(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                       メール・ニュース vo.17(9) 発行:2005年2月14日
                           登録者数:366人
                             http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html 

 7日シンポジウムで予告しました通り、メキキ・ネット事務局は2月10日に
NHK放送センター(東京・渋谷)を訪問し、会長宛の「申入書」を提出しまし
た。今回は、メルマガ読者であり今回の提出行動に参加してくださった大貫隆史
さんより、当日の模様を報告していただきます。

■もくじ■

 1.NHKに対する申入書提出報告記             大貫隆史

 2.イベント情報──NHK番組改編を考える緊急集会

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 1.NHKに対する申入書提出報告記             大貫隆史
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 大盛況に終わった2・7シンポジウムの熱気が冷めやらぬ2月10日午後、五
項目にわたる要望を記した申入書を、NHKに対し提出してきました。放送セン
ター西口玄関に集合したメンバーは、職員の方の案内で玄関側の会議室に案内さ
れました。

 NHK側の出席者は、急遽体調を崩したという担当者の代理である助川さん
(ふれあいセンター統括担当部長)、藤木さん(同センター)の二名。藤木さん
は、ほとんど発言をされなかったため(書記役ということでしょうか?)、主な
やりとりは、メキキのメンバーと助川さんとの間で行われることになりました。
双方の自己紹介を終えた後、申入書を提出、その後、質疑の時間が一時間ほど持
たれました。

 河野さん(メキキ・ネット事務局、以下「メキキ」と表示)より、申入書が提
出された後、岩崎さん(メキキ)から、ETVの番組改変に関する抗議を私たち
が行った2001年以降の約四年もの間、NHKが対応を怠ってきたことが、今
回のような事態を招いたとも言えること、そして、今回NHK側は、およそ想定
しうる限り最悪の対応を今現在行っているが、逆に言えば、今こそ、NHKがメ
ディアとはそもそもどうあるべきかを考え直し、軌道を修正するチャンスであ
る、という旨の発言がなされました。これに対し、助川さんは、批判が全国的に
展開しつつあることは承知しており、これを視聴者からのNHKを心配しての行
動と受け止め、「視聴者とともに」考えていきたい、と回答しました。

 しかし、その一方で、あくまで個人的な見解としながらも、助川さんは、
ETV番組改編を巡るNHKの基本的なスタンス(「自主編集の範囲内」「(政
治)介入はなかった」)は変わらないであろう、従って、回答書もそれに沿った
ものになるであろう、とのコメントがなされました。

 岩崎さんは、そうした型通りの回答が出されるにせよ、NHKと私たちが一緒
になって検証をする機会を設ける、あるいは第三者機関を設置するといったこと
は可能なはずなのに、NHKの見解を一方的に流していることはおかしいとの意
見を述べ、また、吉田さん(メキキ)からは、不払い運動が波紋を呼んでいる
が、メキキ・ネット全体としてはこれに与しているわけではなく、あくまで
NHK自身による改革・再生を求めていることを理解して欲しい、との発言がな
されました。

 また、河野さんは、この四年間、NHKより真摯な対応がなされなかったが、
こうした態度が不払いに結びついているのではないか、と指摘し、前回と同様の
型通りの回答では納得し得ない、と述べました。そして助川さんとメンバーの間
で、今回の申入書に対し、NHK内のどの部局が主として対応するのか、という
回答書作成のプロセス問題に関し議論が行われました。

 これに対する助川さんの回答は次のようなものです。会長宛の申入書である以
上、会長がそれに対し回答する。会長室、会長秘書室、番組制作局、放送総局
(ここが現場に聞き取りを行う)が対応する。しかし、それ以上の具体的な部局
名をお答えすることは現時点では一切出来ない、という官僚的な回答が繰り返さ
れ、どの部局が対応するか、たとえ違っていても構わないので、いくつか例を挙
げてくれませんか、という問いに対しても、答えられないと繰り返すのみでし
た。(結局のところ、満足のいく形で回答書の作成経緯を知るに至りませんでし
た。)

 2001年の申し入れの際と比較すると、NHK側が公式的な形で危機感を表
明していることが大きな違いだったと言えるでしょう。しかし、その「視聴者と
ともに」、「全職員をあげて」といった大仰な言葉とは裏腹に、NHK側の(い
まや天然記念物とさえいえるような)「官僚的」対応から伺われるのは、隠せる
情報は隠しておこうとする時代遅れの姿勢でした。私見ながら、こうした姿勢
は、NHKの体質が従来と何ら変わっていないことを如実に示しているようにも
思われます。

 こちらが要求した回答期限は一ヶ月。NHK側は3月9日までに文書で回答す
るとのこと。新会長の意向次第で、助川さんの悲観的な「私見」(基本スタンス
は変化しない)が覆される可能性もないわけではありませんが、むしろNHK側
からの回答が為された後、どのようなアクションが起こせるのか、これを考えて
いく必要があるようです。


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 2.イベント情報
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               緊急集会
            NHK番組改編を考える

         ――女性国際戦犯法廷ビデオ上映
         ――改変されたNHK ETV2001番組も上映

 朝日新聞のスクープをきっかけに 明るみに出た政治家による圧力と番組改
編。ジャーナリズム精神を売り渡したNHKはどこへ行くのか。「暗黒の5日間」
に何があり、何がどう変えられたのか。改変された番組を見ながら、市民とし
て、視聴者としてメディアのあり方をともに考えましょう。

 なお、NHKは問題の改変番組の上映を「著作権」を楯に拒絶しています。しか
し、この問題は「NHKの著作権」などという問題ではありません。政治的圧力
の有無とそれによる番組改編という問題ですから、当事者であるNHKが自らす
べてを明らかにして、検証するべき性格の問題です(メディアの責任)。NHK
は視聴者の受信料によって運営されているのですから、視聴者に対する説明義務
があります(メディアの中でも特にNHKがもつ責任)。

 これは「知る権利」の問題です。それにもかかわらずNHKは隠ぺい工作を続
けています。私たちは、NHK問題の検討と論評に必要な範囲で番組を引用・上
映します。

  日時:2月16日(水)午後6時―9時(開場6時、開会6時20分)
  会場:全水道会館 大会議室
     電話03−3816−4196
     JR水道橋駅 東口(お茶の水寄り) 徒歩2分
     都営地下鉄三田線水道橋駅 A1出口 徒歩1分
  参加:無料

                 内容

 1) ビデオ「女性国際戦犯法廷」(予定:6時30分より)
 2) NHK ETV2001「問われる戦時性暴力」(7時35分より)
 3) 報告:竹内一晴さん(ジャーナリスト)(8時15分より)

  主催:歴史の事実を視つめる会

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                       (17号編集担当・河野真太郎)

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│発行= 2005年2月14日                                              │
│発行所=メキキ・ネット事務局                                      │
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