<米国の9・11テロ「報復戦争」に関する緊急声明> 

アメリカ軍は、本日(日本時間10月8日)、アフガニスタンのターリバーン政権軍事拠点などへの武力攻撃を始めました。9・11無差別テロの計画・実行グループの引き渡し要求に、ターリバーン政権が応じていないとの理由によるものです。日本の小泉首相は「正義と悪との戦い」だとして、米軍の攻撃を強く支持すると言い切りました。しかし、私たちは、このような拙速な軍事行動が、無関係な多くのアフガニスタン国民を殺傷、新たな敵意と憎しみを生み出すかもしれないことを強く憂慮するものです。先の無差別・大量虐殺が許し難い国際犯罪であり、国際法と関係諸国の国内法に基づいて厳正に処罰されるべきことは、私たちの見解(9月14日)で明らかにした通りです。とはいえ、国際犯罪処罰の必要性が、ただちに武力攻撃を正当化するものではありません。
無差別テロの背景に、極端な政治・経済・社会的不正に対する積もり積もった憎しみがあることを、多くの人々が知っています。その噴出を、「北」の富める強国が力で押え込もうとすればするほど、絶望と暴力への誘因は強まります。9・11事件を起こしたとされる、ウサマ・ビンラーディン・グループがアメリカを敵視する最大の理由のひとつは、イスラームを含む3大宗教の聖地パレスチナとエルサレムを、ユダヤ教徒の国イスラエルが占領し、それをアメリカが擁護し続けていること、もう一つは、イスラーム聖地の守護者とされるサウディ・アラビアにアメリカ軍が駐留をつづけていることだと言われています。多くのイスラーム教徒たちがこのような政策に対して怒っていることは、疑いないでしょう。
パレスチナについて言えば、和平プロセスが挫折し、紛争解決のきざしさえみられないことに、地域の人々は怒り、絶望しています。パレスチナ人の医療・保健活動支援を通じて、ささやかながらも途上国(地域)の人々の生活と福祉の向上、異なる宗教を信じる人々の平等と共存を願っている私たちは、米国などの「報復戦争」が、戦争と暴力の連鎖を拡大することをおそれ、関係者に対して以下の5項目を実現するよう呼びかけます。
● アメリカ、およびその同盟諸国はアフガニスタンにおける武力攻撃をただちに中止すること。
● 日本政府は、このような武力攻撃への協力、支援を止めること、とくに自衛隊の出動を中止すること。
● 国際法と関係諸国の法にもとづく、9・11事件の徹底解明、責任者の処罰のために国際協力を行うこと。
● 国際社会は、世界から差別、抑圧、貧困、不正を取り除くための長期にわたる協力をおこなうこと。
● 関係諸国は、パレスチナ問題の、正義にもとづく早急な平和的解決を目指すこと。

2001年10月8日
日本パレスチナ医療協会
代 表 芝生 瑞和
運営委員長 奈良本英佑
     


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