(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                          メール・ニュース 号外 発行:2005年11月2日
                           登録者数:360人
                             http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html 

 放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会、略称「放公協」というネッ
トワークが立ち上がっています。メキキネット事務局も参加しています。
 今回は、放公協を中心とした取り組みを二つ紹介します。

 ■もくじ■ 

1.緊急シンポジウム(11月6日)
  なぜ受信料を払うのか:徹底討論・NHK新生プランを問う

2.朝日新聞へ質問書(10月31日)
  ……市民団体が連名で朝日新聞社に質問状を提出しました。

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                          ■緊急シンポジウム■

                      ■■なぜ受信料を払うのか■■
                ――徹底討論・NHK新生プランを問う――

主催 
※放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会(放公協)
※放送の公共性を構想する研究者会議

日程  2005年 11月 6日(日)13:00 〜 18:30
場所  東京大学経済学研究科棟 
資料代 500円
問い合わせ先 Tel. 03−3467−8911
         (アジアプレスネットワーク内 野中・岩崎)
放公協ホームページ  http://www.hokokyo.org/ 

          <<プ ロ グ ラ ム>>

■12:30    開場
■13:00 - 13:10 趣旨説明 野中章弘(アジアプレス)

■13:10 - 13:40
第1部 「NHK新生プラン」をめぐって 
  司会 野中章弘(アジアプレス)岩崎貞明(メディア総研)
○「新生プラン」についての説明(15分) 
                NHK広報担当(交渉中)
○コメント1(7分) 
                桂敬一(立正大学)
○コメント2(7分) 
                小滝一志(放送を語る会)

■13:45 - 15:20
第2部 受信料制度はどうあるべきか 
  司会 野中章弘(アジアプレス)・岩崎貞明(メディア総研)
○「NHK受信料支払い停止運動の会」からの視点(7分) 
                醍醐聡(東京大学)
○「報道・表現の危機を考える弁護士の会」からの視点(7分) 
                澤藤統一郎(弁護士)
○メディア総合研究所からの視点(7分) 
                服部孝章(立教大学)
○公共放送と視聴者の約束(7分) 
                石川明(元関西学院大学)
○会場との討論(60分)

■15:40 - 17:20
第3部 政治介入と公共放送 
 司会 吉見俊哉(東京大学)・吉田俊実(東京工科大学)
○政治介入とジャーナリズム(15分) 
                原寿雄(元共同通信)
○ETV2001改変と政治介入(7分)
                魚住昭(ジャーナリスト)
○「メディアの危機を訴える市民ネットワーク」からの視点(5分) 
                中野敏男(東京外国語大学)
○「日本ジャーナリスト会議」からの視点(5分) 
                石井長世(日本ジャーナリスト会議)
○会場との討論(60分)

■17:30 - 18:30
第4部 私たちが求める公共放送 
  司会 吉見俊哉(東京大学)・吉田俊実(東京工科大学)
○新生プランを考える(7分) 
                吉岡忍(作家)
○NHKの「改革」には何が必要か(7分) 
                大石泰彦(東洋大学)
○もう一つの公共放送構想(7分)
                津田正夫(市民とメディア研究会)
○市民に何が提案できるか(7分) 
                細井明美(支払い停止運動の会)
○総括討論

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【「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」参加団体】
※メディア総合研究所 
※NHK受信料支払い停止運動の会
※自由ジャーナリストクラブ 事務局 
※放送の公共性を構想する研究者会議
※放送を語る会 
※報道・表現の危機を考える弁護士の会
※日本ジャーナリスト会議 
※アジアプレス・ネットワーク
※メディアの危機を訴える市民ネットワーク
※市民コンピュータコミュニケーション研究会(JCAFE)

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                              <<開催趣旨>>

 公共放送の危機。メディアの危機。そして言論の自由そのものの危機。わたし
たちの社会のメディアと言論は、いま、重大な危機のなかで大きく揺れ動いてい
ます。いま、声を発しなかったら、いったいいつ発するというのでしょう。

 ご承知のように、今年1月、の朝日新聞の報道と長井暁チーフプロデューサー
の内部告発により、4年前、NHK教育テレビで放送されたETV2001「シリーズ 戦
争をどう裁くか」の番組改変で、安倍晋三氏ら複数の自民党政治家が政治的圧力
をかけていたことが明らかになりました。ところがその後、 NHKは逆に報道が朝
日新聞の「誤報」であるかのように論点をすり替え、海老沢会長辞任後も、政治
家への事前説明を「通常業務の範囲内」とする見解は改められていません。

 他方、プロデューサーによる番組制作費の着服など多数の問題が露わになった
NHKに対し、受信料の支払い停止・拒否を宣言する動きが全国的に広がっていき
ました。

 世論の批判にさらされ、4月にはNHKの理事全員が交代し、て新体制が動き始
め、新体制は9月、「NHK新生プラン」を発表します。しかし、その内容で新し
いのは、職員の1割削減と裁判所を通じた受信料の支払い催促の検討という組織
防衛的なものだけで、何ら公共放送の具体的な将来ビジョンは示されませんでし
た。

 さらに9月には、これまで安倍氏らの政治的圧力を明らかにしてきた朝日新聞
が、自らの報道姿勢を自己否定するような決着のつけかたをすることで、問題を
さらに深刻化させてしまいました。

 現在の状況は困難です。しかし、私たちはなおこの国に「公共放送」が不要で
あるとは考えていません。この春のフジテレビとライブドアの一件でも、現在問
題になっているTBSに対する敵対的買収の動きにしても、巨大な資本の無責任な
流れのなかで、私たちの社会の公共性と言論の根本が激しく揺らいでいることを
危機として受けとめています。私たちは、このような動きに対抗し、メディアの
公共性を守り、再生させていくことこそ必須の課題であると考えています。

 現在、全国各地で諸々のNHKの問題を放送の公共性の危機として受けとめる市
民やジャーナリスト、メディア研究者たちの活動が広がっています。そこで私た
ちは、「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」(放公協)という連
絡協議組織を立ち上げ、諸グループ間の情報の共有化を図るべく努めてきました。

 今回は、この全国連絡協議会とメディア研究者グループが中心になり、NHKに
おける「受料」と「政治介入」という2つのテーマを核に議論を展開します。ま
ず第1部では、NHKにる「新生プラン」に焦点を当て、第2部では「受信料」を、
第3部では「政治介入」を集中的に論じていきます。そして第4部では、これら
を総括しながら私たちが求める公共放送の姿を示していきたいと思います。

 現状への幅広い危機感から、市民とジャーナリスト、研究者、諸団体が、世代
や立場の差をこえて結集するシンポジウムです。危機感を共有する一人でも多く
のみなさまの参加をお待ちしています。


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                    2.朝日新聞へ質問書(10月31日)

 10月31日、次の各市民団体が連名で、朝日新聞社長宛に質問書を提出しました。

 「NHK番組改ざんを考える市民の会」(福岡)
 「小弥『君が代』処分を考える会」(東京)
 「人権と報道・連絡会」
 「放送を語る会」
 「NHK問題京都連絡会」
 「報道・表現の危機を考える弁護士の会」
 「メディアの危機を考える市民ネットワーク」事務局
 「アジア・プレス・ネットワーク」
 「NHK受信料支払い停止運動の会」

 質問の趣旨について、「ETV番組改変問題の報道総括に関する質問書」の前文
から引用します。

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 2001年1月30日に放送されたNHKのETV番組改変問題に関する貴社の報道
のあり方を検証するために、貴社が委嘱した第三者機関「『NHK報道』委員会」
(以下、「第三者委員会」と略す)の審議の結果が、『朝日新聞』10月1日朝刊
に掲載されました。これを受けて、秋山社長名の談話(以下、「社長談話」と略
す)と「朝日新聞社の考え方」(以下、「考え方」と略す)が同日の紙面に掲載
されました。 

 また、これらの記事掲載を受けて、安倍晋三氏は9月30日夜、「取材不足なら
謝罪すべきだ」、「我々が捏造だと指摘してきたことに〔朝日新聞は〕全く反論
できていない」などとするコメントを発表しました。また、中川昭一氏も10月7
日の閣議後の記者会見で「迷惑をかけたなら謝罪なり説明をするのは常識だ。こ
れで終わらせる、ふたをすることは、絶対許さない」と述べています。 

 長井暁さんが告発したNHKの番組制作への政治介入は、報道・表現の自由の根
幹に関わる問題ですから、この問題に鋭く切り込んだ貴社の本年1月の記事は、
NHKと政治の危うい関係を社会に向かって警告する貴重な取材の成果であったと
私たちは評価しています。

 それだけに、9月30日の報道総括の記事や同日の社長発言を見るにつけ、私た
ちは、本来、議論されるべきNHKと政治の距離が、朝日新聞の取材のあり方に
そらされ、市民が知りたい政治介入の真相がうやむやにされたまま、ETV番組
改変問題の調査・報道が幕引きされかねない状況に強い失望と危惧を抱いていま
す。

 そこで、この問題の真相解明を訴え続けてきた私たちは、連名で貴社宛に公開
質問書を提出することにしました。以下の質問事項を熟読いただき、11月18日
(金)までに文書で項目ごとに回答くださるよう、お願いいたします。
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 質問は大きく5項目となります。

質問1 最初の報道を訂正する必要はないと言いつつ、「深い反省」を繰り返す
貴社の総括について
質問2.中川氏がNHK幹部に会ったのは放送日の前か後かについて
質問3 安倍氏がNHK幹部を呼び出したのかどうかについて
質問4 細部にわたる取材の裏付けにこだわる報道総括がもたらす影響について
質問5 無断の録音記録を禁止する社内原則の是非について

 提出した日に記者会見を開きました。少なくとも共同通信は配信しました。

番組改編報道総括は疑問 市民団体が朝日に質問書
(共同通信) - 10月31日17時51分更新

 この件については、また続報します。

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 800字程度を目安にまとめて、タイトルを添えてお送りください。
  匿名希望、字数については、ご相談ください。
 宛先 mekikinet-owner@yahoogroups.jp 
                       (号外編集担当・板垣竜太)
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│ 発行= 2005年11月2日                                            │
│ 発行所=メキキ・ネット事務局                                    │
│ ホームページ: http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
│ 電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp                      │
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