(創刊:2001年8月18日)
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★メディアの危機を訴える市民ネットワーク┃メ┃キ┃キ┃・┃ネ┃ッ┃ト┃
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                      メール・ニュース vol.10(3) 発行:2002年 12月18日
                            登録者数:322人
                              http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html

        ▲▲▲メディアのどこかに希望はあるの?▲▲▲
▼▼▼ジャーナリスト・研究者・市民による 12・21緊急車座討論集会▼▼▼
               ▼▼▼直前特集号 その2▼▼▼

 みなさん いよいよ「車座討論集会」が近づいてきました。
「最近のメディアはなんてひどいんだろう」、「どうにかならないものか」 お
そらく多くの方々がそんな感じをお持ちのことだろうと思います。だからこそ、
今、「メディアのどこかに希望はあるの?」と問いを発し、みんなでまさに「車
座」になって議論したい、そういう声が次第に高まってきています。これは期待
できそうですね。そんな声を代表するように、お二人の方々から、「車座討論集
会」に向けたメッセージが寄せられました。もう議論は始まっているようです。
ここを出発点にご意見を携え、みなさんが、12月21日、本郷にお集まりくだ
さい。
                            −−メキキ事務局

■もくじ■

〈今回送信分〉

1.「国立」から参加します    ― 炭谷 昇

2.「京都」からメッセージ  ― 駒込 武

3.車座討論集会リマインダー

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1.「国立」から参加します     ― 炭谷 昇

《テーマについての雑感》

 (1)「日朝」問題
 「拉致問題」は非常に気になっています。こんなに
簡単にメディアはナショナリスティックな一方的報道に染められてしまうのかと、
あらためて、恐さを感じています。メディアだけでなく、「日本人の子は日本人。
もちろん国籍は日本。日本人なら日本に住むのが当たり前。」という意識が無前
提に共有されている状況にも疑問があります。
 戦前の天皇制国家のみならず、現在でも、こんなに簡単に、「家族」「故郷」
「日本」が同心円状に結びついてしまうのか、ということも感じました。
  メディアでは触れられないことがたくさんあります。植民地支配の問題、北朝
鮮を圧迫する日米韓の軍事力、なぜ戦後50年以上も国交正常化できなかったのか、
なぜ南北は分断されているのか・・・。

 また、署名とかブルーリボンとか、いつからこんなに日本人は優しく親切にな
ったんだろうかと思います。その裏には、すごい共同体圧力(疑問を唱えれば、
非国民・北朝鮮の味方・テロリストと言われかねない)があることも推測されま
す。とにかく、このテーマに関しては、たくさんの疑問があります。

 (2)「イラク」と「有事」
 イラクの現状を知れば知るほど、アメリカはこれ以上、いったい誰を殺すつも
りなのかと思います。こんなに簡単にイージス艦も派遣が決まっていくし。

 たぶん、こういうことは、多くの人が感じているのだと思いますが、私が個人
的に気になっていることがあります。
 国会情勢とは別ですが、地域レベルの「治安立法」の動きです。
 具体的には、広島の暴走族集会禁止条例、武蔵野市のつきまとい禁止条例、世
田谷区の安心まちづくり条例のような動きです。憲法との関係で言えば、かなり
微妙な部分を含む条例が、各地でできているようです。なかなか反対もしづらい
し、一般的には同意しやすい内容なので、共産党も含め、全会一致で通ってしま
ったりしているようです。

 国立市でも、保護者・地域を巻き込んでの、防犯体制づくりが進んでいます。
先日も、国立第三小学校で、「防犯100番訓練」というのがありました。
 国家レベルの「危機管理論」を底辺から支え、人々の意識を組織していく地域
レベルの動きが気になります。

 (3)「教育改革」と「心のノート」
 国立第五小学校の生活科で、「自己の性自認」「自己肯定感」などをテーマと
する授業の一貫で、「インターセックス」に触れたことが問題とされています。
 最近、情報開示により、都教委へ報告書があがっていることが明らかになりま
した。
 これは、1年生の教員(教職員組合組合員)を追い出したい数名の保護者の
「苦情」を発端とした動きです。これは、組合つぶし、性教育つぶしという意味
に加えて、「フロンティアスクール」に反対する教員を追 い出したいというねら
いがあるように思われます。国立第五小は、文科省の「学力向上フロンティアス
クール」になっており、習熟度別クラスなど「教育改革」の校長方針に疑問をは
さむ教員を追い出し、管理職候補を入れたいのでしょう。

 この件についても、キーワードの一つはメディアです。読売新聞の報道が火付
け役となっています。非常に意図的な記事を全国版に突然のせるという手法です。
 ここ2年半くらい、国立市の教育現場の変遷を見てきて、「教育正常化」「教
育改革」とはどういうことなのか、ひしひしと感じています。そして、そもそも
その発端となったのが、産経新聞の報道でした。「処分」「正常化」に向けて、
産経新聞は一方的な報道を洪水のように流しつづけました。そして、一方、他の
メディアは教育現場・地域にかけられた政治的圧力に「沈黙」し続けました。

 国立市では、「心のノート」の問題というのは、まだはっきりとは見えてきて
いません。しかし、ここ数年の道徳をめぐる圧力もまたすごいものがあります。
 これまで、道徳講座の講師として、高橋史郎・長谷川三千子・米長邦雄が来ま
した。米長は、校長研修会にも講師でまた来ています。
 また、昨年の国立第四小学校の職員会議録を調べていたら、道徳公開講座につ
いての議論を見つけました。校長の発言からも、道徳公開講座がかなり都教委か
ら強制されていることがうかがえます。

 国立市の教職員は「日の丸強制反対」の「ピースリボン」をつけていたことが、
「全精神を職務に専念する義務に違反している」として処分されました。
 いま「流行り」の拉致問題の解決を願う「ブルーリボン」。拉致問題の解決を
願うことは、「親方日の丸」の公務員の当然の職務だから問題にならないという
ことでしょうか・・・?

・・・・・・などなど、いろいろ現在の状況については、私自身、思うところが
いいろあります。しかしながら、次々とやってくる攻撃への対応に手一杯で、普
段は忙しくて丁寧に議論している時間がありません。車座討論集会のような時間
を持つことはすごく大事なことだと思います。
 21日の集会にはぜひ参加させていただきたいと思います。
(ただし、国立第五小学校の「性教育」問題が急展開とかいうことがなければで
 すが・・・。)

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2.「京都」からメッセージ  ― 駒込 武

 戦後日本の平和運動や平和教育は大きな弱点を抱えてきた。加害者としてより
も被害者としての体験が基本にすえられてきたこと、植民地支配の中で継続した
日常的で構造的な暴力を他人事のように忘却してきたことなど、アジアの人々か
ら見れば、ひとりよがりな「平和」をアメリカ合州国の「核の傘」の下で享受し
てきた側面を否定することはできない。しかし、それでも、「戦争だけはもうご
免だ」というような気分が社会の底辺に存在したことはやはり貴重なことだった
のだと思う。それが「戦争のできる国家」づくりに対する最後の歯止めになって
きた側面もあるのだから。

 その最後の歯止めが、今、まさに息の根をとめられようとしている。暴走とし
か思えないアメリカの所業にきっぱりと立ちはだかろうとする勢力はあまりにも
弱い。日本社会の中に蓄積された鬱屈感情を朝鮮民主主義人民共和国や在日朝鮮
人への排外主義へとし向けようとする力が、この暴走にシンクロしている。日本
政府・文部科学省は、ようやくほとぼりがさめたかといわんばかりに「国を愛す
る心」という使い古されたロジックを持ち出して、あらゆる異論を「教育」によ
って抑え込もうとしている。自らの戦争体験に基づいて戦前の国家体制に対する
厳しい批判を提起してきた人々が高齢化し、ひとりまたひとりと少なくなってい
く状況の中で「歴史健忘症」は深刻化し、排外主義の暴走に対する抵抗力を弱め
ている。

 ほとんど八方ふさがりと思えるような状況だからこそ、ゆっくりじっくりと考
えてみたい。この社会の深層で動きつつある変化をどのような言葉で捉えればよ
いのか。その変化を意識化し共有しながら、今現に進みつつある方向とは異なる
方向へのビジョンをどのように提起していくことができるのか。そのためにメデ
ィアは何をすべきであり、市民は何をできるのか。まずは第1歩だとしても、ふ
だんはなかなか出会うことのない人々が膝をつき合わせて議論することの意味は
やはり大きいはずだと信じたい。

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3.車座討論集会リマインダー

         年末ですが、メキキ・ネットは車座討論集会を開催します!
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   メディアのどこかに希望はあるの?
       ――ジャーナリスト・研究者・市民による緊急車座討論集会――

 期日 2002年12月21日(土曜日)
 時間 午後1時から午後6時まで (5時間たっぷり)
 話題   (1)「日朝」問題
      (2)「イラク」と「有事」
        (3)「教育改革」と「心のノート」

 会場 東京外国語大学本郷サテライト 4階セミナールーム
 会場案内URL http://www.tufs.ac.jp/common/is/hongo_satellite.html

 最寄駅 JR・御茶ノ水駅から徒歩約10分。
     地下鉄丸ノ内線・本郷三丁目駅から徒歩約5分。

  パネラー/フロアの区別もなく、話題に沿いながら、車座になって自由な
 形式で意見をぶつけ合います。最大参加人数は50人です。参加される方は、
 電子メールまたはファックス(下記)にて、お名前、ご所属等の肩書き、連
 絡先(電子メール、電話番号等)、一言メッセージをお送り下さい。追って、
 詳しいご案内をさしあげます。

 みなさん是非ご参加ください。

 主催・お問合せ メキキネット事務局
     電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp
        FAX: 020-4666-7325
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■みなさんからの御意見・御感想、なにより投稿をお待ちしています!

                     (メキキ・ネット事務局一同)

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│発行= 2002年 12月18日                                            │
│ 発行所=メキキ・ネット事務局                                    │
│ ホームページ: http://www.jca.apc.org/mekiki/index.html         │
│ 電子メール: mekikinet-owner@egroups.co.jp                      │
│ FAX: 020-4666-7325                                          │
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