Date: Sun, 29 Aug 1999 23:00:57 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop06.odn.ne.jp>
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Subject: [keystone 1832] Fw: 周辺事態法の施行に抗議する声明
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 8月25日の「周辺事態法」施行に際して、中国地方の「ピースリンク」が出
した声明です。首相と各主要政党宛に出されたもの。

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                    1999年8月25日
                      声   明

  周辺事態法の施行に抗議し、
        戦争立法の廃案を強く求めます!

  本日、戦後の半世紀にわたって続いた平和主義をかなぐり捨てる選択
が行われました。十分な審議を経ることもなく可決・成立し、日本列島
全体を米軍の兵たん基地として差し出すことを意味する周辺事態法が施
行されたのです。日本は、21世紀へ向けて最悪の選択をしようとして
います。国民の無関心さがその動きを助長していることを強く危惧しま
す。この柱は、自衛隊に戦争中における海外での作戦行動を可能にさせ、
同時に自治体や民間に戦争協力を押しつけることです。戦争立法とも言
えるものをつくることで、戦後の半世紀に渡って決して踏み込むことの
なかった「戦争ができる国」という領域へ、大きな一歩を踏み出したこ
とは21世紀のグロテスクな日本の姿を想起させます。このようなこと
が、憲法の枠内で行なえるはずはなく、明文改憲への大きなきっかけに
なることを強く危惧します。折しも、同じ国会では、「憲法調査会」と
称した改憲への胎動が始まり、戦争国家体制にとって不可欠な「盗聴法
(断じて「通信傍受」法ではありません)」「国旗・国歌法」などが矢
継ぎ早に成立したのです。

  しかも、審議の中で自衛隊が海外での作戦行動に出ていける根拠が、
安保条約のどこにあるのかは一切明らかにされませんでした。地方自治
体や民間への戦争協力を要請し、依頼できるという条項に関わる審議も、
具体的内容にはいることなく、形式だけのものでしかありませんでした。

 多くの自治体が、法案に盛り込まれている「地方公共団体などの協力
については、その内容如何によっては、住民生活や地域経済活動などに
少なからぬ影響を及ぼすおそれがある」と考え、具体的な情報提供、地
方公共団体の意見聴取、その意向の尊重を再三政府に要請してきていま
す。7月に入り周辺事態法への自治体協力に関するマニュアル案が示さ
れましたが、依然として「地方公共団体への協力の具体的内容が明らか
にされているとは考えがたい状況です。この問題に関する国と自治体と
の討議が十分行われた形跡はありません。ましてや国民に対しては未だ
に何の説明もないままです。法律が施行されれば直に影響を受ける当事
者の意向が無視されたまま、法律が作られていくという構図には民主主
義、主権在民の精神はありません。

  法の成立で最も姿を変えたのは、自衛隊です。例えば、呉の海上自衛
隊は、6月から8月にかけて、自衛隊発足以来初めてのことを矢継ぎ早
に行いました。まず揚陸艦「おおすみ」が7月初め、北海道大樹町の海
岸で「北方機動特別演習」の一環としての強襲上陸用舟艇LCACを使
って初の戦車揚陸訓練をし、直後の11〜14日には、呉基地に寄港し
た在日米海軍佐世保の揚陸艦「フォート・マッケンリー」と初の日米共
同「輸送訓練」としてLCACの運航やヘリコプタ ーの甲板への発着の
訓練を行っています。さらに毎年、広島湾沖で行っている呉地方隊の展
示訓練を17−18日、大阪湾で開催し、関西圏の市民を軍艦に乗せ、
軍事行動を見せているのです。そして8月2−8日には、韓国海軍との
初の捜索・救難共同訓練を東シナ海で行い、呉基地からは護衛艦「せと
ゆき」が参加し、第四護衛隊群司令が海自側の統制官を務めました。そ
の上、来年度要求として海上警備行動での不審船立ち入り検査を任務と
する「特別警備隊」を江田島に設置するとの構想も浮上しています。今、
自衛隊は、これまでうずうずしていたものを、堰を切ったように実行す
る体制に入っているのではないでしょうか。

 このような自衛隊の動きは、非常に危険ですが、その動きを可能にさせ
たのは、他ならぬ、周辺事態法などガイドライン関連法の成立という状
況です。自治体や民間をも巻き込んで、国をあげて戦争協力を選択する
戦後初の法律が、ほとんどまともな審議も経ずに成立し、今施行された
ことに対して、法案に賛成した各政党に強く抗議します。

  私たちは、法律はできても、戦争に協力することは、国民の本意では
ないと言う世論を作り続けることで、一度も発動されない法律にしてい
くよう全力をそそぐ所存です。おりしも、5月のハーグ会議では、日本
の平和憲法こそ21世紀の世界をリードする普遍性を持った理念である
ことが確認され、平和憲法を世界に広げることこそ今求められていること
が宣言されました。その同じ時に、日本は、自らが選んだ平和憲法を事
実上、放棄するに等しい選択をしたわけです。この時代に対する判断力
のズレこそ、日本の政治が国際的な感覚を持っていない証拠なのではな
いでしょうか。
  私たちは、あくまでも戦争立法の廃案を求め続けます。ましてや、こ
の先に控えている有事立法など考えるべきではありません。政府や各政
党は、憲法9条を基本にすえて、世界にこの平和憲法を広げていくこと
に尽力していただけますよう心から要請するものです。

      入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!
29団体   ピースリンク広島・呉・岩国
  参加団体:
   アジアに学ぶ会            岩国市職労平和研究所
   カソリック正義と平和広島協議会  共育・共生を進める広島連絡会議  
   呉教育労働者研究会         呉YWCA79女たちから
   8.5広島集会世話人会           芸南火電阻止連絡協議会  
 原水爆禁止広島県協議会(広島県原水禁) 原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会 
   公害をなくす三原市民連絡会   在日韓国青年同盟広島県本部
   更紗の会              市民運動交流センター福山 
   従軍慰安婦問題を考える会・広島 ストップ・ザ・戦争への道!ひろしま講座
   広島YWCA           差別は許さん!私たちは行動する会 
   全国水平運動研究会        電磁波問題を考える会
   トマホークの配備を許すな呉市民の会  東チモール問題を考える会 
   広島キリスト者平和の会        広島地区連帯労働組合 
   広島平和と生活を結ぶ会      日本キリスト教団西分区牧師会
   ピースサイクル広島ネットワーク        除虫菊の会           
   憲法九条の会ヒロシマ

連絡先:トマホークの配備を許すな!呉市民の会  世話人 湯浅一郎
     呉市幸町3−1 呉YWCA気付      呉21-2414     
    岩国市職労平和研究所          代表  田村順玄
     岩国市今津町1−14−51        岩国22-1611
 

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     Masahiko Aoki
     青木雅彦
     btree@pop06.odn.ne.jp
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