(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                       メール・ニュース vo.18(1)  発行:2005年4月20日
                           登録者数:375人
                             http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html 


 NHKの番組「改変」問題の報道は下火になりましたが、各地でNHKへの申し入れ
はねばり強く続けられています。この申し入れについて、実際に放映された番組
を再放送せよ、検証番組を作成せよ、「もともとの番組」を放映せよ、などさま
ざまな要求事項が出されています。いずれも重要な要求ですが、この中で「もと
もとの番組」は放映せよという要求は、難しい問題をはらんでいます。政治家・
右翼団体・NHK上層部の連携で行われた今回の政治介入は非常に大規模なもので
あり、「改変」の過程も複雑なプロセスを経ているからです。
 メキキネットでは、メンバーの総力取材の結果、この「改変」の過程の詳細を
確認することができました。以下は、その第一弾です(同一の内容をWordのファ
イルにしたものをホームページ http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html か
らダウンロードできます)。長文にわたる上に内容も複雑なので簡単に読めるも
のではありませんが、ぜひお読みいただき、問題の根深さへの認識を共有してい
ただきたいと思います。そのことが、新たな運動の展開へと連なることを願いつ
つ…。

■もくじ■

 1.政治介入と番組改変 (1)

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                           政治介入と番組改変 (1)

                                                    メキキネット事務局
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 周知のとおり、1月12日付の『朝日新聞』の報道をきっかけに、NHKの番組改変
問題が急展開した。NHKや自民党議員は様々な批判をしているが、事実関係の争
いがある部分を差し引いたとしても、これまでの報道から、番組への政治介入が
かなりの点において立証されたといってよい。
 本稿では、この間のメキキネット事務局の取材によって明らかになった番組改
ざんの実態について、あらためて整理しておきたい。やや細かい話になるが、ご
容赦いただきたい。

【1.番組の諸バージョン】

 番組が、いくつかの段階を経て姿を変えていったことについては、メキキネッ
ト・メールニュース号外(1月12日)で述べたとおりである。それぞれの段階で想
定されていた番組にはいくつかのバージョンがある。それをここではやや細かく
整理しておこう。

 番組は、VTRを見てはスタジオでコメントする、というのを4回くり返す構成だ
った。つまり、VTRをV、スタジオをSと記号化すれば、「V1-S1-V2-S2-V3-S3-V4-
S4」という構成になっていた。これは、最初の構成案から放映まで一貫して変わ
らなかったので、以下、番組のどの部分なのかを特定するために、この記号を使
うことにしたい。

(1) 放映から1月以上前の2000年12月27日、高橋哲哉氏、米山リサ氏によるスタ
ジオ収録がおこなわれた。収録時には、少し長めのV1〜V4が用意されており、そ
れを見ながらスタジオ収録がおこなわれた。
 この段階で想定されていた番組を「12月27日版」と呼んでおこう。
 もちろんこの段階では1本の番組がつくられていたわけではないが、構成台本
などが存在している。あくまでも台本で想定されていた番組構成という意味であ
る。

(2) 2001年1月19日、吉岡民夫教養番組部長による試写がおこなわれた。ここま
で番組はドキュメンタリー・ジャパン(DJ)のディレクターを中心に、NHK教養部
のチーフプロデューサー(CP)およびデスクの助言と同意のなか制作されてきてい
た。しかし、吉岡部長は番組内容について「企画と違う」「お前らにはめられた」
などとまくしたて、具体的な改善点は述べないまま去っていった。
 この段階でつくられていた番組を「1月19日版」と呼ぼう。

(3) そこで部長を除く関係者で修正点を検討し、DJによる再編集がはじまる。
 海外の報道を加えることや、司会の町永氏のスタジオ再撮などが決められた。
そのうえで1月22日に再試写がおこなわれた。その場で、上からの通告として、
松井やより氏のインタビューVTRを削除すること、「天皇有罪」を伝える判決シ
ーンを削除してナレーションに変えることが命じられた。DJ側がこの通告の理由
を尋ねても、「業務命令」という答えしかかえってこなかった。明らかに通常の
編集プロセスからは逸脱していた。
 1月24日、こうした過程を経て手直しされた番組について、再び部長試写がお
こなわれた。番組の企画趣旨そのものを否定する意見が次々に出されたため、DJ
の担当ディレクターは番組から降板した。素材はすべてNHKに渡され、これ以降
の編集作業は全て教養番組部中心に行われることになった。
 この試写時のバージョンを、仮に「1月24日版」と呼ぶ。

(4) 1月26日、松尾武・放送総局長および伊東律子・番組制作局長による、極め
て異例の「粗編試写」が実施された。松尾総局長は「違う立場の人を登場させて、
内容のバランスをとれ」などと指示した。これにもとづき、秦郁彦氏のインタビ
ューなどを含む新たな番組台本が作られた。
 翌1月27日、出演者の高橋哲哉氏に、新たにコメントを取り直したいという連
絡があり、そのときにファックスで台本が送られた。この段階のものを、さしあ
たり「1月27日版」と呼んでおこう。

(5) 1月28日に、スタジオの再収録および秦氏のインタビュー収録がおこなわれ
た。この日の晩までに、スタジオの新撮分や秦氏インタビューの一部を加えた新
たなバージョンのオフライン編集を終え、部長のOKが出た。
 この段階のものを、ここでは「1月28日版」と呼ぼう。

(6) 放映前日の1月29日、松尾総局長、野島直樹・総合企画室局長(当時、国会
対策担当)らNHK幹部複数名が議員会館を訪問し、古屋圭司、下村博文、平沢勝栄
ら自民党の複数の代議士と面会し、さらに首相官邸に行って安倍晋三(当時、官
房副長官)と面会した。この議員の共通点は、当時中学校歴史教科書から「慰安
婦」の記述を削除することなどを求めていた「日本の前途と歴史教育を考える若
手議員の会」所属議員だった点である。同会代表だった中川昭一議員との事前の
面談については、まだ事実認定に争いがあるが、少なくともアポイントメントま
ではとっていたことが明らかになっている。いずれにしても、NHK幹部が特定の
目的を掲げた会に所属する議員と面談し、翌日放映される特定の教養番組につい
て、放映日とは無関係の次年度の予算説明という名目で釈明してまわったのであ
る。
 こうした面談を受け、同日晩、番組制作局長室で松尾・野島の両局長、および
伊東番制局長らをまじえた「異例の局長試写」がおこなわれた。内部告発した長
井デスクによれば、伊東局長は、試写前に「この時期〔予算シーズン〕にはNHK
は政治とたたかえないのよ。天皇有罪とかは一切無しにしてよ」と言ったという。
試写後、野島局長を中心に数多くの「編集」指示が現場に言い渡された。カット
箇所が多かったため、どうしても通常より1分短い番組にしかならず、43分版で
オンライン編集の手直しが継続されることになった。
 この段階の番組を、ここでは「1月29日版」と呼んでおこう。

(7) しかし番組への介入はまだ終わっていなかった。翌1月30日午後6時、すな
わち放映4時間前になって、さらに松尾放送総局長の指示が下った。総局長は、
部長以下、現場の反対を押し切り、「全ての責任をもつ」と言って、既にナレー
ション収録やテロップ入れも完了した番組に対して、さらに(1)中国人被害者の
証言、(2)東ティモールの慰安所の紹介と被害者証言、(3)そして加害兵士の証言
をカットさせた。ここで番組の尺は40分になってしまった。
 これが放映されたものであり、これを「放映版」と呼んでおこう。

 驚くべきことに、NHK幹部はこうしたプロセスを、「通常の編集過程」であっ
て「改変」ではないと言いきっている。だとすれば、NHKは、政治家に特定番組
について事前に釈明してまわることも、4分短い番組をつくるという放送事故を
起こしたことも、BRC(放送と人権等権利に関する委員会)に放送倫理違反と判断
されるような編集をおこなったことも、現場の反発にもかかわらず局長が番組を
つくりかえることも、すべて「通常」だと考えていることになる。そのこと自体、
むしろ恐るべきことではないだろうか。

【2.何が直前に変更されたか】

 ここまで7つのバージョンについて整理してきた。放映版を除く6バージョンに
ついては、細部まで明らかになっているわけではない。私たちがビデオに接した
わけではないし、そもそも個々のバージョンでビデオのようなものが現存してい
るかどうかも定かでない。しかし報道により公表された事実や裁判、BRCにおけ
る資料、および関係者の話を総合すると、編集過程の各段階において、このよう
なバージョンが存在したことは確実とみられる。

 この7つのバージョンは、「通常の編集プロセス」によって、徐々に番組が手
直しされていったということではなかった。この間のメキキネットによる総力取
材の結果を総合すると:

[1]12月27日版から1月24日版までは一定の連続性がみられること、
[2]1月24日版から1月28日版にかけて番組はかなり違った構成になっていったこ
と、
[3]そして1月28日版から放映版にいたるまでの2日間に極めて広範囲に渡る手直
しがあったこと、

が判明した。

 以下、この点について、放映版から時間を遡るようなかたちで、どのような異
同があったのかいくつか例を挙げながら論じていこう。

《2−1.1月28日版から放映版までの改変について》

 本年1月13日に記者会見を開いたNHKチーフプロデューサーの長井暁氏(当時、
担当デスク)は、この最後の2日における番組の手直しについて、「政治介入にと
もなう番組の改変によって、番組内容はオフライン編集完了時とは大きく異なる
ものになり、番組の企画意図は大きく損なわれることとなりました」と述べてい
る。また、長井氏は、この間に以下のような変更があったと証言していた。

29日の晩の野島局長らの指示による変更点は、主として:
(1) 「法廷」が、日本軍による強かんや慰安婦制度が「人道に対する罪」を構成
すると認定し、日本国と昭和天皇に責任があるとした部分を全面的にカット。
(2) 米山氏の話を数カ所カット。
(3) 秦氏インタビューを大幅に追加。

30日の放映直前に松尾総局長がカットさせた部分は:
(4) 中国人被害者の紹介と証言。
(5) 東チモールの慰安所の紹介と、元慰安婦の証言。
(6) 元日本軍兵士の証言。

 これだけでも、たいへん大きな改変である。添削された場面が具体的にどのよ
うなものだったかについては、魚住昭氏の論考(『月刊現代』05年3月号)や星
徹氏のルポ(『週刊金曜日』第551号、05年4月1日)、メキキネットによる素材
集(『インパクション』146号、05年4月)、および後述の補論を参照していただ
きたい。

 長井氏は同記者会見で、「終始野島さんがリードするかたちで作り替えが行わ
れました」と証言しているが、国会対策担当の局長が議員との面談直後にこうし
た指示を事細かにおこなったということ自体、政治介入の存在を立証するうえで
本質的である。

 メキキネットの調査によると、実はこの29・30日の改変は上記の6箇所だけに
とどまるものではなかった。30日はおそらく3箇所カット以上のことはできなかっ
たと思われるが、29日の晩から翌日にかけては相当徹底した作り替えの作業がお
こなわれていたと考えられる。実際、長井氏の記者会見では、29日の3箇所につ
いては、「主な変更内容」として紹介していたのであり、上記はまさに「主な」
ものにすぎない。放映直前に、NHKのCPから高橋氏に「刀折れ、矢尽きました」
という電話があったことが知られているが(『サンデー毎日』05年1月30日号な
ど)、それはまさに放映前の30時間ほどの間にずたずたと番組の意図そのものが
「大きく損なわれる」ことになったのを物語っているように思われる。

 3つほど、重要な部分を検討してみよう。

[1] 最も分かりやすい部分から述べる。
 放映版のV2の冒頭部分で、以下のようなナレーションがあった。

「今回の民間法廷では、いわゆる「慰安婦」の問題と戦場での強姦などの性暴力
が、人道に対する罪の観点から問われました。戦争中、女性たちが慰安婦にされ
た経緯は様々だったと言われています。強圧的につれだされ慰安所に監禁された
人のほか、自発的な応募者、あるいは親が現金などを受け取り引き渡した例など
もありました。しかし証言台にたった女性たちは、みずからの意志に反して性的
被害を受けたと主張する人たちばかりです。」

 これは苦しい思いで証言台に立った被害女性の証言を、何やら「偏った」もの
であるかのように印象づけるという、極めて意図的なコメントだった。しかし、
少なくとも1月28日版あたりまでは、全く違うナレーションが想定されていた。
以下のようなものである。

「検事団は、韓国、北朝鮮、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシ
ア、オランダから、総勢43名で構成されました。証言者としては、64名の被害者
が集まりました。今回の試みでは、日本軍による「慰安所」制度や性暴力が問わ
れました。「慰安所」は日本軍が占領したほとんどの地域に設置され、多くの女
性が「慰安婦」として、兵士の相手をさせられました。その数は公式に確認され
てはいませんが、10万人ともいわれています。」

 この変更の意味合いは極めて大きい。検事団の構成がどうなっていたのか、被
害者の規模はどれだけで、証言者としてどれだけの人が来ていたのか、という
「法廷」をめぐる基本的な情報が入っていたからである。放映当初から、「法廷」
がそもそもどのように行われたかについての情報もないことが、番組づくりとし
ておかしいということが言われていたが、こうした形で「法廷」隠しがおこなわ
れていたのである。

[2] この変更は大きな部分だが、さまざまなレベルで「法廷」を隠し、日本の
責任を曖昧にし、また証言の信憑性を疑う方向で、直前の作り替えがおこなわれ
ていた。

 たとえば、放映版のV3は、東京裁判から「法廷」までの流れを振り返る内容と
なっていたが、その締めくくりの言葉は、次のようなものだった。

「急速に変化をとげる国際法の潮流は、20世紀の清算に新たな課題をつきつけて
います。」

 しかし、1月28日版では、およそ以下のような内容だった。

「新たな国際法の潮流のなかで、日本は「慰安婦」問題とどのように向き合えば
よいのかが問われています。」

 似ているようだが全然違う。そもそも「20世紀の清算」とは、誰が誰に対して
何を「清算」するのかが全く意味不明の造語である。細部をいじくることによっ
て、日本の責任をめぐる問題を意図的に「骨抜き」にした様子がみてとれる。

[3] また、もともと教養番組部長が挿入を提案した海外報道についても、重要
な問題があった。海外報道はおそらく、「法廷」を直接扱うことを避けるために
提案したのだろうが、実は海外報道の方はむしろ「天皇有罪」をはじめとした
「法廷」の画期性を評価するようなものがほとんどだった。しかし放映版ではそ
の点が伝えられず、「解決が先送りにされた責任は日本政府ばかりでなく、国際
社会にもあることを伝えました」などと海外報道を恣意的に要約するのみで、日
本の責任について報じられたことは隠蔽された。そのなかで、放映版で消えたも
のとしては、オーストラリア放送協会の報道を紹介するシーンがあった。同報道
では、以下のようにレポートされていた。

「講和会議で賠償請求権が放棄されたため、個人補償を求める元「慰安婦」の訴
えは退けられてきました。しかし、日本政府は態度を変えざるを得なくなるでしょ
う。」

 このようなシーンが隠されたわけだが、しかし隠しきれないものもあった。放
映版において、韓国KBSの報道を紹介する場面で、「日 テンノウ ユウザイ ハン
ケツ」とハングルで表示されていたのである。こうして、日本のメディアにだけ
接し、日本語だけの世界に取り囲まれていれば、日本の問題に触れずに済むとい
う「大本営」的状況が反復されたのであった。

 以上、3点あげたが、これはほんの一部に過ぎない。松尾・野島試写後に、細
部にわたるまで徹底して手が加えられたのは、1月29日の政治家面談以降の介入
のすさまじさをものがたっている。

 ただし、1月29日以前の「編集」も単純に「番組論」であったと総括すること
はできない。以下、その点について検討していこう。

〔2−2、2−3およびまとめは、次号以降に掲載します。〕

《補論》

 1月29日の晩に米山氏コメントがさらにカットされたことは、長井氏の記者会
見でも明らかにされていたとおりである。米山リサ氏のコメントは、「法廷」の
意義を積極的に評価するものが多く、この編集段階だけでなく、それ以前の段階
でもカットされたり継ぎ接ぎされたりした。この段階でカットされたのは S3の
コメントだったことが分かった。後述するようにV3は、1月24日版まで「法廷」
の場面を中心として構成されており、放映版とは全く違う内容だった。この V3
を受けてなされたS3での米山リサ氏のコメントは、以下のような内容だった(02
年にBRC[放送と人権等権利に関する委員会]に提出された証拠資料による)。

「この法廷で首席検事をつとめておられたセラーズさん、彼女は法廷の一番最初
の段階で、「これは極東軍事裁判のやり直しなんだ」ということをおっしゃって
います。そのやり直す理由というのは、多くの方が指摘されていますけれども、
極東軍事裁判では、「人道に対する罪」が全面に打ち出されて問われなかったと
いう、そのことですね。ですからそれを、もう一度ここで問うんだ。あと一つは、
たとえば「慰安婦」あるいは「慰安制度」というものに対して、様々な証拠があっ
たにもかかわらず、なぜ問われなかったのか、それをもう一度問いなおす、そう
いう二つの意味があると思います。」

 いわゆる東京裁判で何が問われなかったかという点から「法廷」を意味づけて
いる発言である。放映版では、これがカットされた代わりに、「極東軍事裁判の
やり直し」という位置づけは、V2で秦郁彦氏によって語られることになり、しか
も主席検事と裁判官が「アメリカ人」だなどと恣意的に特徴づけられてしまった。

 さらに、日本政府の対応を被害者がなぜ納得できないかについて、以下のよう
に答えた部分のうち、【】でくくった部分がカットされた。

「【そうですね。日本軍あるいは日本政府が、かつて過去に犯した行為が、犯罪
であったかどうか、その判断ですね。つまり、裁きですね。それを下す手段も経
ないまま、したがって、処罰されず免責されたまま、その上で、】許されること
を前提とした謝罪を行って来た、そういうふうに見られているからではないかと
思うんですね。」

 つまり「裁き」「処罰」といった、「法廷」についての本質的なコメントが削
除され、脈絡不明のコメントにされてしまったのである。

 であるが故に、03年3月にBRCは「申立人〔=米山氏〕に断りなく、「女性法廷」
の意義について申立人が重要とした「裁き」による責任の明確化の発言部分を全
て削除した」ことをもって、NHKが放送倫理に違反する結果を招いたと判断した
のである。

 ただしBRC見解では、発言改変がどのような原因でどの段階でおこなわれたの
かについてまでは一々判断しなかった。また、NHKは「本件番組の企画意図は一
貫して変わっていない」という前提のもとに主張をおこなっていた。しかし、こ
うした前提が崩れるとなると、やはり編集プロセスに立ち入った判断が必要だっ
たのではないかと、改めて考えるのである。

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                       (18号編集担当・駒込 武)

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│発行= 2005年4月20日                                              │
│発行所=メキキ・ネット事務局                                      │
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