(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                      メール・ニュース vol.11(5)発行:2003年 2月20日
                            登録者数:338人
                              http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html


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 今回は、2月6日に京都で開かれた講演会「女性国際戦犯法廷報告NHK番組改ざ
ん問題を問う」の報告と、大内裕和さんから寄せられた投稿をお伝えします。
 京都の集まりは、「京都YWCA・市民グループ地球バンクサポートグループ有志」
の主催により、京都YWCAで、夜6時半から時間を延長して9時過ぎまで開かれま
した。しんしんと冷え込み一段と底冷えのする夜でしたが、約20名が集まってく
ださり、私も経過報告と映像分析の話をしてきました。本通信に最年少の参加者
が報告を寄せてくださいました。彼女は、私がほんの少しだけ紹介したビデオ塾
の法廷記録ビデオ「沈黙の歴史をやぶって」のおばあさんの証言を見て、「すご
くすごく衝撃的」だったと述べ、番組改竄に対して疑問を表明しています。若い
世代の人々が真摯に問題を受け止めてくださったことをうれしく思っています。
(北原恵)

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《今回送信分》
1.2月6日京都の講演会に参加して		  ――参加者(中学生)
2.「教育基本法改悪に反対する意見広告」にご協力を ――大内裕和

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■ 2.6京都YWCAでの講演会に参加して ■
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                                  参加者(14歳、中学生、女)                            
             
                                        
  私は、母の友人の誘いで、母と一緒にこの講演会に参加させてもらいました。
テレビ番組を取り上げたお話なんだよ、ということを聞いて、興味を持ちました。
私にとっては、講演会というものそのものが初めてで、ちょっと緊張しながら会
場に入りました。
  しばらくすると北原さんが入ってこられました。映像についていろいろな研究を
していらっしゃると聞いていたので、勝手に想像していたのですが、私がイメー
ジしていた雰囲気とはだいぶ違った方で、第一印象は、“優しそうなおばさん”
という感じでした。
  さて、いよいよお話が始まりました。最初は、ホワイトボードを使ってNHKが
番組を作る仕組み、また今回話される改ざん問題についての説明をされました。
あっ、意外とわかりやすいな、おもしろいな、と思い少し安心しました。 その
後、今度は問題の番組を実際にビデオで見ました。ビデオを使う事で、お話がよ
り分かりやすくなり、すごく集中できて、映像の力をまた違った意味で感じまし
た。
  「問われる戦時性暴力」。この番組を、私は初めて見ました。北原さんは「何
かおかしなところはありませんか?」とおっしゃり、同じところを何度も巻き戻
して見せてくださいました。驚いたことに出演者の一人の髪の毛が長くなったり、
短くなったりしています。また、もう少し注意して見てみると、その人の襟元に
ついている小型マイクも微妙に位置がずれていました。北原さんによると、これ
は違う日に撮った別の映像をひっつけたもので、このような編集はわりと簡単に
できるそうです。これはカットでつなげてあり、少しの疑いもなく見ていた私は、
まさに目から鱗の心境でした。欲を言えば、テレビを二台用意して、比べられた
ら良かったのにと思います。「恐ろしいのは、映像が嘘をつくことではない。映
像が真実だと思い込み疑おうとしないことである。」本当にそのとおりだと思い
ます。
  次に、女性国際戦犯法廷の様子を記録したビデオを見ました。私は戦争の後に
生まれ、また日本は平和で、戦争はどこか遠くのこととしてでしか考えることは
できませんでした。しかし、法廷で、おばあさんたちが涙を流しながら、私と同
じくらいの歳でだまされ従軍慰安婦にされたということを話しておられるのを聞
いて、ぞっとしました。すごくすごく衝撃的でした。そして、法廷の様子や、そ
の他のことをありのままに伝えられたらNHKの番組はとても価値のあるものにな
ったのにと思い残念でした。
  最後には質問タイムが設けられ、北原さんは私の頼りない質問にも、丁寧に答
えてくださいました。私は今回の講演会に参加して本当に良かったと思っていま
す。映像の怖さと、そして私が、私たちがどれだけ簡単にだまされてしまってい
たかを痛感しました。例えばニュースでは、同じ内容でも言い回しによって、受
ける印象がだいぶ違います。この頃私は、いくつかの局のニュースを交互に見て、
同じ演説でも、同じ裁判の判決でも、このような事が言えるのを発見しました。
北原さんがおっしゃっていた「同じ話でもまったく別の意味として利用すること
もできる。」ということを身をもって感じました。
  北原さんにはこれからも今回のような活動を続けていってほしいと思います。
そして私も近くの人に、「こんなこともありえるんだよ。」って教えてあげられ
たらいいと思います。


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■ 「教育基本法改悪に反対する意見広告」にご協力を ■
               ――――――――――――――――――――――――
                   大内裕和(松山大学教員・教育社会学)


 広島から呼びかけられている「教育基本法改悪に反対する意見広告」にご協力
をお願いします。                                               

 昨年末の緊急車座討論集会でも話題になりましたが、教育基本法「改正」が政
治日程に上ってきています。昨年11月に中教審の中間報告が出て、今最終答申の
準備が進んでいるところです。最終答申は3月下旬の予定、その後法案化がされ
今年通常国会での成立を与党は狙っています。
 教育基本法に「郷土や国を愛する心」、「伝統、文化の尊重」、「「公共」の
精神」という言葉を書き込んでナショナリズムを強調すると同時に教育振興基本
計画によって新自由主義的な教育政策(国立大学の法人化を含む)を実施するこ
とが狙われています。内面管理を進める「心のノート」の導入、奉仕活動の推進
と並んで、この教育基本法「改正」は現在国会に提出されている有事法制に代表
される「戦争のできる国家づくり」のプログラムの一環のなかで進められていま
す。この教育基本法「改正」は、憲法「改正」の「地ならし」として位置づけら
れおり、とてつもなく危険で反動的な動きであることは間違いありません。
 この状況に対して多くの「反対」の声があることを早急に表明するために広島県
の教職員組合や平和運動に関わる人々からこの教育基本法の改悪に反対する意見
広告を新聞(朝日新聞全国紙)に全面広告として出そうという運動が始まりまし
た。私も呼びかけ発起人になっています。意見広告運動と紙面をとおして、教育
基本法問題への関心を高め、改悪を阻む全国的な運動の拡がりをつくり出そうと
いうのが狙いです。このような場としてマスメディアを積極的に活用していくと
いうのはメキキ・ネットの趣旨とも重なると思いましたので、投稿させていただ
きました。
 具体的には呼びかけ人(名前が出る)と賛同人(名前が出ない)のどちらかに
なっていただくのと広告掲載に必要なカンパ一口千円(個人一口以上、団体三口
以上)を募集しています。集約は3月15日締切りとなっています。新聞掲載には
相当のお金がかかるため(二万口が目標)多くの方のカンパが必要です。皆さん
にぜひ呼びかけ人か賛同人になっていただくと同時に周囲の一人でも多くの方に
声をかけていただけるようお願いします。
 以下意見広告について情報をお伝えします。詳しい点(要綱・呼びかけ文・呼
びかけ発起人・呼びかけ人と賛同人の署名用紙)は下記のホームページを見てい
ただければわかります。

■主催 ・意見広告の会 

■郵便振替口座 01380―4―13388 〔意見広告の会〕

■事務局 〒730―0016 広島市中区幟町14―3田戸康ビル303 
TEL&FAX:082(221)7631

■ホームページ http://www5.ocn.ne.jp/~peace082

  少し前までの教育基本法をめぐる状況を考えると「まさかそんなに一気に改悪
はできないだろう」と思ってしまいますが、今の政治状況は全く違っています。
相当厳しい闘いになることは間違いないと思います。一人でも多くの方の協力を
ぜひ心からお願いいたします。


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■ 編集後記:
 生まれて初めてのメルマガ編集。最初は夜中に事務局のメンバーに電話をした
りして、みんなに手伝ってもらいながらやっと送信できました。まさに四十の手
習いでしたが、初めてのことができるようになるって、うれしい! 反戦デモの
ことやお伝えしたい話題はまだまだ山積みのままですが、vol.11は5号で終わり
ます。今後も引き続き、応援してくださいね!(北原恵)

■みなさんからの御意見・御感想、なにより投稿をお待ちしています!

                     (メキキ・ネット事務局一同)

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│発行= 2003年 2月20日                                             │
│ 発行所=メキキ・ネット事務局                                    │
│ ホームページ: http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
│ 電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp                      │
│ FAX: 020-4666-7325                                          │
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