自由権規約に基づく第5回政府報告へカウンターレポートを
 

カウンターレポート分科会


自由権規約と政府報告
2006年12月、日本政府から国連へ「市民的及び政治的権利に関する国際規約第40条1(b)に基づく第5回政府報告*」が提出された。
国際人権規約は、世界人権宣言の基礎をおく条約で社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)、自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)といくつかの議定書から成っている。人権に関する諸条約の中で基本的かつ包括的なものであり、1976年に発効、日本は79年に批准した。加盟国がこの条約を確実に実施する実施措置として、自由権規約では国内の人権状況を報告することが定められて、その提出時期は次のようになっている。
「この規約の締約国は、(a)当該締約国についてこの規約が効力を生ずる時から一年以内に、(b)その後は委員会が要請するときに、この規約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を提出することを約束する」(自由権規約40条1項)
日本政府は、1980年10月に第1回、87年12月に第2回、91年12月に第3回報告を提出した。前回第4回報告は97年10月に提出され、99年11月のHRC(規約人権委員会)で審査され、その最終見解において、第5回報告は2002年10月と指定されていた。各国の報告提出、HRC審議が遅れたためか指定から4年遅れで、06年12月に提出された。

国賠ネットワークのカウンターレポート
これまでの経緯からみると、報告提出から早ければ約1年後頃にHRCの審査がある。政府報告に虚偽や誇張があれば、私らが実態を知らせるレポートを作成し18名の委員へ伝え、審査に反映することができる。
国賠ネットワークでは、第3回報告の際にJCLU(自由人権協会)の協力を得て、「違法に拘禁された者への賠償」について原案を作成し、23項目から成るJCLUカウンターレポートに盛り込まれ、委員に伝えられた。しかし、この項目は審議結果をまとめたHRCの最終見解には明示的に反映されてはいない。また、10数年を経ても、指摘した問題は解決の端緒さえ見えていない。HRCで審査されるのは日本の人権状況に関連する法制度やその実施状況であり、個々の事件や裁判の結果ではない。制度の普遍的な問題として、政府報告が現実と乖離していることを具体的に指摘するのがカウンターレポートである。
国連では昨秋の組織替えで人権委員会は人権理事会に発展し、通年の審議が行われる。その進め方などの調査を含めて、早急に準備を開始したい。たいへん迂遠な作業のようにも感じられるが、この国の司法システムのどうしようもない現状に対抗する手段として、再度、カウンターレポートを作成して審議への反映をめざしたい。当面、今冬までをめざして、ともあれ可能性を追求してみたい。

「カウンターレポート分科会」の課題
そこで、国賠ネットワークのなかに、「カウンターレポート分科会」を設け、作業し始めた。
□ 国賠ネットワークに関連してどのような項目が自由権規約と逐条的に関連するか?
□ どのようなポイントでレポートを作成するか?
・ 違法な拘禁、それへの賠償、人質司法
・ 不公正な刑事裁判 >結果99.9%の有罪
・ 不十分な証拠開示 ・・・
□ 作成したレポートをHRC委員へ伝え、政府報告の審査に反映する具体的手順は?
国賠ネットワークに集まる国賠訴訟のテーマもさまざまに拡がっている。社会権規約との関連が深い課題もあろう。これまでの冤罪被害の違法な拘禁への賠償に加え、公正裁判を阻害する証拠開示の制約、証拠隠しと直接証拠が皆無な有罪判決、迅速化による冤罪多発の可能性、外国籍故の差別の問題、等々、ここ数年の国賠ネットワークの関わりから、多項目が思い浮かぶ。しかし、具体化する作業の限界もある。国賠ネットワークの結びつきの中から、数項目でもまとめたい。
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*国際人権規約の全文、自由権規約に関する第4、5回政府報告、HRCの最終見解などは外務省ホームページにある。トップ頁から外交政策>人権・人道>国際人権規約 と進むと規約などの目次が表示。又は直接に、 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/