国内及び国際情勢

「三国人発言」を繰り返した石原東京都知事に対する公開質問状



東京都知事 石原慎太郎 殿

2006年9月26日

「外国人・民族的マイノリティー人権基本法」と
「人種差別撤廃法」の制定を求める連絡会
共同代表 田中宏 丹羽雅雄 渡辺英俊
東京都新宿区西早稲田2−3−18一52
外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会内

移住労働者と連帯する全国ネットワーク
共同代表 岩本光弘 大津恵子 丹羽雅雄 村山敏 
もりきかずみ 由井滋 渡辺英俊
東京都文京区小石川2-17-41 TCC2−203
Tel 03-5802-6033  Fax 03-5802-6034

公開質問状

 2006年9月16日付けの朝日新聞で、「総合危機管理講座」創設委員会・「9.11 日本を守る有志の会」主催のシンポジウムにおいて、石原慎太郎東京都知事が「不法入国の三国人、特に中国人ですよ。そういったものに対する対処が、入国管理も何にもできていない」と発言したと報道されました。

 「三国人」という言葉が歴史的にも差別的な意味合いを持つことは、周知の通りです。特に「中国人」と「不法入国」を結びつけて言及することによって、あたかも中国人が特別な問題を引き起こしているような印象を作り出し、偏見を助長します。

 石原都知事は、2000年4月9日、陸上自衛隊練馬駐屯地での創隊記念式典において、「今日の東京を見ますと、不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪をですね、繰り返している・・・もし、大きな災害が起こったときには、大きな騒擾事件すら想定される」と発言しました。

 また、2001年5月8日付け『産経新聞』の「日本よ」と題する文章において、中国人同士の犯罪事件に関連して「こうした民族的DNAを表示するような犯罪が蔓延することで、やがて日本社会全体の資質が変えられていく恐れがなしとはしまい」と述べています。さらには、今年8月30日には、五輪開催に関して福岡の応援演説をした姜尚中・東大教授に対して、「怪しげな外国人が出てきてね。生意気だ、あいつは」などという発言をしたことが報じられたばかりです。

 このような発言が起こるたびに、外国籍あるいは外国に文化的・民族的ルーツをもつ人たちが偏見の目にさらされ、深く傷つけられていきます。都知事という公職の立場の人がこのような差別発言を繰り返し行うことは、外国人全体への偏見・差別を助長し、地域社会における多民族・多文化共生を破壊するものであり、許されるものではありません。

 私たちは、国籍・民族の違いや在留資格の有無に関わらず外国籍市民等の人権擁護や相談活動に取り組んでいる団体・個人のネットワーク組織です。その立場から下記の質問をいたします。つきましては、文書にて2006年10月3日までにご回答をお願い申し上げます。なお、いただいた回答については、公開することを付記します。

―記―

1.今回の発言について、具体的にはどのような発言であったのか、発言録もしくは発言の要旨がわかる資料を提供するなどして説明されたい。

2. 2000年4月9日に同じく「三国人」発言を行った際には、「今後は、誤解を招きやすい不適切な言葉を使わない」と表明し、同年4月19日、文書で「一般の外国人の皆さんの心を不用意に傷つけることとなったのは不本意であり、極めて遺憾です」と陳述したにもかかわらず、今回再び同様の発言をした真意を、説明されたい。

3.2000年4月9日の発言について、国連人種差別撤廃委員会は2001年3月20日、日本政府に対し次のように勧告した。
「委員会は、高位の公務員が行った差別的な発言と、特に、条約第4条(c)違反の結果として、当局がとるべき行政上または法律上措置をとっていないこと、またそうした行為は人種差別を助長、扇動する意図があった場合にのみ処罰されるという解釈に、懸念をもって注目する。締約国が、こうした事件の再発を防ぐための適切な措置をとり、特に、公務員、法執行官および行政官に対し、条約第7条に従って、人種差別につながる偏見と闘う目的で適切な訓練を行うよう求める。」
今回の発言はこの勧告の趣旨に反していると考えられるが、それに対する見解を説明されたい。

以上


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