(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                          メール・ニュース vol.14(5)発行:2003年 7月10日
                                                         登録者数:381人
                                http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html


 メルマガの送信がすっかり遅くなってしまいました。ごめんなさい。
 この間、メキキネット事務局では、BRCによるNHKの「放送倫理違反」決
定を受け、NHKが煮え切らぬ対応しかしていないことに対して、NHKに要望
書を提出するなどのアクションをしていました。今号は、その間の経緯について
一挙に掲載します。少々長いのですが、自らの首を締めているとしかいいようの
ないNHKの対応に、あらためて「メディアの危機」を感じます。
 なお、予定していた国立大学法人化とメディアについての原稿は後日にまわす
ことになりました。期待されていた方、もう少しお待ちを。

                                   ◆

                       【前回送信分=Vol.14(1-4)】

(1) 第11回NHK裁判(第2回証人尋問)報告
(2)「北朝鮮」「拉致」報道を批判的に読み解くために−検証記事目録Ver.1.0
(3)戦争とメディアを考える集まりの案内2つ
(4)抄録「イラク戦争の真実と情報操作・報道統制」
(5)特別掲載:ビデオ「検証・反国労キャンペーン」スクリプト
(6)戦後補償裁判上告一斉棄却をメディアはどう報じたか

                       【今回送信分=Vol.14(5)】

(7)NHKへ要望書提出! (メキキネット事務局)

	[A] 要望書提出の経緯
	[B] 提出された要望書
	[C] NHKからの回答
	[D] (資料)BRC決定当日のNHKニュース

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                                 【7】

                          NHKへ要望書提出!

                                                      メキキネット事務局

-------------------------[A] 要望書提出の経緯-------------------------

 放送と人権等権利に関する委員会(BRC)が、NHKの放送倫理違反を認め
てから、もう3ヶ月以上過ぎています。これまで、NHKは決定当日にニュース
を2分ほど流した(それを起こしたものが[D]です)以外、ほぼ何の対応もしな
いまま過ごしてきました。米山リサさんに対する謝罪も一言もありません。
 こんなことでいいのか!と、いきりたったメキキネット事務局が、6月20日、
NHKに「BRC決定についての私たちの見解と要望」を提出しました。その全
文は[B]に掲げました。
 その間の状況を簡単に経過報告すれば以下のとおりです。

 私たちは、提出の1週間前に行くことを予告してから、「NHK視聴者ふれあ
いセンター」に赴きました。メキキネットが来たことを告げると、奥から担当の
K主幹が出てきて、その人が始終応対しました。

 私たちが要望書をふれあいセンターで朗読し終わるや否や、K主幹はすかさず
以下のように一気に喋りはじめました。

「要望書はお預かりします。ただ私どもとしましては、この要望書でも触れてい
ただいていますが、当日の記者会見とニュースで発表したことで尽きている、あ
れで精一杯の対応だと考えています。3点の要求が書かれていますが、あのニュー
スをもちまして、視聴者の方々には理解していただいているものと考えています。
したがってこれを越えての見解は出せません。もちろん各部署にこの文書は回し
ますが、いついつまでに回答するということはお約束できません。」

 云々・・。いきなり回答拒絶のことばがつらつら出てくるので、私たちは驚き
ました。要するに最初から回答するつもりがないということで準備していたので
す。さらに、K主幹は以下のように続けました。

「ところで、少々こちらからお伺いしたいのですが、BRC決定からもう2ヶ月
以上経っています。なぜ今の時期にこのようなものを提出されるのですか?」

 これにはもう唖然。すぐにこちらから切り返しました。

「いや、むしろこの間、私たちは何か対応があるものと待っていました。記者会
見での発表は、当日出されたメモのようなものですから、いずれ正式な対応があ
るものと思っていました。ところが、米山さんには一向連絡がない。経営委員会
や放送番組審議会でも話された形跡がない。全く対応する様子が見られないとい
うことで、今回の要望書にいたったわけです。 / 記者会見の内容はNHKの
BRC決定への見解であって、米山さんや視聴者に対する公式発言とはいえませ
んね。 / BRCを自主的につくったということは、その決定に従うというこ
とを前提にしているんじゃないんですか。」などなど。

 その後、いろいろやりとりがありましたが、このような態度をとる担当者から、
かろうじて回答するということばを引き出しました。それは、こちらから「NH
Kとしては放送倫理違反はあったと思っているんですか、なかったと思っている
んですか。イェスかノーかで答えてください」と聞きまくり、K主幹が「いや私
だけの判断は申し上げられません」と答えると、「だったらその点について後日
文書で回答してください。また、そしてそれに関して公に表明するつもりがある
のかどうかも回答してください」と突っ込み、「わかりました、その点について
は回答しましょう」という言質をとったからです。
 そういう過程を経て、2週間以内に何らかの回答をするということまで何とか
ねじ込みました。

 また私たちは、同日、日放労にも同じ要望書を参考資料として提出しました。
 意外にも日放労の関係者からはすぐに反応があり、私たちの見解に基本的に同
意する旨のメールをもらったりもしています。やはり日放労からも、BRCへの
NHKの対応に不満の声が上げられているようだということも分かりました。

 さらに、この要望書の論旨をベースに、メキキネット事務局の板垣竜太が、月
刊誌『世界』8月号の特集記事の1本として、「何が『表現の自由』をはばんで
いるか」という文章を発表し、この問題を広く問いました。

 このような形で、BRCへの対応が問われているにもかかわらず、7月3日付
でNHKから届いた回答は、[C]に掲載したとおりの、全く無内容のものでした。
敢えて内容があるとすれば、要するにNHKとしては3月31日の記者会見で述
べたことが全てである、放送倫理違反という判断は不満である、というメッセー
ジだといえるでしょう。
 これはBRCの存在意義を危うくするとともに、政府によるメディア規制の口
実をつくり、自ら足下を掘り崩す行為であるといわざるを得ません。BRCはこ
の7月1日に新たに立ち上がった放送倫理・番組向上機構(BPO)の傘下に入
り、再出発しましたが、NHKのこうした一連の対応は、その門出に泥を塗るよ
うな失態であるといえるでしょう。


-------------------------[B] 提出された要望書-------------------------

                                                    2003年6月20日
日本放送協会(NHK)
 会長 海老沢勝二さま

                 BRC決定についての私たちの見解と要望

 2001年1月30日にNHK教育が放映した、ETV2001シリーズ「戦
争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」については、かねてより、放
映直前の番組の改ざんが社会問題として取り沙汰されてきました。この番組に出
演した米山リサさんは、この編集過程で、発言が削除され、切り貼りされ、前後
の脈絡が入れ替えられたため、発言の趣旨について誤解と疑念を生んだことに対
して、昨年来、放送と人権等権利に関する委員会(以下、BRC)に、著作者人
格権と名誉権の侵害を申し立てていました。申立てに対してBRCは、さる3月
31日、NHK側に放送倫理違反があったことを認めました。
 これに対してNHKは、当日記者会見を開いてコメントを発表し、午後6時の
ニュースで2分あまりこの決定について報道しましたが、お詫びのことばもなけ
れば、今後の具体的な対応策が提示されることもありませんでした。
 私たち、メディアの危機を訴える市民ネットワーク(以下、メキキネット)は、
この番組改ざん問題が、ひろく市民にとっても無視できないものであると考えて
これまでも活動してきましたが、このNHKの姿勢は全く容認し得るものではあ
りません。

(1) 公共放送が人格権への配慮を欠いたというのは重大な判断である

 BRCは、まず番組が女性国際戦犯法廷(以下、女性法廷)を中心に据え、
「裁きと和解」を主題とするものであり、米山さんも「裁き」による責任の明確
化のうえで「和解」の可能性を探るという立場から論評したことを認めています。
にもかかわらず、NHKが出演者に断りなく「裁き」による責任の明確化という
発言の「本質的な部分」を全て削除したことは「編集の行き過ぎ」であると認め、
「このような編集を行う場合には…その旨を説明し、了解を得る努力をすべきだっ
た」としています。
 また、放映直前になって、女性法廷に対して批判を述べた秦郁彦氏のインタビュー
VTRを挿入し、それを出演者に伝えなかった点については、「コメンテーター
である申立人へ事前に説明して、意見を求めるべきだった」としています。
 そして、NHKが「申立人の人格権に対する配慮を欠き、放送倫理に違反する
結果を招くことになった」としています。またBRC決定では、著作者人格権を
侵害したと認めることが相当だという少数意見も付記されています。
 私たちは、BRCの「人格権に対する配慮を欠いた」という判断は、出演者の
著作者人格権が侵害されたという米山さんの申立てを事実上認めたものと考えて
います。そしてこの人格権侵害は、何よりも放映直前における番組の過剰な改変
によって生じたものだと考えています。その意味において、今回のBRC決定は、
公共放送のあり方をめぐって重大な反省をしいるものだといえます。

(2) BRC決定に対するNHKの対応は極めて不十分なものである

 にもかかわらず、NHKの対応はBRC決定の本質を回避する不十分なもので
した。
 新聞各紙は、「放送倫理違反を指摘」(東京)、「倫理違反を指摘」(毎日)、
「NHK特集番組「放送倫理違反」」(朝日)、「NHKが無断で発言削除「人
格権配慮欠く」」(日経)という見出しで、NHKが放送倫理に違反したことを重
要視して報道しています。それに対して、当日午後6時のNHKニュースでは、
このことが強調されなかったばかりか、放送倫理違反という判断に対して「放送
番組編集の自由の観点から見て、残念な結論」と、BRC決定を不服とするかの
ようなコメントまで付け加えています。
 放送倫理違反という判断を周辺化して報道した代わりに、記者会見の場やニュー
スでNHKが強調したのは、「企画の趣旨や意図が変更されたとはいえず、名誉
を侵害していないとした点は当然」というメッセージでした。しかしこれは、B
RC決定文から自らの都合のよい部分だけを抜き出し、継ぎ接ぎしたものです。
BRCが企画の趣旨・意図について触れているのは、秦氏のインタビューVTR
挿入について、「不自然な感は否めないが、企画の趣旨・意図が変更されたとま
では言えない」と述べた部分であり、それに続き、米山さんの発言の前にVTR
を挿入したことについて、「編集は不適切」であるとした文章と切り離せません。
そのことと、名誉権侵害についての部分とを継ぎ接ぎして紹介するのは、BRC
の決定内容を曖昧にするものでしかありません。
 また、NHKは今後の対応策の発表はおろか、具体策を検討する素振りすらみ
せませんでした。実際、BRC決定以来、今日にいたるまで、米山さんにはNH
Kから一言の公式謝罪も伝えられていません。
 NHKはコメントで「BRC決定の趣旨を誠実に受け止め」ると述べています
が、これらの事実は、NHKがBRC決定の核心を回避していることを示してい
ます。私たちには、女性法廷の本質を回避して番組を直前に改変したことと二重
写しに見えてきます。であるが故に、問題の根深さを痛感せざるを得ません。

(3) NHKはBRCの存在意義をおびやかしている

 NHKにとって、BRCとは何でしょうか。政府によるメディア規制が強まる
なか、NHKや民放各社は自主的な人権擁護機関として放送と人権等権利に関す
る委員会機構(BRO)を設立、運営してきました。昨年、マスメディア各社が
「メディア規制3法案」と名付けた法案に反対したときにも、NHKの海老沢会
長は「放送番組向上委員会やBROなどの機関を自主的に作り、対応している。
何でも法でしばり、それで事足りるとは思わない」という談話を発表しました。
私たちもまた、政府の介入によってではなく、メディアの自主的な取り組みによっ
て放送にかかわる人権の擁護をはかるBRCの存在を重要視するものです。

 しかし、NHKの今回の対応は、そうしたBRCの存在意義そのものを自らお
びやかすものです。BRCに強制力はありません。であるが故に、NHKにとっ
て放送倫理違反という判断が「残念」であるかどうかとは無関係に、それに対し
て放送局が自主的にどのような対応をするのかが問われているのです。実際、B
RCでも「この委員会決定を受けて、今後、NHKは具体的にどのような取り組
みをするのか」という点が疑問として表明され、「NHKの受け止め方は、“自
浄努力はいたしますけれども”と言って切り抜けているような感じで、少し虚し
さを感じる」といった意見まで出されています(4月15日開催の第75回委員
会議事録)。放送倫理違反を認めた「見解」は、権利侵害を認める「勧告」より
軽いわけではありません。NHKの真摯な対応抜きに、自主的な人権擁護は不可
能です。

(4) ついに視聴者の疑念は晴れなかった

 NHKはBRCへの申立て以前も、また審理期間中も、さまざまな理由をつけ
ながら、本件番組についての真相解明を頑なに拒んできました。出演者、ディレ
クター、取材対象者、視聴者が放映直前の番組改変について問題提起してきたに
もかかわらず、NHKは企画趣旨に変更がなかったという文句だけを執拗に繰り
返してきました。その結果、本件番組に対する視聴者の疑念はついに晴れること
はありませんでした。なぜ、放映直前になって「人格権に対する配慮」を欠くま
での「編集の行き過ぎ」が生じたのか、そのプロセスや原因についての具体的な
事実の解明が不十分なままに終わりました。NHKは記者会見で、今後「出演者
の権利と放送倫理に一層配慮するよう努めていきます」と述べていますが、この
文言がきわめて空虚なものと感じられるのはそのためです。NHKによる自主的
な真相解明が何よりも必要とされています。

 以上の点から、私たちはNHKに次のことを要求します。

 1.BRCが、NHKは人格権に対する配慮を欠いた編集をしたと判断したこ
 とに対して、視聴者への説明責任をはたすために、公共放送としての公式見解
 および具体的な対応策をあらためて公表すること。
 2.そのうえで、本件番組において「編集の行き過ぎ」が起こった経緯および
 原因を自主的に解明し、一般に公表することで、視聴者の疑念に答えること。
 3.それを踏まえ、今後、今回と同様の放送倫理違反を繰り返さないための具
 体的な方策を明示すること。

 これを受け取って2週間以内に、上記要求について文書で回答することを要望
します。

                            メディアの危機を訴える市民ネットワーク事務局


-------------------------[C] NHKからの回答-------------------------

冠省

 6月20日付けで当会長宛にいただきました貴協会よりの見解と要望書につき
まして、秘書室からの指示により、小職からお返事申し上げます。
 小職からこの件につきまして、当該部局に回答を要請しましたところ、以下
のような回答がありましたので、お知らせ申し上げます。

〔以下、太字〕
 6月20日付けで貴事務局より「BRC決定についての私たちの見解と要望」
と題した文書を頂きました。
 平成13年1月30日にNHK教育テレビで放送した「ETV2001 シ
リーズ 戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」に関して、本年
3月31日に放送と人権等権利に関する委員会(BRC)から通知を受けた「委
員会決定」に対する公式見解を明らかにせよとのご要請ですが、NHKは、B
RC決定の当日、広報局名で以下のコメントを発表するとともに、記者会見を
開いてNHKの基本的な立場を明らかにしています。

「今回の決定が、『企画の趣旨・意図が変更されたとまでは言えない』、『名誉
毀損は成立しない』とした点は、当然だと思います。
 ただ、本件について、『申立人への説明や了解を経ないまま編集を行った』
ことを放送倫理に違反するとした点は、放送番組編集の自由の観点から見て、
残念な結論です。
 NHKは、今回のBRC決定の趣旨を誠実に受け止め、出演者の権利と放
送倫理に一層配慮するよう努めていきます。
 なお、裁判で係争中の問題の取り扱いについては、BRCが判断基準を明確
に示さないまま審理を行なったことは、今後に課題を残したと思います。」

 今回のBRC決定についてのNHKとしての公式見解は、このコメントです
でに明らかにしているとおりです。
 この番組については、当初の企画意図に沿っているか、公正性は保たれてい
るかなど様々な観点から検討し、責任を持って放送しましたが、コメントでも
述べましたように、NHKは、BRC決定の趣旨を誠実に受け止め、出演者の
権利と放送倫理に一層配慮するよう努めているところです。
 何卒ご理解のほどお願い申し上げます。
〔以上、太字〕

 以上です。
                                                                    草々

平成15年7月3日

                                            NHK視聴者ふれあいセンター
                                            センター長
                                            岡本信行


------------------[D] (資料)BRC決定当日のNHKニュース------------------

〔以下は、3月31日午後6時の「NHKニュース」から、BRC決定についての部分
を起こしたものです。約2分10秒のこのニュースをもって、NHKは「放送倫理違反」
への対応はもう済んでいるかのように主張しています。〕

	〔テロップ〕
	NHKの番組でBRCが見解

 NHKがおととし放送した番組をめぐって、出演者が「名誉が侵害された」と
申し立てていた問題で、BRC(放送と人権等権利に関する委員会)は、「名誉
を傷つけたとはいえないが、出演者への配慮を欠き、放送倫理に違反した」とい
う見解を発表しました。

	〔VTR:BRO側記者会見〕
	〔テロップ〕
	放送と人権等権利に関する委員会(BRC)の会見

 この問題は、おととし1月にNHK教育テレビで放送されたシリーズ番組「戦
争をどう裁くか」に出演した、

	〔テロップ〕
	カリフォルニア大学の米山リサ準教授
	”重要な発言が削除され名誉侵害”
	→BRCに申し立て

カリフォルニア大学の米山リサ準教授が「重要な発言が編集で削除され、名誉が
侵害された」などと主張して、謝罪や納得のいく説明などを求めて、BRCに申
し立てていたものです。
 BRCは、審議の結果を「見解」としてまとめ、

	〔テロップ〕
	BRC見解
	”名誉を傷つけたとは言えない”

この中で「名誉を傷つけたとはいえない」という判断を示しました。その理由と
して、「一般の視聴者の通常の見方からは、番組での発言が、米山準教授の社会
的評価をおとしめたとは認められない」と指摘しています。しかし、

	〔テロップ〕
	BRC見解
	”出演者への配慮を欠き、放送倫理に違反”

「発言を削除するなどの編集について、事前に本人への説明や了解がなかったこ
とは、出演者への配慮を欠き、放送倫理に違反する結果をまねいた」としていま
す。
 この見解は、委員会の多数意見で、「米山準教授の人格権が侵害されたと認め
られる」という少数意見も合わせて公表されました。

	〔VTR:米山準教授代理人記者会見〕
	〔テロップ〕
	米山準教授の代理人の会見

 米山準教授は、「NHKの放送倫理違反を認めたことは評価したいが、過剰な
編集によって発言内容が損なわれ、権利がおかされたことを認めるべきだった」
という談話を話しました。

	〔VTR:NHK側記者会見〕
	〔テロップ〕
	NHKの会見

 NHKは、「企画の趣旨や意図が変更されたとはいえず、名誉を侵害していな
いとした点は当然だと思いますが、事前に説明や了解を経ないまま編集をおこなっ
たことを、放送倫理に違反するとした点は、番組編集の自由の観点からみて、残
念な結論です。BRCの決定の趣旨を、誠実に受けとめ、出演者の権利と放送倫
理にいっそう配慮するよう努めていきます」としています。



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                            《《お知らせ》》

■ VAWW-NET JapanのNHK裁判の第13回口頭弁論(第4回証人尋問)と報告集会
は、下記のとおり開かれます。今回は、ついにNHKの現場責任者だった永田浩三
氏と、NEP21の林勝彦氏が法廷に立ちます。番組改変の真相に迫ることができる
か?皆さん、ご注目を!

○NHK裁判 第13回口頭弁論
 日時:2003年7月16日(水) 午前10:30〜
 場所:東京地裁1階103号法廷
 証人: 林勝彦氏  (NHKエンタープライズ21)
     永田浩三氏 (放映当時、NHKチーフ・プロデューサー)

○報告集会
 日時:2003年7月16日(水)午後6時30分〜
 場所:早稲田大学国際会議場第3会議室
 (JR高田馬場駅下車、早大正門前行きバス西早稲田下車徒歩4分・地下鉄東西
 線早稲田駅下車徒歩10分)
 弁護団・原告からの報告がおこなわれます


■みなさんからのご意見・ご感想、なにより投稿をお待ちしています!

                     (メキキ・ネット事務局一同)

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│発行= 2003年 7月10日                                             │
│ 発行所=メキキ・ネット事務局                                    │
│ ホームページ: http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
│ 電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp                      │
│ FAX: 020-4666-7325                                          │
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