墨ぬり国賠

原告 
      K

原告代理人
向井千景弁護士(向井総合法律事務所)・萱野一樹弁護士(東京共同法律事務所)

被告
東京都・新宿警察松井巡査部長

事件の概要
1997年4月28日に行われた東京都の新宿野宿労働者排除に対する抗議行動における、逮捕弾圧及び暴力ガードマンによる野宿労働者排除に抗議する闘いに参加した原告は、ガードマンに対する「暴行」容疑で逮捕された。その際、逮捕警官によって暴行され、10日間の傷害を負う。また、取り調べにおける指紋採取を拒否したため、警官より暴行と、顔に指紋採取用黒インクを塗られるという陵虐行為を受けた。また、負傷に対する治療を逮捕後29時間にわたって拒否された。

提訴内容
東京都と墨を塗った警官松井に対し、各々慰謝料100万円と弁護士費用40万円の損害賠償を請求。

裁判経過
98年7月より証拠調べに入り、7月に原告本人、9月に当日のビデオテープの検証、12月に逮捕警官の証言を終え、99年2月取り調べ警官の証言が終わり、5月墨ぬりの張本人松井の証言が予定されていたが、原告が別の労働争議の支援行動を理由に弾圧、逮捕されたため延期となった。しかし、原告の勾留が長期化したため、原告不在で11月に松井証言、2000年2月10日、これまた原告勾留で不在のまま判決。敗訴。直ちに控訴。2月18日、原告東京拘置所より出所。東京高裁は2回の弁論で証拠調べをすべて却下し結審。弁論再開申し立てや裁判官忌避(いずれも却下)、特別抗告と抵抗するも最高裁の結果を待たずして9月19日、敗訴判決。上告審はこちらの手続きミスで却下され、12月、敗訴が確定した。



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