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| 第10章 人種主義と外国人嫌悪の撤廃 | |||
10-1. 直ちに行うべき措置 1) 政府、国会および関連する地方自治体は、移住者・在日外国人に対する人種差別と外国人嫌悪に関する特別の調査委員会を設置する。この組織は政府からの独立性を確保し、十分な権限をあたえられ、移住者の代表、NGO、国際人権機関その他関連団体との協力のもとで事実調査を行い、その報告を公表するとともに、可能な対応措置を提言する。また、この報告は、今後の人権保障政策に活かされるものとする。扱われる事象は、少なくとも以下のものをふくむ。(「1-1-2 (3)a-」参照) a- 入管、警察など公権力を有する法執行機関が関与する人権侵害事件、特に、◇入管、警察、拘禁施設職員による暴行事件、◇移住者・在日外国人に対する組織的な別件逮捕の疑い、◇「来日外国人犯罪」に関する警察発表と広報活動及び関連する統計のあり方における人種・民族差別の疑い。 b- 2000年4月および2001年5月の石原東京都知事の差別発言。 c- 公務員など、とくに入管、警察など法執行機関職員および司法関係者に対する人権教育の現状。 d- マスコミの犯罪報道。この調査については、報道機関の自主性を尊重する。 e- 民間人、民間機関による差別と人権侵害、とくに各地の「入店拒否」事案。 f- 憎悪犯罪、とくにエルクラノ事件および在日朝鮮人児童生徒に対する攻撃。 g- 女性と子どもの移住者とくに人身売買の被害者、ドメスティックバイオレンスの被害者、家事労働者が置かれている状況。 2) 人種差別撤廃委員会をはじめとする国際人権機関による日本政府への勧告を実施する。 10-2. 移住者などに関連した「人種主義との闘い」を有効に進めるための法的前提 3) 外国人人権基本法を制定する。(「1-1-2」参照) 4) 国際人権諸条約を完全批准する。(「1-1-3」参照)。とくに、 a- 人種差別撤廃条約の第4条a、b項に対する留保を撤回し、同条約14条(個人・団体の通報制度)が求める宣言を行う。 b- 個人通報制度を定めた自由権規約第一選択議定書などを批准する。 10-3. 人権擁護法案の抜本的見直し。国際人権基準に準拠した差別禁止法案と国内人権機関の設置法案に改めること 5) 移住者・在日外国人の人権を明示し、人種差別・人権侵害の禁止と処罰、被害者の救済と補償を定める(国連のモデル法案に準拠した差別禁止法案)。 a- 移住者・在日外国人が憲法および批准された国際人権諸条約にもとづく人権と基本的自由を享受すること。 b- その保護と実現とくに人種主義の撤廃を国と地方自治体の責務とすること。 c- 禁止すべき人種差別・人権侵害の定義を、人種差別撤廃条約に準拠したものとすること。 d- 公権力・公務員による差別・人権侵害を重視すること。 e- 人種差別に対する罰則、人種主義の宣伝、扇動を刑事犯罪とする規定と罰則をふくむこと。 f- 被害者の救済と補償、その申し立て手続を定めること。 g- 実施機関として新たな人権機関の設置を定めること。 6) 設置される人権委員会を独立した人権機関とする(パリ原則に準拠した人権機関設置法案)。 a- 組織構成において独立性を確保すること。とくに財政、事務機関など独立した組織基盤を有すること。 b- 組織構成において多元性を確保すること。とくに委員や事務局に移住者の代表、関係NGO、弁護士、学識経験者をふくむこと。 c- 主管省庁を法務省ではなく、内閣府とすること。 d- 権限と機能は、総合的な人権保障活動が行えるよう幅広いものとすること。とくに、 d-1. 定期的な、あるいは特別の課題についての、移住者の人権状況の調査と報告の公表 d-2. 法令、政策、施策の全面的な見直し、および政府、国会、裁判所への勧告 d-3. 「人種主義との闘い」と総合的な人権保障をめざす国内行動計画の立案と必要な立法の提案 d-4. 各国際人権条約の実施監視委員会に提出する政府報告への情報提供および国際人権機関との協力 d-5. 法執行官や司法官などへの人権研修および学校や社会一般での人権教育の支援 d-6. 人権侵害の被害への救済と補償を支援する、あるいは自ら行う準司法的機能 d-7. 人権に関する研究支援と研究 e- 活動における有効性の確保。とくに広報、通訳その他について移住者からのアクセスと移住者へのアプローチを確保すること、また関連するNGO、労働組合などとの協力を明確に位置づけること。 8) 「人種主義との闘い」、総合的な人権保障、多民族・多文化共生社会をめざす国内行動計画の策定を政府に義務づける。 |
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