気候ネットワーク 2001.6.20

(6月12日のプロンク新提案とブッシュ政権の方針発表を受けて)

アメリカ待ちは京都議定書つぶしに等しい

ブッシュ政権の離脱表明後、日本はアメリカの参加を説得し続けるとしてきた

 3月のブッシュ政権の「京都議定書」離脱表明後、日本政府は、アメリカが京都議定書の交渉に戻ってくるよう説得を続けるとしている。世界のCO2排出量の4分の1を排出するアメリカが入らない議定書は意味がないという理由である。アメリカが参加することがより望ましいことは言うまでもないが、ブッシュ政権はこれまで京都議定書に反対の姿勢は全く崩していない。

ブッシュ政権が、京都議定書の代替案を提示

−京都議定書を消し去り、調査研究を軸にしたもの

 6月11日、ブッシュ政権が、京都議定書にかわる提案を提示。先進国の数値目標等は一切触れられず、温暖化の科学の研究調査と技術開発が軸。京都議定書を作り上げる10年来の交渉を無にし、1980年代に逆戻りさせる提案。

 EUは、「具体的行動が欠如している」と京都議定書堅持を改めて表明。

プロンクCOP6議長が、7月の会議の交渉用の調停案を提示

−日本へ大幅譲歩を盛り込む

 7月に再開されるCOP6へ向けて、合意を取るべくプロンクCOP6議長が、6月11日に調停案を提示。アメリカへ引きずられる日本の動向を懸念し、日本の吸収源の主張を大幅に認める譲歩を盛り込む。


日本政府の対応 その@

ブッシュの提案へ一定の理解。京都議定書の見直しも示唆

@ 川口環境大臣:米国提案に対し、「協力できる項目もある」と一定の理解を示す。

A 平沼経済産業大臣:「多少の柔軟性は必要」と京都議定書の見直しの可能性も示唆。「現時点で米国抜きの京都議定書批准は考えていない」

日本政府の対応 そのA

プロンクCOP6議長の調停案を未だに批判。「まだ不十分」

 川口環境大臣は、日本にだけの特別の配慮として吸収源について大幅譲歩したことは「前進」と評価するものの、他にも受け入れられない部分があると、さらに抜け穴(遵守・ODA・原発など)を拡大しようとした日本の主張を貫く。合意を作り出す姿勢が欠如している。

(現状認識)

 @ 温暖化対策の第一歩を進めるために、京都議定書を発効へ導くには、米国抜きで発効するしか道はないことは明らか。

 A 米国抜きの京都議定書発効には日本の批准(先進国の8%を占める)が不可欠で、日本の対応が決定的な役割を持つ。世界が注目している。

 B にもかかわらず日本政府は最後まで米国の参加を求め続けるとの態度を続けている。

 C 日本政府が批准の意思を表明せず、アメリカ提案を検討しようとした姿勢を続けていることで、他国の意欲を削ぎ、アメリカの主張に引きずられることになり、実質的に日本が京都議定書を潰している。

(日本の取るべき姿勢)

 アメリカの参加の説得を口実にせず、日本として、米国の動向にかかわらず京都議定書を批准し発効させる意思があることを今、示すこと。(日本の批准がなければ、米国抜きでの発効を実現する条件を満たすことができない。将来において、日本が京都議定書をつぶしたという汚名を残してしまう)

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