Date: Thu,  4 Nov 1999 22:22:00 +0900
From: 加賀谷いそみ <QZF01055@nifty.ne.jp>
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Subject: [keystone 2043] <改憲>パンフ QアンドA
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 最近お悔やみが多くて散財気味ですが「介護保険になる前に逝って本人も家族
も幸せだった」と。これが「戦争のできるふつうの国」ニッポンに住む民の会話
です。

 人格の殺戮に及んだ性犯罪者も知事の座に居座っているようですが、
 教授であれ、知事であれ、議員であれ、ちまたの男ども、女どもに支えられて
その地位を保つなら、「西村効果」は増幅するばかり。

 天皇の臣民と化した国会人が、人権感覚にマヒし脱落していく速度は、思った
より早いようです。

西村真悟さんも若者に知ってもらいたいと雑誌で使っていましたが、政府は「大
東亜共栄圏、八紘一宇」に手を付けはじめました。

 トルコ地震に日本政府も国際貢献をということで、200万ドル分の緊急支援
物資を送ったのですが、対外的には軍隊である自衛隊の現地入りを断られたの
で、いまいちわかってもらえないんじゃないかと、「日の丸」を使ってより「目
に見える」貢献をめざすとのこと。

 外務省では政府開発援助(ODA)で海外に送る物資の箱などに「日の丸」を
張りつけて、日本の「貢献」をアピ−ルすることを決めた。まずは、トルコや台
湾の震災被害者やコソボ難民への援助物資から実施。(読売10月28日)

 トルコでは被害者の大半がテント生活を強いられています。兵庫県では神戸の
仮設住宅を2500戸提供しました。トルコ政府は8000戸を要請し、供与の
方針は示したものの、政府は、国際緊急援助法第3条、自衛隊法第100条の六
を適用して小型空母「おおすみ」などの軍艦で運んだので一度に500戸しか送
れませんでした。「国際緊急援助活動」では初ケ−スで、「国際貢献」の名で自
衛艦の行動範囲をちゃっかり拡大。帰りには地中海でトルコ海軍と「親善演習」

 そして外務省では、周辺事態法に「邦人救出」がとりいれられたので、それに
即して海上自衛隊演習に初参加。とり残された邦人を外務省が把握、陸上自衛隊
が警備する中、海自が艦船に輸送するという想定。(朝日10月26日)

 「有識者」が集まらず、「有識者懇談会」は断念したもののあきらめきれず
「きわめて政治的な問題」だから議員で話を進めようと

 自民党は2日、首相の靖国神社公式参拝実現に向けて靖国神社のあり方を検討
する議員懇談会を近く発足することを決定。村上参議院会長、野中幹事長代理、
森幹事長らが提案。
 靖国神社の特殊法人化、戦犯の分祀などが検討対象となる見込み。2000年
中をめどに結論を出す方向。

 森幹事長「(結論を)どういう方向にもって行くかを決めず、党内の若い世代
がどう考えるのかも含めて幅広く議論することが大事だ」「外国の賓客がわが国
の戦没者を参拝する場所がないのは健全な民主主義国家としておかしい」
 村上氏ら参院執行部「有識者の意見を聞く機会は設けてもいいが、懇談会はあ
くまで議員による組織とすべきだ」

 党内には首相の公式参拝は「天皇参拝の地ならし」との声も
 幹部「なぜA級戦犯を区別するのかの議論を突きつめると、結局は先の大戦の
歴史認識の問題になる」

 公明党神崎武徳代表「政治と宗教の問題は、宗教団体側がどう考えるかが基
本。政治がどうする、という問題ではない。」

 日本遺族会「議論が全くないのも困る」
 靖国神社関係者「議員懇では『首相が堂々と参拝すればいい』という結論をだ
すのを期待している」
 綿貫民輔・みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会会長「テクニカルに神様
を分けることは承知していない」
              (読売1日、朝日・産経・毎日・河北3日)
 

 
 複数の識者が指摘するように明文改憲の時期はかなり早まるかも。もろもろの
戦争法を法規的に施行しなければ、つくっても「協力要請」しかできない。
 しかし政府の立場としては「護憲」を海外に表明している手前、言えるのはぎ
りぎり「論憲」まで。そこで小渕さんはあらゆる機会を使って改憲の環境整備に
むけて「有事法制」をアピ−ル。瓦防衛庁長官も自分の任期中に是非にとはり
きっています。

 小渕首相は10月31日、茨城県の航空自衛隊百里基地で行われた自衛隊観閲
式で訓示
「有事法制は、重要な問題であると認識しており、政治の場でも活発な議論がな
されるに至ったことは歓迎すべきことだ。政府としては有事法制の重要性にかん
がみ、先般の(自自公)三党合意を踏まえるとともに、国会における議論や国民
世論の動向などを注視しながら適切に対処していく」(読売11月1日)

上部が浮き足立つと

 自民党の亀井静香政調会長は31日、島根県松江市内でのパーティーであいさ
つ。周辺事態での米軍への後方支援に関連し、「米軍に水や油を補給するなどの
協力をする場合、相手国は(日本を)敵性国家と判断し、ただちに日本に対して
宣戦布告をするだろう。そうした場合は、直ちに有事として対応せざるを得な
い。緊急事態だからと適当にやればいいというものではない」(朝日10月31
日)
 青木官房長官「誤解を招きかねない」(読売11月2日)

というおっちょこちょいな人も出てきます。

 亀井さんは、有事法制整備について「国民の基本的権利を有事に守るために
は、平時にきちんとやっておくのが民主主義国家」とのこと。
 (憲法を改正した上で国際貢献をという考えについて)「今のように23通り
も9条の解釈があるようなのはおかしく、改正というか自主憲法をつくればい
い。しかし国の基本法については7割から8割ぐらいが賛成できるものを作って
いかなければならない」
 (集団自衛権行使について)「これはきちんとすればいいと思う。ただそう簡
単に憲法改正なんてできないのだから、現実に起きたことに対して理論的根拠は
違うが、日本としてやるべきことをやるということだ」
               (産経11月2日−日本と東チモ−ル−)

自由党の藤井裕久幹事長は2日午後の自自公三党の党制作責任者会議で、有事法
制論議を本格化させるため安全保障に関する三党のプロジェクトチ−ムを設置す
るよう要求。自公は「持ちかえて検討する」と保留。(11月3日)
 

山崎さんも憲法試案をだすそうですが、改憲新党なるものができるとか、できな
いとかといううわさも。

 民主党の鳩山代表は10月27日に日本評論家協会の会合で「憲法をどのよう
な形にしていくことがこれからの日本にふさわしいか、改正の中身を議論するこ
とは極めて大事だ」「小沢自由党党首の国連中心主義(の解釈)で本当にいいの
か。自衛隊は国際的には軍隊なのに『そうではない』というようなわかりにくさ
は排除していくことが大事だ。憲法解釈で怪しげな方向に導くより、憲法や法律
に明確にうたう方向にすべきではないか」
             (読売10月29日)

11月3日には民主党憲法調査会(会長・吉田之久両院議員総会長)を代表直属
の機関とする方針を決定。
鳩山代表「(戦争放棄を規定した)九条からやるべきだと意気込むつもりはな
く、さまざまな角度からチェックが必要。五年とか期間を区切る意見もあるが、
時間軸にはとらわれない」
鳩山邦夫氏「兄がもっと改憲を主張すればより連携がとれる」(10月31日都
内での講演)
「論議することは決まったのだから、次は改憲に踏み込まざるを得ない」(党中
堅)
「10年かけて議論しようと主張している菅政調会長の下に置くより、自分でま
とめた方が話が早い」(鳩山氏周辺)
「憲法は緊急の課題ではない」(旧社会党系幹部)
「今一番大事なことは、民主党が結束して自自公政権に対抗していくことだ」
(幹部)
「あまり性急な議論をすれば、党内に亀裂が入ることが十分ありうる」(党執行
部)

 自民党議員「”お家の事情”で憲法論議ができないという批判を避けるための
ポ−ズ」          (産経・読売11月4日)

 10月25日には、「21世紀における日本の憲法は、いかにあるべきか」を
テ−マ にして「日本戦略研究フォ−ラム」(永野茂門理事長)
 佐藤欣子・弁護士「欺瞞の憲法であり、偽善の政治状況を改善しなければなら
ない」
 西修駒沢大学教授「憲法九条のあいまいさでわが国の安全保障論議は混迷を深
めている」
 石破茂衆院議員「憲法改正のための国民投票法をきちんと確立しなければなら
ない」
                   (産経10月26日)

などなど、「改憲論議」もさまざまですが、足腰の弱さは否めません。
国会でいくら多数を豪語しても、しょせん民衆の数のほうが特段に多いのです。

21世紀に向けて恒久平和を国際社会に確立させるためには、憲法の非戦平和条
項を発展させ、その理念に普遍性をもたせることです。
目の前に迫った有事法整備を阻止するとともに、民衆の手で「論憲」の危険性を
明らかにしていかなければなりません。

 
 みなさんの周りの「論憲」のテキストとして、また、各地の改憲阻止の運動の
材料として活用できるパンフの紹介です。どうぞ広めてください。

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 憲法改悪を許さない広範な共同行動を!
QアンドA
憲法調査会のねらうもの
    編集・許すな!憲法改悪・市民連絡会
    発行日・1999年11月1日

目次

@今なぜ論憲なのか
A「論憲」論のギマン
B今日の改憲論の特色
C改憲論がねらう国家像
D九条改憲論への反論
E新しい人権論について
Fいのちと暮らしの権利
G薄弱な改憲論の根拠
H統治機構の問題
I天皇制をめぐって
J憲法改正の限界
Kこれからの運動課題
L資料

 この小冊子は1999年6月26日、山内敏弘先生(一ツ橋大学教授)を囲ん
で行った勉強会でのお話をもとに、市民連絡会の事務局が再構成し、編集したも
のです。いよいよ憲法調査会が動き出した情勢のもと、多少なりとも各地の市民
運動の皆さんの助けになればさいわいです。本書を読んでの御感想やご意見をお
寄せ下さい。
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当面する憲法問題をわかりやすく解説しています。市民運動必携のパンフ。
A5版32頁。1冊400円(10冊以上注文の場合は300円)、送料実費。
お申し込みは事務局まで。
      市民運動全国交流集会実行委員会事務局
       連絡先・東京都千代田区三崎町2−21−6−302
           電話03(3221)4668
           FAX03(3221)2558



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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