(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                       メール・ニュース  号外  発行:2005年1月17日
                           登録者数:382人
                             http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html

 いよいよ本日は、VAWW-NETジャパンのNHK裁判口頭弁論です(詳細は前号をご
らんください)。ここ数日でめまぐるしく展開した状況の中、どのような公判に
なるのか、ご注目ください。

 今号では、ETV2001「問われる戦時性暴力」にスタジオ出演し、その発言が改
変されたとしてBRCに申し立て、「見解」を勝ち取った、メキキ・ネット事務局
員でもある米山リサさんのメッセージをお送りします。

■もくじ■

1.NHKプロデューサー長井暁氏の記者会見に「こだま」する
                                                           米山リサ

2.1月18日・ジャーナリストによる集会

3.情報欄──NHK長井プロデューサー会見映像・抗議と励ましを送ろう!

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1.NHKプロデューサー長井暁氏の記者会見に「こだま」する 	
                              米山リサ
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 凄まじい一年が明けました。VAWW−NETジャパンが主催した2000年
「女性国際戦犯法廷」をあつかったNHK番組、ETV2001「戦争をどう裁
くか」第二夜は、当初の企画と異なる改ざん番組として放映されました。その背
後に、与党政治家の圧力があったという事実が、今回、4年もの年月を経て明ら
かになりました。このことを報道機関の方々にたいして明らかにしてくださっ
た、NHKプロデューサー長井暁さんの志を無駄にしないために、その声にこだ
ましようではありませんか。

 長井プロデューサーは、政権の座にある右翼系政治家の脅しに屈したNHK幹
部によって、現場の制作者たちが番組制作論とはまったく異なる変更を強いら
れ、段階をおって最終的な大改変へとつながったことを、当時現場を掌握してい
たデスクの証言としてはっきりと述べられました。番組が、本来の意図を大きく
ふみはずし、VAWW−NETジャパンをはじめとする番組協力者たちの期待を
裏切るものとなって放送された理由と経緯が明らかにされたのです。このこと
は、NHK裁判にとって大きな意味をもつことになるでしょう。

 当番組は、世界との平和と共生を模索する21世紀の日本社会の行く末を根底
から左右する問題をあつかうものでした。まさに公共放送が扱うにふさわしい
テーマでした。その番組が、日ごろから極右的なイデオロギーをふりかざし、歴
史を修正し、人々の恐怖と憎しみをあおることに終始している与党政治家の圧力
と、それに屈した一部のNHK幹部の手によって、改ざんされてしまったので
す。その結果、番組は、日本軍従軍慰安婦制度の歴史と、これを国際法のグロー
バル・スタンダードの見地から「人道に対する罪」として裁いた「女性国際戦犯
法廷」について、極めて歪んだ知識と誤った理解を与え、告発する女性たちを侮
辱し深く傷つける内容となって放送されてしまいました。この事実が明らかに
なった以上、NHKを脅迫した政治家およびそれに追随したNHK幹部は、公共
放送としての責任を放棄してしまったことを視聴者にたいして謝罪するととも
に、法廷に参加した女性たちにたいして、彼女たちを貶めるような番組にことわ
りもなくその姿や声を使ったことを、すみやかに、深く、謝罪すべきです。

 この問題についてはこれまでにも、様々な質問、抗議、要望、批判が、NHK
に対して寄せられてきました。しかし、NHKからの誠意ある説明は、まだ一度
もなされていません。NHKによる黙殺は、排外的で差別的なナショナリズムに
よるメディアのさらなる歪曲をゆるしてしまうことに他なりません。長井プロ
デューサーの会見は、閉塞し批判力を失う日本のメディア界に、鋭い警鐘を打ち
鳴らすものです。

 一人でできることには、限りがあります。しかし、閉ざされた組織の重い扉を
押し開き、新しい関係を培うさきがけとなるのは、やはり人間の一人一人でしか
ありえません。長井プロデューサーの決意と志に、私たちそれぞれのできるやり
方で応えてゆこうではありませんか。

 新しい年が、もっともよい意味で波乱に満ちた一年となりますように。

 カリフォルニア州サンディエゴから。


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       2.1月18日・ジャーナリストによる集会
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 このNHKへの政治介入事件を受けて、放送関係者による緊急集会が開かれま
す。報道の自立について考えるジャーナリストの立場から、この問題について語
り合います。詳細は以下の通りです。ご参集ください。

   日時:1月18日(火)1:30〜3:30
   会場:参議院会館・第一会議室

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             3.情報欄
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■NHKへの政治介入事件に関する情報
□長井暁プロデューサー記者会見の模様
 「ビデオニュース」において、1時間の会見の模様がご覧になれます。
 http://www.videonews.com/

□事件の経緯
 ジャーナリスト坂本衛氏のサイト
 http://www.aa.alpha-net.ne.jp/mamos/tv/nhk2.html

■抗議と励ましのメッセージを!
 12日の朝日新聞報道以降、ETV改変事件はかつてない注目をあびています。そ
の分心配されるのは、勇気をもって告発した長井さん、この件を追う記者のみな
さんに対する圧力です。長井さんが会見でおっしゃっていた、「一日も早いNHK
の蘇り」のためにも、抗議と応援メッセージを送ってください!

□NHKへの抗議・長井プロデューサーへの励まし
 【NHK】 https://www.nhk.or.jp/plaza/mail/index.html
 【NHKコールセンター】 TEL: 0570-066066
                       FAX: 03-5453-4000

□朝日新聞本田・高田両記者への励まし
 【朝日新聞広報部】 MAIL: kouhou@asahi.com
           FAX:  03-5540-7618

□その他メディア
 この件を継続的に取りあげるよう、訴えましょう!また、名前を特定するまで
もない一部メディアは、安倍晋三氏の「陰謀説」のマウスピースとなり、論点の
すりかえを行っています。抗議を!

 【読売新聞】 webmaster@yomiuri.co.jp (読者サービス室)
 【毎日新聞】 simen@mbx.mainichi.co.jp 
 【京都新聞】 kpdesk@mb.kyoto-np.co.jp  
 【日経新聞】 http://www.nikkei.co.jp/   (問合せ欄)
 【産経新聞】 o-dokusha@sankei-net.co.jp   (大阪)
        t-dokusha@sankei-net.co.jp  (東京)
 【共同通信】 feedback@kyodonews.jp  
 【時事通信】 http://www.jiji.com/ 
                webmaster@jiji.com 
 【中日新聞】 http://www.chunichi.co.jp/ 
              center@chunichi.co.jp 

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 宛先 mekikinet-owner@yahoogroups.jp 
                    (号外編集担当・河野真太郎)

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│発行= 2004年1月17日                                              │
│ 発行所=メキキ・ネット事務局                                    │
│ ホームページ: http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
│ 電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp                      │
│ FAX: 020-4666-7325                                          │
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