Date: Sun, 28 Nov 1999 01:12:09 +0900
From: 加賀谷いそみ<QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2132] 自衛隊機墜落事故
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 こちらでは雪がちらついてきました。「あってはならないこと」を耳にする
機会もおおいせいか、耳にしもやけができてかゆいです。
 
 埼玉での自衛隊機墜落事故では、インフラがどうのこうのと盛んに取りざた
されましたが、政府にしてみれば、通信が不通になって、有り難かったかも。
問題のすり替えに役立ったようですし。

 新聞「朝雲」では、墜落死について「民家への被害を避けようとしたためか
脱出の機会が遅れ、高度不足で開傘せず失敗したものとみられる」としていま
すが、飛行機が00方式(高度0m、速度0mでも座席ごと射出されて、傘が
ひらいて無事降りられる方式)であれば、死ぬことはないのだが、という見方
もあるようですので、退役間近の飛行機で古い機能のままいまはやりの飛行訓
練をして事故り、脱出もできず殺されたのかとも考えたり。

 民家を避けようとしたというのは、人間であれば普通の行動だとおもいます
が、(同機は東チモールを飛びますが)他国の上空を飛んでいたら、さっさと
脱出して、あとは野となれ山となれ、としているかも知れません。なんせ彼ら
の受けている教育は「愛国心」だけなのですから。

 とはいえ、自衛隊員には、思想信条の自由があります。しかし、殉死してし
まうと、十把ひとからげに「英霊」に仕立て上げられるようです。
 これから、民間人も武器の輸送にかり出されますが、そこで事故にあえば、
すべて「英霊」にタテマツラレてしまうことでしょう。そして「『御真影御真
影』ト叫ビツツ一死以テ奉護シ猛火ニ包マレテ殉職」した教師のように、歴史
の「改竄」にも付与するわけです。すでに「教育の靖国」といわれる「教育
塔」には、O157で死亡した子どもたちが奉られているはずです。

 現場検証に自衛隊が大挙して押し掛け、さっさと残がいをもっていってし
まったようですが(23日の現場検証には、県警132人、航空自衛隊224
人、消防職員5人)、原文は日本語ですむでしょうし、市民の被害もおおき
かったのですから、防衛庁には是非詳しい報告書を公開してもらいたいもので
す。米軍でさえ釜石墜落事故で350ページにおよぶ調査報告書をだしていま
す。一方自衛隊の方は福島県で墜落した百里の偵察ファントムの場合、1年半後
に出された事故報告書が、B5一枚数行のものだったそうですが。

岩手県が米軍の報告書を翻訳して公表しましたが、パイロットの証言を中学生
に見せれば、これほどダサイ作文は書けないと笑うことでしょう。80NM
(カイリ=1850m)を80kmと訳しているあたりになると「専門用語に
ついては、必ずしも正確な標記になっていない部分がある可能性がありま
す。」というほどのものだろうかと。これが日本の英語教育の姿とでも言える
でしょうか。

以下「朝雲」より

11月22日午後1時42分頃、埼玉県狭山市柏原の入間川左岸河川敷に、空
自航空総隊司令部飛行隊・T33ジェット練習機六四八号機が墜落炎上、隊員
二名が死亡。
同機は、二佐の年間訓練飛行(現場を離れたパイロットの技量を維持するため
の飛行訓練)として、三佐が教官となり入間基地を離陸、空中操作の訓練のた
めに同機地北西のH訓練空域(群馬、栃木県内)に向かい、入間基地北方約四
〇キロを帰投中トラブルが起き、住宅地への墜落を避けるために通常のコース
から外れて飛行。
  二人は墜落直前、ベールアウトを試みたが、民家への被害を避けようとした
ためか脱出の機会が遅れ、高度不足で開傘せず失敗したものとみられる。
 二佐は飛行時間五,二二八時間、三佐は同六,四九二時間。事故機の飛行時
間は約六,五〇〇時間で、平成十四年に退役予定だった。
                         (朝雲11月25日)

11月11日、長崎県福江島西方80キロ付近で、対領海侵犯任務中に行方不
明になった空自5空団301飛行隊(新田原)所属のF4EJ改要撃戦闘機の
乗員2人の部隊葬が宮崎県空自新田原基地で営まれた。

 同機は、九州西方の東シナ海上空で国籍不明機が日本の領空に接近したた
め、8月15日、午前4時40分頃二機編隊の一番機として新田原基地を緊急
発射。5時10分頃相手機をレ−ダ−で確認した直後に交信が途絶え(相手機
は領空を侵犯せず)、新田原・芦屋・春日・那覇・小牧各基地(空自)、鹿屋
基地・大村基地・佐世保(海自)から、直ちに総力を挙げて捜索したが不明。

 その後1人は10月19日、中国・浙江省舟山の漁船に洋上で遺体で発見さ
れ、一人はいまだ不明のまま11月8日に死亡が認定された。機体も捜索中。
11月17日、長崎県福江島西方沖で水深200mの海底に機体の一部と思わ
れる部品を発見。11月1日から民間に依頼し、サイドスキャン・ソナーとテ
レビカメラで海底捜索していた。

部隊葬には、遺族をはじめ、江間防衛事務次官、竹河内空幕長、大串総隊司令
官、平田西空司令官、基地隊員と地元関係者ら約1500人が参列。

 堀空自五空団指令「われわれはこの悲しみを乗り越え、任務にまい進してい
くことが両君の遺志を継承する道であると確信している」

 瓦防衛庁長官(江間次官が代読)「み霊は、自衛隊員としての使命を身を
もって遂行された。その崇高な行為による犠牲は、全自衛隊員そして国民に大
きな感銘を与えた。国の独立と平和を守るという任務達成のため、決意を新た
に最善を尽くすことを誓う」

 竹河内空幕長「空自隊員一同は、危険をかえりみず身をもって任務を遂行し
ようとして職に殉じられた両君の遺志を無にすることなく、この悲しみを乗り
越え、国家防衛の使命を果たし、両君のみ霊にこたえる覚悟である」
                            (朝雲8月19日、11月18日・25日)
 

 なお、今沖縄には永田町界隈にたむろするチミモウリョウのたぐいが跋扈
し、政府・自治体はかけひきで「政治的手腕」の発揮をたくらむ段階に入り、
金を中央に吸い上げ、人心の荒廃と環境汚染をみやげにおいていこうとしてい
ますが、

「朝雲」25日付で、小松斉さん(政治評論家)という方が、沖縄県知事が米
軍・普天間飛行場変換に伴う代替施設を受け入れたことを歓迎していました。

 毎日新聞と琉球新報が今月上旬に合同で行った県民世論調査によると、「普
天間飛行場の県内移設」を「容認する」人は、45.7%と容認できない」の
44.1%をわずかに上回り、かつては考えられない数字で、県民の意識も大
田知事時代とはかなり変化しているし、沖縄県議会や宜野湾市議会が県内移設
による飛行場の早期返還の決議しているのは、代替ヘリポート建設への理解と
支持が確実に広がっていると見ていいだろうから、政府にとっては心強いこと
だろうとのこと。

そして「問題は、再び活性化することが予想される反対派の動きだ。現に名護
市では岸本市長が受け入れを認めれば『市長リコール』運動を展開する構えを
見せている。今後は、こうした反対派の動きが新たなハードルとなる可能性が
ある」と市民運動の方も高く評価していらっしゃいました。

 政府は、「米安保体制の維持と沖縄振興という観点から、沖縄県、名護市の
要望をできるだけ『尊重』していく方針で、特に跡地利用の支援策では議員立
法による新たな立法措置も検討している」そうです。

 これから、公安職や機動隊などのみなさんもお忙しくなることでしょう。
台風でおちゃらになるかもしれない「沖縄サミット」の予行練習にもなること
でしょうし、市民のお一人として、立場上つらいこともあるでしょうが、職務
にお励みください。



 
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