教育基本法の改悪に反対するアピール

 現在の教育基本法は、戦後、日本国憲法の精神に沿い、平和的な国家及び社会の形成者を 育てるための教育の大原則を定めた法律です。これを反古にしようと、「愛国心」や道徳律を 盛り込んだいかなる改悪案にも反対します。
 私たちは、この教育基本法の改悪に反対の意を、個々人のアピールをそえて表明します。

2006年11月           
教育基本法改悪に反対する数学の会

賛同者とその個人アピール

赤沼 (東京都・高校) 戦争体験はないが,教育基本法とともに生まれ,教育基本法に守られて学校生活を過ごし,今日に到っている団塊の世代である.教育基本法を骨抜きにする差別・選別教育に体を張って反対し,私達を守ってくれた多くの恩師を子どもながら見てきた.体験的に言って,自分の子や孫には(もちろん日本の子ども達も含めて)絶対に改悪された教育は残したくない.最悪のプレゼントだ.子や孫をもつ親の率直な感想です.
秋山 茂樹(新潟大学) 愛国心はサッカーだけでよい。上から愛国を強要し、どこぞの国の真似をしたいの?
浅田 明 (Freelance Mathematician) 従来 数学(者)の名前で政治的声明を出すことには,現在の世界・国歌の権力 構造を支える知的差別体制を利用したものとして反対してきましたが、教育基本 法は数学者として直接係わる教育・研究にかかわる法律ですから,数学(者)の 名前で声明を出す事には問題が無いと考えます。既に多くの方が指摘されている ように,今回の「改悪」は,「始めに国ありきの考え方にたっている」所に最大 の問題がありますが、その他,あまり指摘されていませんが、伝統の尊重を謳っ ているのが、かつてナチスが非アーリア的として,抽象数学や相対性理論・ジャ ズや無調音楽・抽象絵画を弾圧したことを思うと,革新的な研究や芸術を弾圧す る危険性があると思います。また,教師聖職論にたっているのも問題だと思いま す。
安藤 豊(元 東京水産大学) 憲法と教育基本法は、わが国の平和と繁栄の基礎です。世界に誇り得るものです。私たちの世代は、教育基本法をもとに教育を受けました。これを大事にしてゆきたいものです。改悪には反対です。
石井 坦 この改悪案は、教育の国家権力による支配を当たり前のこととして正当化する恐れがあると思います。そしてそうなれば、その推進者たちに、彼等の目標である教師、生徒、さらには社会全体に対する国家主義の強制のために強力な武器を与えることになると思います。
石井 直紀(日本大学) 自分の生まれた所(国?)を少しでも誇りに思えるためにも、教育基本法や日本国憲法の改悪は反対です。
一樂 重雄(横浜市立大学) 教育基本法は,平和憲法と一体のものです.教育基本法を先に「改正」するのは,順序が違います.既成事実を作ろうとする与党のやり方は姑息だと思います.現在の格調高い文章を変える必要はまったくありません.
伊原 康隆(元 京都大学) 反対の主な理由: 日本政府は(特に昭和10年代)島国的愛国心で国民をだまして突っ走った歴史の反省を十分しておらず、この「改正案」はその教訓を生かしていないから。
上野 正 (元 東京大学) 与党案は,教育に対する国家や政府の関与が非常に強調されていて、国家による教育の統制が進められる危険が大きい(16、17の二項目).これは重大なことです.
江口 正義(元 東京海洋大学) こんにちの教育の荒廃は、国や自治体が、教育基本法をないがしろにするだけでなく、これを侵して、教育全般に干渉して生じていることは、日の丸、君が代の強制一つをみてもあきらかである。憲法の理想の実現は教育によるとの自覚のもとに定められた教育基本法を尊重することこそ、何より大切なことである。再び教育を国のために命を捨てる人間を育成する道具に戻してはならない。
遠藤 幹彦(元 立教大学) 憲法や教育基本法のように、国の基本的な方向づけを与えている法律を、軽はずみに変えるべきではないと考えます。
岡部 恒治(埼玉大学) 私は戦争につながる憲法の改悪に反対します。「教育の憲法」である教育基本法の現在の改悪の動きは、それに連動し、教育を歪める方向に針路を変えるものです。
小野 明(宮城県・高校
垣内 伸彦(愛知大学) わたしは自国民を愛するのは当たり前で問題は他国民(他民族の人々)を愛することが大切で、このことが盛り込まれることは現代的課題であると考えます。現在の国会等の議論はわたしの考えとはかけ離れていると感じています。異常です。
金子 いく子(福岡県・高校) すでに、教育現場は自由に物が言いにくい状況になっています。それを追認するかのような改悪はこれからの世代のためにも許せないことだと思います。中国の愛国教育を非難して、自国ではそれをしようというその論理のあり方は何なのだろうと不思議に思います。
笠原 乾吉(元 津田塾大学) 今の学校教育は多くの問題をかかえていますが、「日の丸・君が代」の強制は悪い方向に働いていると思います。今の教育基本法の下で、「日の丸・君が代」の強制などができるとは信じられないのですが、もしそれが改悪されたらいったいどこへ行きつくのでしょうか。こわいことです。
上村 浩郎(数学教育研究会)
亀井 哲治郎(亀書房) たとえば東京都の教育現場における惨状について耳にしますと,現行の憲法および教育基本法の下でもこれだけのことがなされていることに,驚きと怒りを覚えます。まして,「愛国心」が条文であれ前文であれ謳われて,強制の根拠となる「改正」など,もってのほかです。改正案を見てみると,これまでになかった「家庭教育」や「生涯教育」にも,国が口出しする根拠を与えるものになりそうです。教育の場は,何よりも《自由》が基本であるべきです。いま,この国では,「教育」でなく「調教」が横行し始めているようです。教育基本法の改悪=《調教基本法》の制定に,心から反対します。
菊池 実(宮城県・高校) 教育基本法について,誰も小泉氏に投票していない.一点豪華主義の小泉に国全体を見る能力はない.
岸本 量夫(元 信州大学) 私は平和憲法改悪の動きに対し「憲法9条を守り戦争のない21世紀への架け橋に」とする数学関係者のアピールに賛同し署名しました。今回の教育基本法の改悪は平和憲法改悪の狙いと同じものです。教育基本法改悪に強く反対します。1932年生まれの私は私の幼い三人の孫が平和と民主主義の社会で教育を享受し、自由・自主的に発想しながら成長するよう強く望みます。
銀林 浩(元 明治大学) 教育基本法を作った安倍能成・南原繁両先 生に対して、今日これを改悪しようとする企てを阻止することは、弟子の努めと心得ています。
黒木 哲徳(福井大学) 教育基本法に謳う理念や目的は高く普遍的であるべきだと考えます。その基本法に,ことさら「愛国心」や「道徳心」などを盛り込むことは、時の権力により個人の尊厳が侵害される道を開き、そのことは現憲法にも違反することだと考えます。教員養成にかかわる仕事をしている立場から、個人の尊厳を踏みにじり、教え子を戦場に送ることにつながる改悪には賛成できません。
黒田 俊郎(武蔵工業大学) 与党案は権力に従順に従う人々を作ろうとする意図をもったものだと思います。与党案に反対します。
郡 敏昭(早稲田大学)今回の教育基本法の改変には、幼少年に幼稚な愛国心をすり込み、国家権力がその思惑を強引に決定・実行していくのを目にしても、批判する力を持たない人間を作っていこうとする意図が現れています。自衛隊の地位に関する議論や海外派兵問題とあわせて考えるとき恐ろしい時代の来ることを感じます。
小柴 洋一(元 鹿児島大)何だか世の中が1930年代のドイツに似てきた.ドイツは数学史では輝かしい過去を持っている一面があります.歴史は繰り返すと言いますが現代は民主勢力の大きさの違いもあります.歴史は繰り返させてはなりません.
小宮山 晴夫(岩手大学) 憲法違反の恐れのある教育基本法改悪に反対します。
齋藤 恭司(京都大学) 私は「戦争は 人の心に生まれる。人の心に平和の砦を築かねばならない」 という ユネスコ憲章と、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」 とした教育基本法の精神のもとに育ちました。この考え方が将来とも全ての教育の基本であり続けてほしいと思います。
佐藤 文広(立教大学) 今回の改悪案は、自立した個人の集まりとして国や社会が構成されていくという考え方をひっくり返して、はじめに国ありきの考え方にたっているので、反対します。
佐分利 豊(福井大学) 「国」を名のる一握りの人間による教育統制からは、学び手一人一人にとって意味のある学びは生まれえません。学びを、戦争と貧困をもたらす競争のためにということではなく、本来的に学び手自身のものとして取りもどすためにも、現行法の誠実な実施を求めます。
志村 道夫(東邦大学) これからの若者と子供たちの未来を育む教育基本法を守り、決してその改悪を許してはならないと思ってます。
白岩 謙一(元 名古屋大学) 愛国心や道徳は国家が法律で押し付け規制するものではありません。個人の信条や良心に関することを規制する法律は憲法違反の恐れがあります。全体主義国家化し、政府の政策を批判する者は非国民として断罪されるような国にはしたくないものです。
白鳥 紀一(物理学) 「身捨つるほどの祖国はありや」という疑問を通り抜けなければ、「愛国心」は本物になり得ません。愛国心を子供に教えようとする大人は、子供が愛するに値する國を形成する努力をする以外にすることはありません。
瀬山 士郎(群馬大学) 子どもたちの未来を私たちが壊すことだけは絶対にしたくない.
高木 秀男(日本科学者会議福井支部)
高橋 鋼一(元 白百合学園) 教育権は、教育を為政者による調教の場とするためにではなく、私たちが未来に生かすためのものです。
田口 雄一郎(九州大学) 改めて益なき事は改めぬをよしとするなり(徒然草 第百二十七段)
竹内 茂(岐阜大学)
田中 茂(津田塾大学)
玉川 安騎男(京都大学) 教育基本法の改悪に反対し、ます。現代の教育にまつわる諸問題の多くは、むしろ現行の教育基本法に忠実でないことに由来していると思われます。われわれが力を注ぐべきことは、現行の教育基本法の格調高い精神の実現だと思います。
玉木 大(信州大学)
津久井 康之(専修大学) 教育は個人を通し、国民と世界に責任を持つ行為です。政権や産業に奉仕する道は避けましょう。
角皆 宏(上智大学) 「教育は人格の完成を目指す。」とあるように、教育の主体は学ぶ者である。教育基本法は、教育の主体たる学ぶ者が権力に利用されない為のものであって、権力が教育を支配し利用する為のものではない。特に、人の心を統制する為に教育を用いてはいけない。
手嶋 吉法(理化学研究所) 東京都教育委員会が君が代斉唱時の不起立者に対して処分したり、最近おかしな世の中になっています。今回の変更案からもきな臭い匂いがプンプンするので、反対します。
永島 孝(元 一橋大学) 「少国民」として愛国教育を受けた苦難の日々の再来を阻むべく、教育基本法の改正に反対します。
中野 潤(東京都立北豊島工業高校)
中村 憲 (首都大学東京) 個人の人格形成から国家の精神統合に教育目的を変質させる動きが, 十分な議論なしに進められている状況を憂慮します.
中村 強  改悪された教育基本法は戦前の国民学校時代に帰りそうです。怖い世にせぬ為に反対し改正させないことが急務です。平和・人権・教育と文化を考える会の運動もこれにつきます。
永山 良樹(鈴峯女子中・高等学校 広島県私立学校数学教育研究会事務局)
浪川 幸彦(名古屋大学) 教育基本法改悪反対の署名に加わります。自分たちは,思想の自由,経済活動の自由などを声高に唱えつつ,一般市民の良心にまで政治が立ち入ろうとする動きはまさに「不当な支配」に当たるもの です。
西岡 國雄(中央大学) 現在の教育基本法の下でも,"日の丸/君が代問題での都教育委員会","ジェンダー運動を故意にねじ曲げ,小中教育への介入"などなど,「強権を振るう政治家がやりたい放題」の印象があります.教育基本法に愛国心などが盛り込まれると,どこまで行く事やら.ぜひ反対しなければなりません.
野崎 昭弘(大妻女子大学) 世の中が「大声で叫ぶものが勝ち」というほうに流れて行くのは、とてもこわいことです。あとで後悔しないように、みんながよく考えてくれることを、祈っております。
野田 隆三郎(元 岡山大学) 戦争賛美の教育に導く教育基本法改悪反対
橋本 喜一朗 (早稲田大学)
橋本 竜太(詫間電波高専) まやかしの「愛国心」を強要する形で個人の思想及び良心に介入する。国家によるそのような国民いじめに法的根拠を与える「改正」は看過できません。「この国に生まれてよかった」というのにふさわしくない国に変えられてしまうことを強く懸念します。
広中 由美子(早稲田大学) 国家は先にあるのではなく,民主主義にのっとった国民の意思の総体であろう.個々人が大切にしたくなる国家を作ることは望まれても,国家が先にあって「愛せよ」と教えるような対象ではありえないと思う.
福富 節男(元 東京農工大学) 人の心や家庭のあり方に法律が入り込もうとし,口をはさむなどとんでもない. 「国」を愛せよと言う資格を議員に認めたわけではない.
逸見 豊(高知大学)
牧野 哲(山口大学) 歴史の歯車を逆転して教育によって青年を戦争に動員する愚行を繰り返させてはならない。
増島 高敬(自由の森学園・和光学園) 私は44年間教師の仕事をやってきて, とくに数学教育協議会という民間の研究・運動団体に加わって「憲法と教育基本法にもとづく平和と民主主義の教育??」と当たり前のように考えてきたのですが、それらをほんとに変えてしまう動きが余りにも急速に進んでいることに深刻な危機感を持ちます.あらためて何回目かに教育基本法の条文を全部読んでみて、すばらしいとも思いまたまったく尊重されてこなかったとも思い、これをユネスコの学習権宣言や子どもの権利条約という国際的な到達点 に立って活かし実現することこそがいま必要なのだと考えます.今日の教育の様々な問題・病理は教育基本法の責任ではなくてそれが尊重されず実現されてこなかった結果だと思うのです.(与党の教育基本法「改正」案は、非常に「上手」に作文されていて、一見現行法と大して違わないような文章なのによく読み考えると,意味するところや構造がすっかり変わってしまうところがたくさんあります.)
松井 幹夫(自由の森学園) 先制攻撃を宣言し、それを実行するための基地を強化する米軍のために、数兆円もの血税を差しだそうとする政府・与党に愛国を語る資格はありません。彼らのための「愛国」など真っ平ご免です。憲法9条の平和理念のもと、貧困のない、人々が慈しみ合える国造りの条件整備をこそすすめるべきです。
三井 斌友(名古屋大学) 憲法・教育基本法を改悪して、日本の未来を塞ぐことは、決して許してはなりません。
守屋 悦朗(早稲田大学) 私の教え子に東京都の教員をしている者で、例の君が代唱和強制問題で東京都と係争中の者がいます。このような、権力の教育への不当介入は実に恐ろしいものだと思いますが、このたびの教育基本法の改定にも同じような危惧を感じます。
谷口 彰男(日本大学) 今ある教育基本法は、基本的人権の尊重・主権在民・平和主義を基調とする日本国憲法と一体の理念をもつ素晴らしい法律です。政府・与党の変更案は、この法律の基本理念を損ない、政府・与党にとって支配のしやすい人づくりに変質させようとしています。私は教育基本法の改悪に反対します。
柳原 二郎(元 千葉大学) 「世界を相手に戦争できたのは、戦前の教育が優れていたためだ」という議論 があります。このような暴論を許してはなりません。
山岸 昭則(福井大学) 未来を担う子ども達を育てている小・中・高校教師達をめぐる昨今の状況は目を覆いたくなるものがあり、未来の教師をめざす学生諸君に教職につくことを勧められない。この状況をますます深刻化するのが今回の改悪。制定時「強制しない」としながら強制を行っている国旗・国歌法を既成事実に、小泉首相は「愛国心」教育は、「法令等に基づく職務上の責務」で拒むことはできないとし、それは教職員の思想・良心の自由を侵害するものにあたらないと嘯いている。
山田 俊雄(立命館大学) 国や郷土を愛するなど思想信条また良心に関わる事柄を、条文あるいは前文に掲げることは必ず個人の思想信条の自由を侵害する結果をもたらすでしょう。
吉田 克明(日本大学) 政府の「改悪案」は、「徳目」を押し付け個人の思想信条に踏み込み、国が法律で命ずる教育を行え、というもので国家権力の介入に道を開きます。このことは、日の丸・君が代を強制し、職員会議を管理者の指示伝達の場とする今の東京都の現状を見れば明らかです。
渡辺 毅(元 大阪大学・岡山理科大学) 国会の論戦にあまり興味はありませんが、「国家の品格」の著者の感想が聞きたい,と思います.
以上、68名

 

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最終更新日 2006-11-15
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