりだ。直線仮説を支持する人は、悪い影響が出るというデータを示して、私を説得してくれ」
                                   東京電力協賛セミナー「低レベル放射線の健康影響」(5月19日)



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