Mime-Version: 1.0
Date: Sat, 9 Oct 1999 12:55:12 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 1954] [aml]あいば野日米共同演習の概要
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1954
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

   (from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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 Date: Sat, 09 Oct 1999 10:37:37 +0900
 From: 和田 喜太郎  <YRX00535@nifty.ne.jp>
 Subject: [aml 14301] あいば野日米共同演習の概要
 

 今月27日から始まる、あいば野演習場での日米共同演習の概要をお知らせします。
 これま関係機関で公表されたものを整理し書きならべました。(和田)

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【99年度 陸自・海兵隊 あいば野日米共同演習の概要】
 
◆期  間:10月27日〜11月7日(12日間)
◆場  所:あいば野演習場と今津駐屯地(滋賀県高島郡)

◆参加部隊
【陸自側】中部方面第10師団第33普通科連隊(三重県久居 連隊長一佐・下之宮正俊)
    ・担任官:陸自第10師団長 陸将・川井武彦 
    ・人 員:約750名
    ・主要装備:携帯対戦車弾、84ミリ 無反動砲、106ミリ無反動砲、87式対戦
                    車誘導弾、81ミリ 迫撃砲、107ミリ 迫撃砲ほか
        ・支援参加:空自輸送機による物量投下支援を予定

【米軍側】第3海兵師団隷下、第4連隊第3大隊(カリフォルニア・沖縄)
    ・担任官:第3海兵師団長 海兵隊准将・ゴードン C.ナッシュ
        ・人 員:約800名                 
        ・主要装備:対戦車火器(ドラゴン、84ミリ ロケットランチャー)、
          SMAW(スモー)、60ミリ迫撃砲、81ミリ迫撃砲ほか
        ・支援参加:米海兵隊が近接航空支援を予定
 
◆訓練内容:陸自及び米海兵隊の部隊が、それぞれの指揮系統に従い、共同して作戦を
      行う場合における相互連携要領を実行動により演練する。
 

●報道関係への公開訓練内容(10月27日〜11月7日のうち)
・10月27日(水)
 10:00〜11:00 訓練開始式 日米の担任官及び訓練実施部隊
 11:20〜11:40  ブリーフィング    訓練の概要説明
 11:40〜12:00  記者会見  日米の訓練実施部隊長の共同記者会見
・10月29日(金)
 13:00〜15:00 機能別訓練 ヘリボーン攻撃及び小隊・中隊の攻撃時機能別訓練紹介
・10月30日(土)
 09:30〜09:50 ブリーフィング    実施訓練の概要
 10:00〜14:00 機能別訓練(実射訓練)
                           日米共同の実射訓練、対戦車火器及び迫撃砲の射撃、
        陸自:106ミリ 無反動砲、81ミリ・107ミリ 迫撃砲 
        海兵:ドラゴン、60ミリ・81ミリ迫撃砲
・10月31日(日)
 09:30〜09:50 ブリーフィング   実施訓練の概要
 10:00〜14:00 機能別訓練(実射訓練)
              日米共同の実射訓練、対戦車火器及び小銃班の射撃
               陸自:84ミリ無反動砲、携帯対戦車弾 
               海兵:SMAW(スモー)、小銃、機関銃
11月 6日(土)
 10:00〜11:00 訓練修了式 日米の訓練実施部隊

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■訓練は大きく分けて機能別訓練と総合訓練とに別れる。本命の総合訓練(公開されな
い)は、シナリオに基づき仮想敵、味方、援軍に別れて作戦が進められ、進行と勝敗も
判定評価される。今回の大まかなシナリオは、「北九州に上陸して東進してきた仮想敵
部隊と、山陽地方で戦うという設定」・・・と報道されている。
 前回(97年)はACSA締結後のこともあり、空自輸送機参加の物量投下訓練が行わ
れ、岩国の海兵隊ヘリ(近接航空支援)も参加した。(そのヘリが道に迷い燃料切れで
伊丹空港に緊急着陸するハプニングもあった。)
 また、この時のハワイ歩兵参加部隊は関空(定期便)を利用して来日した。報道によ
れば今回は小松航空基地経由で饗庭野入りをする。
 これまで海兵隊といえば沖縄第3海兵師団からの参加だったが、今回は珍しくカリフ
ォルニア(サンディエゴ海兵隊訓練基地)から参加する。沖縄には第4海兵連隊(キャ
ンプ・シャワーブ)があり第3大隊もある。そのローティションに関連のある第3大隊
の一部がカリフォルニアにあるのかも知れない。こうしたことから、沖縄まで軍用輸送
機(又はチャーター機)で来日し、沖縄の海兵隊と合流し小松基地経由で饗庭野入りす
ることも考えられる。

■あいば野演習場は、琵琶湖の西4町村にまたがる本州西日本最大の演習場で、戦車大
隊、特科(野砲)大隊、空自ミサイル部隊などの基地が隣接する。演習場内には各種射
撃場、滑走路、外来部隊宿舎などがある。中部方面隊各部隊など年間330日は演習に
使用されるという。近年、土地買収拡張により榴弾砲の長距離射撃も可能となり、沖縄
米軍の砲撃移転訓練場候補にも挙げられたこともある。
 このほか、今年6月演習場に隣接する旭化成(弾薬メーカー)用地に、三菱電機のミ
サイル製造工場建設計画がもちあがったが、地元(新旭町)の反対運動で、計画はいっ
たん断念するに至った。その過程で名前の出た「旭化成」は、防衛庁入札で対人地雷廃
棄処理を請け負うことなど伝えられている。

■これら饗庭野の「実働演習」は、来年1月に予定される、伊丹駐屯地での「ヤマサク
ラ37・方面隊指揮所演習」(日米約3000人参加)に連動する。既にその「予行演
習」としての「YS−36」が今年6月にハワイ(双方230人)米陸軍訓練センター
で行われ、陸自中部方面隊の中枢が参加した。
 これらの実働演習も指揮所演習も、朝鮮半島と向き合う本州西半分(富山・岐阜・愛
知以西の本州各県と四国四県)を守備範囲とする中部方面隊にとっても、周辺事態法制
定後初の演習のことでもあり、現情勢下で注目すべき演習となる。
 指揮所演習は「図上演習」とも言い「テレビゲームのようなもの」とも説明されたり
する。スクリーンの映像がそのまま戦闘に直結することなど、現代戦の様相は湾岸戦争
など通じても広く知られるようになった。
 
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【これまでのあいばの日米共同演習】
●第1回:1986年(昭和61年)11月24日〜12月7日
  米軍側:第3海兵水陸両用戦部隊(沖縄)約250名
  陸自側:中部方面10師団第35普通科連隊(守山)約300名
  ※近接防御戦闘訓練、「琵琶湖演習86」呼称、以後年間6週間米軍使用演習場。

●第2回:1988年(昭和63年)11月19日〜12月1日
 米軍側:第3海兵機動展開部隊(沖縄)約600名
  陸自側:中部方面3師団第37普通科連隊(信太山)約500名
 ※攻撃時の火力及び機動の相互連携要領、NBC戦(核・生物・化学)も想定。

●第3回:1991年(平成3)11月22日〜12月4日
 米軍側:第3海兵機動展開部隊(沖縄)約800名
  陸自側:中部方面3師団第7普通科連隊(福知山)、約700名
  ※米兵のホームビジット(一般家庭訪問)など実施。
 
●第4回:1997年(平成9)11月4日〜11月17日
 米軍側:陸軍25軽歩兵師団第25歩兵大隊(ハワイ)約480名
 陸自側:第13師団第46普通科連隊(広島)約700名
 ※連携要領の演練、物量投下訓練など。米兵は初めて定期空路で関空を利用。
 

◎公表される参加人員数には、支援隊員数が含まれていない。従って実質的な参加総数
 は公表数をはるかに上回る。
 なお、あいば野の他、11月7日から19日まで、北海道上富良野演習場でも米軍歩
 兵大隊(ハワイ)と 陸自北部方面26普通科連隊が共同演習を行う。

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99/10/09 和田喜太郎 <YRX00535@nifty.ne.jp>



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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