原告212名で、高浜4号疑惑MOX燃料の
使用差し止め仮処分を提訴!
福井県知事に
「裁判中の疑惑燃料使用を認めるな」
の声を集中しよう!

裁判と法廷外の運動を結合して、
MOX燃料年末装荷・プルサーマル1月実施を阻止しよう!
全国各地から脱原発百人署名を進めよう!


 現在のMOX燃料装荷反対運動の焦点は、福井県議会(12/1〜17)後に予定されている県知事のMOX燃料使用容認表明にストップをかけることにある。裁判と法廷外の運動を結合して、福井県内のあちこちから、関西一円から、全国から、「裁判中なのに使用を認めるな」「疑惑燃料の使用を認めるな」の声をあげよう。関電の、年末MOX燃料装荷・1月プルサーマル実施を阻止しよう。

   原告212名の思いは一つ
        裁判に訴えてでも、プルサーマルを止めたい!

 11月19日、関西電力を相手に、大阪地方裁判所に高浜4号の疑惑MOX燃料使用差止仮処分を提訴した。わずか1週間で、福井・大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良・滋賀から212名が原告に名乗りをあげた。若狭で東海村事故を繰り返してはならないとの執念からである。仮処分の訴えの内容は、@MOX燃料の使用差し止め、Aその燃料を差し押さえて、福井地裁執行官の占有下におくこと。
 裁判の焦点は、MOX燃料ペレットの抜取検査データの疑惑である。関電は、3号用燃料では抜取検査データに不正があったとして作り直しを決定した。しかし、「4号用燃料には不正なし」とする関電の主張には、なんら明確な根拠はない。19日に高浜町議会に対して関電・国が行った説明では、「全数検査で大丈夫だから」などと言いだし、抜取検査データそのものに触れることさえ避けようとしている。しかし、製造元のBNFLから関電に対して出される「品質保証」は抜取検査データによってのみ保証される。だからこそ、3号用燃料は作り替えなければならなかった。「全数検査で大丈夫だから」と言うのであれば、3号用燃料の作り直しも必要なくなる。まったくの自己矛盾である。
 私達原告は、関電が公表した米粒よりも小さい数字が羅列してある資料から、数万個のペレット外径データを入力して、全数検査データと抜取検査データのグラフを作成した。これを元に、抜取検査データに不正疑惑が濃厚であると確信している。

 福井県議会後の知事の燃料使用容認を許すな

 福井県知事は、私達が提訴した19日、12月の県議会後に高浜4号燃料の使用について判断すると表明した。これは、高浜4号用燃料の疑惑が地元マスコミで大きく取り上げられ、裁判にまで訴えたこと、高浜町での住民投票の運動、東海村事故後の県民の不安の高まり等々を無視することができなくなったためである。この知事の発言により、関電は年内にプルサーマルを実施することはできなくなった。関電は、11月実施から年内実施、さらに年末MOX燃料装荷・1月実施と後退を余儀なくされている。これは反対運動全体の緒戦の成果である。
 しかし、知事・県議会各派は示し合わせたように、年内装荷に向けた地ならしを進めている。19日の記者会見で知事は、「プルサーマルの判断をかえたわけではない」とクギをさし、プルサーマル受け入れに変わりがないことを強調した。
 22日、県会最大会派の自民党は、総会でプルサーマル推進を決議した。続いて24日、県民連合(民主+社民)も推進の決議をあげた。県議会が始まる前から推進を決議し、県議会後に知事が容認を表明するという、全くの出来レースである。燃料のデータ疑惑問題についての判断根拠は、「安全委員会が安全だと言っているから」だという。JCOのずさんな管理を容認してきたのは安全委員会ではなかったのか。東海村事故を受けても、まだ安全委員会だのみか!
 政党各派のどろどろした思惑など私達の知ったことではない。はっきりしているのは、知事も議員も、県民の命をないがしろにしているということだ。

 「もう煮詰まっている!」
   人々の怒りと不安を組織して、いたる所から声をあげよう

 知事や議員の思惑と、県民・関西の住民・全国の人々の思いはまったくかけ離れている。彼らの政治的思惑や、無責任極まりない国の「安全」で、危険なプルサーマルが開始されてはたまらない。裁判と法廷外の運動を結合して、県知事の燃料使用容認にストップをかけよう。
 裁判では、これから本格的な闘いが始まる。まもなく出されるであろう関電の答弁書を批判するために最大限の努力が払われる。
 法廷の外でも、この期に様々な運動が準備されている。12月3日には原水禁関西ブロックの主催で、6000人規模の「高浜プルサーマル反対」集会・デモが行われる。5日には、敦賀で「もんじゅ」・プルサーマル反対の全国集会が予定されている。高浜町ではプルサーマル住民投票実現に向けて山場を迎えている。
 私達が進めている脱原発百人署名も広がり始めている。東海村事故やプルサーマルに怒りを押さえることができない主婦達が、独自のネットワークで署名を進めている。「日本の状況はもう煮詰まっている」「今こそ声をあげなければ」と。また、「事故翌日の東海村」を写し出した樋口健二氏の写真展・講演会に参加した人々は、その写真と「悲劇は今から始まる」という事故の真実の姿にふれ、事故の深刻さと国のどうしようもない無責任さに怒りを強めている。さらに、日本で初めて被曝労働の裁判を闘った岩佐さんの闘いと、77歳の高齢になられた近況を思い重ねながら、改めて、これ以上被曝者を出してはならないと決意を新たにしている。
 科技庁は、東海村事故の被曝評価で「200ミリシーベルト以下ではがん発生の心配はない」旨の報告書を発表した。今後発生するであろう住民・労働者の晩発性障害を一切切り捨てるという宣言である。「しきい値200ミリシーベルト」。なんという暴論!この暴論で東海村事故での被曝を切り捨て、高浜4号プルサーマル推進で、事故後の原子力政策の立て直しを狙っている。
 民意は私達の側にある。福井県知事が、容認表明をできないように、人々の怒りと不安を組織しよう。福井県内のあちこちから、関西一円から、全国から、「福井県知事は、疑惑燃料の使用を認めるな」「裁判中の疑惑燃料の使用を認めるな」の声を集中しよう。



抗議等の宛先
 福井県知事 栗田幸雄様
 〒910−8580 福井市大手3丁目17−1 福井県庁
 TEL 0776−21−1111 FAX 0776−21−6875



トップ