「keystone」メーリングリスト開設にあたって


 1972年5月15日、沖縄の施政権は日本に返還されました。「核抜き・本土並み」と喧伝されたその内実は、安保条約を改定することなく実質的に強化し、アメリカの世界戦略の一環として在沖米軍基地を自由に使えるものとすることでした。沖縄返還をはさむ数年間で、日本本土の米軍基地は約三分の一に減少しましたが、沖縄の米軍基地は数パーセントしか減らなかったという事実が「核抜き・本土並み」施政権返還の実態をあらわしています。

 那覇軍港などの返還が合意されて25年も経ちますが、未だにその実現を見ません。それどころか、50年以上も前に建設され老朽化した普天間基地の「返還」を口実に新たな海上航空基地の建設、実質的な基地機能の強化を日米両政府は狙っています。

 沖縄問題はほとんど解決していない、いやそれどころか、住民の要求を逆手に取りますます泥沼化している、と私たちは認識しています。さらに、安保の共同負担という名目で、在沖米軍基地機能の本土への移転=実質的な基地機能強化も企まれようとしています。しかし、本土マスコミからは節目を除いて沖縄問題は遠ざかりつつあるのが現状です。このような時期に、marine-ML というひとつの“場”が失われることを残念に思うとともに、新たな交流の“場”をつくる必要があると考えました。

 米軍はその軍事的背景から沖縄を 「KEYSTONE OF THE PACIFIC」(太平洋の要石)と呼び、それを誇示し、オキナワの象徴としてきました。米軍統治時代のしがらみを持つ軍事色の強い keystone にさよならを告げ、平和を標榜するkeystone へ、最終的に沖縄を平和そのものの keystone とすることを目指し、その熱い思いを 「keystone」に託して新たなメーリグリスト 「keystoneML」を設立します。

 全国に沖縄の問題を訴えると同時に、全国から沖縄へも声を伝える。そのことをとおして沖縄から、日本から、全世界から軍事基地を撤去していく運動の一助にしたいと思います。「keystoneML」設立の趣旨をご理解いただき、多くの皆様がご参加くださることを期待します。

 「沖縄を平和のキーストーンに!」をメインテーマに掲げ、「沖縄」と「基地」をキーワードに情報交換・意見交換を行なう場へと参加者全員で育てていきましょう。

代表 仲田 博康   


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