Date: Thu, 27 Mar 2003 17:24:51 -0000

（創刊：2001年8月18日）
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                        メール・ニュース 号外 発行：2003年 3月 28日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 登録者数：349人
                              http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html


                          ◆◇◆号外！！◆◇◆
        ◆米山リサさん・BRO申立て、「判断」が3月31日に出ます！◆

　NHK　ETV2001「シリーズ　戦争をどう裁くか」（2001年1月29日−2月1日放
映）の出演者のひとりである米山リサさんが、番組にくわえられた改変に関し、
BRO（放送と人権等権利に関する委員会機構）に権利侵害を申立てていた件で、
BROの判断が、来る3月31日(月)に出されることが決定しました。記者会見の詳細
とともにお知らせします。メディアのあり方に大きな波紋を投げかける判断とな
りますので、ご注目ください。

                                ◆経緯◆

　上記シリーズのうち、とくに第二夜の「裁かれた戦時性暴力」は、2000年12月
8日−12日に東京で開催された女性国際戦犯法廷を紹介するという当初の企画か
ら大きく逸脱した番組となって放映されました。女性国際戦犯法廷の主催者名や
判決内容が削除されるのみならず、法廷に否定的な学者のインタビューが長々と
挿入されるなど、取材協力者や出演者が了解していたものとは全くかけはなれた
番組になってしまいました。
　これまでに判明した事実から、番組の改変が放映直前であったこと、この改変
の背後には「NHK上層部」の介入があり、さらにその背景には右翼団体による電
話・ファックス・電子メール・威力による抗議があったことがあきらかになって
います。また、政治家の介入があったという信憑性の高いうわさもささやかれて
います。この改変が「外圧」によるものであるにせよ、内部の「自粛」であるに
せよ、この事件は今日の表現の自由の深刻な危機をしるしづける事件に他なりま
せん。

                      ◆BROへの申立てとその趣旨◆

　とくにスタジオ出演者であった米山リサさんの発言は、削除、切り貼り、発言
状況の捏造等の「編集」行為により、その発言意図や発言の意味そのものが不明
になるほど改変されました。米山さんはほかの番組出演者や視聴者などととも
に、なぜこのように不自然な改変が加えられたのか再三にわたってNHKに釈明を
求めてきましたが、NHK側からの誠意ある応答を得ることはできませんでした。
そこで、昨年８月にBROへ申立てるに至りました。
　申立ての趣旨は、「著作者人格権侵害」と「名誉権侵害」です。つまり、米山
リサさんの番組でのコメントは、本来の発言の同一性をそこなうかたちで改変さ
れてしまったものであり、著作物（映像を含む）の同一性を保持する著作者の権
利を侵害することになります。また、そのことによりフェミニスト研究者として
の米山さんの名誉を失墜させたという点において、名誉権侵害にも相当します。
さらに、番組の企画趣旨の変更があったにもかかわらず、スタジオ収録から放映
にいたるまで何ら連絡がなかったという点から、放送倫理違反であることも明白
です。

　今回の申立ては、米山リサさん個人の権利侵害に対する申立てという形式に
なっていますが、これがどのように判断されるのかは、今回の番組改変の根本、
もっといえば今日のマスメディアの構造そのもに関わる問題を含んでおり、私た
ち、「メディアの危機を訴える市民」にとっても、極めて重要な問題です。
　去る1月21日には、米山リサさんとHNK側双方にたいするBRCのヒアリングが行
われ、判断が出るのは近いと思われていました。あり得るBRO判断は三種類、つ
まり (1)「勧告」（権利侵害を認めた）、(2)「見解」（権利侵害はなかった
が、放送倫理違反はあった）、(3)いずれも認めず、の三つです。仮に(3)だとす
れば、 BROは自分で自分の首を絞めることになるでしょう。公権力の介入によっ
てではなく、あくまでも放送メディアが自主的に人権を擁護するという目的で設
置した BROが、この注目すべき事件について、どのような判断を下すのか、注目
しましょう。

                              ◆記者会見◆

　下記の要領で記者会見をおこないます。事前の申し込みなどは必要ありません。

　日　時：3月31日（月）15：30〜
　会　場：千代田放送会館２階（千代田区紀尾井町１−１）
　会見者：米山リサさん（メッセージ代読予定）
　　　　　同代理人・山下幸夫弁護士

　なお、これに先立ち、BRO側の記者会見が同会場で14:30より開かれます。そち
らについての問い合わせは、BROに直接お願いします(TEL: 03-5212-7333、FAX:
03-5212-7330)。


                   ◆ニュース報道チェックのお願い◆

　通常、BROの判断が出たその日(今回は3月31日)には、各放送局のニュース番組
(NHKだけでなく民放各局も含めて)でBROの判断内容が報道されます。メキキネッ
トの事務局だけでは全ての局のニュースを把握できませんので、メルマガ購読者
の皆さまで、BROについてのニュース報道に接した場合、または逆にずっと
ニュース番組をチェックしていたが少しも報道が無かった場合、ぜひ事務局まで
情報をお寄せ下さい。BROの記者会見が午後2時からですから、報道されるとすれ
ば、おそらく午後5時以降のニュースになるものと思われます。


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■みなさんからの御意見・御感想、なにより投稿をお待ちしています！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（メキキ・ネット事務局一同）

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│発行＝ 2003年 3月 28日                                            │
│　発行所＝メキキ・ネット事務局                                    │
│　ホームページ： http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
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