第3章 女性の権利

3−1. 性産業における人身売買・管理売春

1) 日本政府は、外国人女性と子どもの人身売買、管理売春の実態を調査、把握すべきである。

2) 日本政府は、人身売買・管理売春の被害者女性・子どものの人権救済と事件再発防止、さらに人身売買・管理売春の廃絶に向けた対策をとるべきである。

3) 被害者女性・子どもの告発を促し、被害を救済するためのシステムをつくる。

4) ブローカーなど加害者及び加害組織の有効な摘発および処罰を行なう。

5) 人身売買・管理売春の被害者女性・子どものの救済に当たる政府機関の職員を、本務に障害となる入管法上の拘束から免除する。

6) 国内の救援NGOや被害者女性と子どもの出身国NGOとの協力関係を強め、人身売買被害女性・子どもの救出・保護活動を援助する。

7) 被害者女性・子どもの社会的・医学的・心理的ケアと社会復帰のプログラムを日本国内において保障する。

3−2. 労働者としての権利

8) 行政努力によって移住女性の就労できる職域を広げ、人権保障を確実に行う。

9) 「興行」の資格で入国している女性の多くは、事実上、風俗営業等に関する法律で定める接客従業者として就労しているのであるから、労働者として労働監督行政に位置づけ、労働関係法令に従い、その権利を擁護する施策を徹底させる。「短期滞在」や「興行」など入管法上の資格に関係なく、事実上の接客従業者であれば、労働者として救済する。
(「2-1 10)」参照)

10) 使用者に対し、労働関係法令に従って女性移住労働者を処遇するよう指導を強める。

11) 個人に雇用される家事労働者(家事使用人)に対して労働関係法令を適用し、それを関係者に周知徹底させる。(「2-1 11)」参照)

12) 在日公館関係者に雇用されている家事労働者についても、日本政府は行政責任として、労働法の適用など、適切な対応を求める。(「2-1 11)」参照)

3−3. 地域社会における生活者としての女性の権利

13) 日本社会で家族を形成する移住女性に対し、家族関係、言語、文化、日常生活、医療等に関する十分な情報と支援を提供する体制を、 国、地方自治体、地域社会の各領域で確立する。

14) 移住外国人女性と共に家族を形成する日本側構成員に対し、当該女性の背景にある家族関係、文化、言語、社会等に関する理解を深めるため、情報提供、相談、継続的支援の体制を確立する。

15) 出身国の医療、社会、習慣にも十分配慮しつつ、日本で可能な避妊法等を母語で説明した冊子などの資料を作成・配布する。

16) 移住女性の性生活、妊娠、出産等における問題を解決するための相談・支援体制を作る。

3−4.ドメスティックバイオレンス(DV)

17) DV防止法の運用に当たって、被害女性の国籍・在留資格にかかわらず保護が与えられることを明示し、地方自治体にもこれを徹底させる。

18) 生活保護の適用、健康保険・国民健康保険への加入、児童福祉法の適用など、すべてのDV被害者に対して、在留資格に関係なく保護が行われるように関連法の運用を見直す。(「6-1、6-2、6-3」参照)

19) DV防止法による移住女性の保護に当たっては、被害者保護を優先させ、入管法上の公務員の通報義務を停止する。

20) 「配偶者」の在留資格で在留する移住女性が、DV被害に遭って離婚を求めるときは、加害者である夫の協力なしでも在留資格の更新や変更を迅速に行う。

21) 移住女性DV被害者の離婚調停や親権の争いにおいては、DV被害の事実を、在留資格・生活保護受給の有無・就労形態等に優先して考慮する。

22) 移住女性DV被害者の相談・支援・保護に当たるNGO活動やシェルターに対し、国及び自治体の各レベルで助成を行う。

23) 移住女性の暴力の被害について実態調査を行い、国及び自治体の各レベルでの施策に反映させる。
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