Date: Sat, 11 Dec 1999 00:20:38 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2172] 基地災害
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  政府は沖縄県知事らをヨイショするのに余念がありません。「武士道」まで持
ち込むしまつですが、端からはただの弱虫だとしか見えませんね。

 「断腸の思い」で決断したんだとか。人殺しをするのに平静でいられる人は
めったにいるもんじゃございません。法務大臣くらいなものでしょう。

 「(移転先が)正式に決まれば、現地、県、国の三者が話し合い、一五年後の
国際情勢を勘案し、総合的に判断したい」(青木長官)とは、ちゃんちゃらおか
し。今更だれが信じますか。国際情勢を変えるために基地の撤退が必要なので
す。

この国に配備されているあるいは配備される軍機は、基地上空だけを飛ぶのでは
ありません。日本全土の上空で、数百メートル上を、時速七百〜八百キロ以上の
高速での低空飛行を含む危険な訓練を行い、殺戮のために世界へ飛び立つので
す。「地元の皆さんのご理解」だけですまされることではないのです。遊園地な
んぞを造る話と勘違いされては困ります。

 政府はよもや、過去の事故をお忘れではありますまいが、
一九五九年には嘉手納駐留の米軍戦闘機F100Dが、沖縄県の石川市宮守小学
校に墜落、児童十一人をはじめ教師二名、住民六名が死亡、付近の住民四十人が
重軽傷、六三年五月十六日には、埼玉県毛呂山町の病院に米軍機が墜落、患者一
人が死亡、看護婦十九人が重軽傷、厚木基地周辺では、六一年から六五年の間に
六件の墜落事故で二十二人が死亡するなど、朝鮮戦争やベトナム戦争のあった五
十年から七十五年頃まで米軍機の墜落事故による住民の被害が相次いで起き、ベ
トナム戦争が終わった後も、七七年九月に、横浜市緑区に横田基地を離陸したF
4ファントム戦闘機が墜落、幼児二人とその母親が無残な死を遂げるなど、米軍
機墜落による民間人の死亡事件がありました。

 そして最近では、レーダーや地対空ミサイルの急速な発達により、それらに捕
捉されるのを避けるため、または逆にそれらを攻撃するために、軍用機の低空飛
行訓練が要求されるようになってから、戦闘機や攻撃機の墜落事故が多くなって
きました。

八五年に三沢基地に配備された第35戦闘航空団のF16戦闘機は、八七年から
本格的な訓練を開始し、九九年までの十三年間に五機が墜落、一機が離陸に失敗
して炎上、パイロットが死亡するという六件のAクラス事故を起こしています。

    また、軍機の機能の強化はめざましく、ややもすれば、パイロットの技能と
のバランスが保たれないほどだといわれています。その上、三沢基地米第35戦
闘航空団のF16戦闘機による九九年一月二十一日の低空飛行訓練中の釜石市で
の墜落事故報告書の中で、13飛行隊の基準化・評価担当のジェームズ・クリー
ト大尉が「以前は13飛行隊のパイロットの平均飛行時間は八百時間位だった
が、現在はほとんどが四百時間そこそこ」と証言していますし、AFSCの統計
によれば、F16の墜落事故原因の五十%以上はヒューマンエラーであるとし、
米空軍のF16のAクラス事故は、九七会計年度十一機だったのが、九八年度は
十四機、九九年度は十八機に増加、その理由の一つとして経験を積んだパイロッ
トの不足を挙げています。(『太平洋星条旗』九九年八月十三日号)。最近のF
16戦闘機の事故もこのような背景が間接的な要因になっている可能性がありま
す。(佐藤裕二さんの資料より)
 
 今、軍隊の能力はことほど左様にバランスを崩して低下しており、いつ事故が
起きてもおかしくない状態にあると言えましょう。平時でさえもこうなのです。
まして「有事」となれば、ベテランだろうが何だろうがかり集めて攻撃に赴くで
しょうから、どのような結果を生むか火を見るより明らかです。

 そして今軍隊は「地域紛争」を作り出してその存在を保っています。その特徴
の一つは「紛争」による犠牲者の多くが民間人であるということです。「第1次
世界大戦」での死者は、軍人が95%、市民が5%だったのに対し、ベトナム戦
争では軍人が5%、市民が95%という数字があります。
 これから軍隊がなす殺人による被害は、極めて私たちに身近な問題なのです。
 

 在沖米軍基地の整理縮小を図るため設置された日米特別行動委員会(SAC
O)が11施設の返還を決めた最終報告から、2日で満3年を迎えた。
 日米が返還に合意した11施設中、7施設が県内移設条件付き
 
 SACO最終報告で返還・統合が合意された11施設の現況

施   設      面積(ヘクタール)  返還時期     
現    状
          

(1)普天間飛行場   481           代替施設建設後  
県がキャンプ・シュワブ水域内辺野古沿岸域を移設先に選定

(2)安波訓練場    480            返還済み      
追加訓練水域提供後、返還

(3)北部訓練場    987            2002年度末   
ヘリ着陸帯移設の伴う環境調査中。地元東村高江区が反対決議

(4)ギンバル訓練場   60            2000年度末   
返還条件のブルービーチへのヘリ着陸帯移設に金武町が反対

(5)楚辺通信所     53            2000年度末   
キャンプ・ハンセン内への移設を金武町が受け入れ

(6)読谷補助飛行場  191            2000年度末   
パラシュート降下訓練、伊江村が受け入れ
   
(7)瀬名波通信施設   61            2000年度末   
地代収入失う地主が返還に反対

(8)キャンプ・桑江   99            2007年度末   
海軍病院移設先の宜野湾市が反対

(9)キャンプ・瑞慶覧  83            2007年度末   
住宅統合を北中城村、北谷町が同意

(10)牧港補給地区     3           施設移設後    
国道58号拡幅のため返還する区域内の施設を移設作業中

(11)那覇港湾施設    55           代替施設完成後   
浦添地先35ヘクタールに移設するが、宮城浦添市長は物資搬出入に限定容認。
一部事務組合設立が難航
                                       (琉球新報12月6日 )

「本土」でも、在日米軍が、冷戦の終結や通信衛星の進歩などにより重要性も薄
れた横浜市瀬谷区の米海軍上瀬谷通信施設(約242ヘクタール)の一部など同
市内の複数の米軍基地・施設約180ヘクタールを返還する方針を固め、日本側
に伝えましたが、不足している米軍人らの住宅を日本の予算で建設することが条
件(朝日新聞11月12日)で、地位協定上は使わなくなったら返還する義務があ
るのですが、またまた「思いやり予算」を増額するつもりらしい。
 

 沖縄の米軍普天間飛行場返還問題で、米政府は、沖縄県が求めている代替施設
を軍民共用空港とすることには応じるものの、十五年間の使用期限を設定するこ
とには明確に反対する方針。

公式のコメントは避けているが、使用期限を設けることについては、「九六年四
月の日米安保共同宣言で確認されたように、在日米軍の軍事態勢は国際的安保情
勢の変化に対応すべきもので、事前に期限を区切るべきではない」(幹部)との
見解を既に日本側に伝えている。「朝鮮半島など極東情勢が劇的に安定すれば十
五年以内でも新施設が不要になる可能性がある一方、情勢に変化がなければ当
然、継続的に施設を使用したい」(同)

 代替施設の工法については公式的には「我々の軍事能力が維持される限り、ど
んな提案にもオープンだ」(コーエン国防長官)が、最近になって海上施設案に
は否定的な意見が強まっている。

 複数の幹部の「個人的な見解」
〈1〉建設費が高額なうえ、九八年三月の連邦議会会計検査院(GAO)の報告
では現在の数倍の年間維持費が必要となる〈2〉台風などを想定すると安定した
施設使用に不安が残る〈3〉陸上案に比べて海兵隊の「生活の質」を維持するの
が困難〈4〉軍民共用施設にするのが難しく、建設工事に地元業者が参入しにく
いため地元の経済振興に結びつかない――などの海上施設案の問題点を指摘。
        (読売11月19日【ワシントン18日=内田明憲】)
 
 

米国防総省の海兵隊広報部は、最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイを20
06年米会計年度(2005年10月〜2006年9月)から沖縄に配備する計
画であることを認めた。

現在ハワイに基地を置いている2つの大型ヘリ中隊(CH53型ヘリ)を二つの
オスプレイ部隊に転換。両部隊を「今後、組織変更する沖縄の第36海兵航空隊
に編入」
配備年は2006米会計年度にオスプレイ3機、2007年米会計年度から12
機ずつ2つに部隊に計24機。

日米両政府は、現在普天間基地にある第36海兵航空群を移駐することを明らか
にしている。また、現在、第36海兵航空群に所属している2つの中型ヘリ中隊
(CH46型ヘリ)は2007年度からハワイへの移駐を始め、オスプレイ部隊
(各12機)に転換。
 米国防総省の報告書(97年9月)は、新基地にオスプレイ36機の配備を想
定。

 【MV22オスプレイ】紛争地に米海兵隊の戦闘部隊を投入するのが任務。垂
直離着陸、水平離着陸可能。CH46型ヘリに比べ、巡航速度が2倍、積載能力
は3倍、航続距離は5〜10倍。
           (赤旗12月6日)
 

沖縄へのMV-22オスプレイ配備計画
(普天間基地配備の海兵隊、第3海兵遠征軍/第36海兵航空群)
 1999年3月18日現在 (米国防総省資料から)米国会計年度

第362海兵中型(V-22)航空中隊/(MV-22)更新後、沖縄に配備
  2006年度3機、2007〜2014年度各12機
第363海兵中型(V-22)航空中隊/(MV-22)更新後、沖縄に配備
 2007〜2014年度各12機

笠井さんの質疑より
◇「十五年の使用期限」について、「米側に確約をとりつける保障はあるのか」
青木幹雄官房長官「十五年と確約できない」「(新基地の)受け入れが決まった
時に、地元、沖縄県、国の三者で話し合い、総合的に判断する」
<米政府は「沖縄での駐留に期限をつけることを希望していない」(ベーコン報
道官)としている>

◇米国防総省が報告書のなかで「四十年の運用年数と二百年の耐用年数をもつよ
うに設計される」とのべていることについて、「事実を米政府に確認したのか」
河野洋平外相「現時点で確かめる考えはない」

◇「米側に十五年だと確約をとりつける保障はあるのか」
青木官房長官「種々の要素を総合的に勘案しながら、今後考えねばならない問題
であり、現状ではアメリカとなんらの話し合いもしていない」

 笠井さん 十五年の使用期限について、何も確約できないということですね。
地元が受け入れるというまでは。
 官房長官 政府としては、いまの段階で十五年を確約することはできないと
思ってもらって結構だ。

◇米国防総省が一九九七年九月二十九日にまとめた「海兵隊普天間航空基地の移
設のための運用条件と運用構想(最終案)」について
新基地の運用・耐用年数についてどのように書かれているか
 外務省・藤崎北米局長「米国政府の内部文書だと思う」「『最低運用年数は四
十年であるべきだ。あるいは耐用年数が二百年となるよう設計されるべきだ』と
いった記述について、報道で承知している」
 河野外相「米国の内部文書について承知していない」「米側から公式の提案が
あればそれに対応したい」

◇米海兵隊が現在、最新鋭機MV22オスプレイの新規配備計画をすすめてい
る。「普天間から基地が移設されれば、その新たな基地に配備されることは明
りょうだ」
 河野外相「平成十一年(一九九九年)一月に国防総省に確認したが、MV22
の配備について、アメリカ政府としては現時点でなんら具体的な予定は存在しな
いとの回答を受けた」

◇ インターネットのホームページに公表されている今年三月の米国防総省の配
備スケジュールをパネルで紹介。
 河野外相「国防総省に確認したが、これまでの回答が有効だということだっ
た」
                      (共産党HPより)

  「やむを得ない」ということは不本意つまり反対だということ。

朝日新聞社と沖縄タイムス社の世論調査(12月4、5日)

名護市への移設について「反対」45%、「賛成」32%
 反対の理由の最多「沖縄の基地削減にならない」17% 賛成の理由の最多
「やむを得ない」10%

決定の理由や今後について「十分に説明を受けていない」78%

普天間飛行場の返還問題について、「大いに関心がある」41%「ある程度関心
がある」45% 合わせて86%。

名護市への移設に「反対」45%「賛成」32% 「その他」「答えない」合わ
せて23%
 反対の理由「沖縄の基地削減にならない」17% 「自然を破壊する」「新た
な基地被害が出てくる」いずれも12% 賛成の理由「やむを得ない」10% 
「政府が地域振興策を約束した」8% 「今より危険が減る」「基地の整理・縮
小につながる」がともに6%

 男女別では、男性が反対42%、賛成41%、女性では反対48%、賛成2
5%

就任1年を迎える稲嶺知事を「支持」43%、「不支持」37%
支持の理由の最多「経済振興策への評価」27%、不支持の理由「基地問題への
対応」16%、「平和行政への取り組み」13%

 稲嶺知事が主張している「米軍使用は15年」との条件は「必要だ」52%

 沖縄の米軍基地の整理・縮小に対する政府の取り組みについては「評価してい
ない」61%、「評価している」22%

 4年前の米兵による少女暴行事件以降、「本土」の人たちが沖縄の状況や県民
の気持ちを理解するようになったと思うか「あまり変わらない」59%、「理解
するようになった」31%

青木幹雄官房長官(6日記者会見)
61%が政府の取り組みを評価していないことに関し
「非常に厳しい結果が出た。政府としては今後、この(米軍基地の整理・縮小に
関する)問題を真摯に受け止めて努力することによって、地元の皆さんのご理解
を得る努力を続けて行きたいと考えている」
                           (朝日12月7日)



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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