Date: Sun, 15 Aug 1999 12:10:06 +0900 (JST)
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To: keystone@jca.apc.org
From: nasubi <nasubi@jca.apc.org>
Subject: [keystone 1787] 組対法・住基法:簡単な報告
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Precedence: bulk
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山谷労働者福祉会館のなすびです。

 皆さんもご存じの通り、組対法と住基法が可決・成立してしまいました。
 このかん、このメーリング・リストの本来の主旨とはやや外れるとは思いつつ、し
かし密接に関係した問題なので、国会前行動やFAXによる行動のお願いをしてきまし
た。また、その際の同報リストを使ってネットワーク反監視プロジェクト(NaST)に
よる国会動向報告も流され、一時期はkeystoneではないかのような状況になりました
。ご迷惑をおかけしました。また、注目してくださった方、これに答えてくださった
皆さん、有り難うございました。
 簡単に8/11, 12 の参院本会議での傍聴の報告をします。

 組対法に関して、野党側は10本の決議案を用意し、それぞれの趣旨説明と質疑に時
間をかけ(これは、特に時間制限は決められていない)、さらに採決では牛歩を行う
ことによって時間を引き延ばし、組対法案自体の審議に入らないうちに会期時間切れ
にする作戦でした。
 しかし、自自公は質疑時間を一人わずか10分に限定する動議を出し、それを数の力
で通してしまいました。また、参院議長(もともと自民党)が、なんと投票を途中で
打ち切り、野党議員の牛歩中に投票箱を閉めてしまうという対応に出てきました。こ
れらは、国会史上でも極めて異常なことです。こんな「何でもあり」の議事運営をす
るとは愕然としました。
 さらに、まだまだ提出された未審議の決議案があるにもかかわらず、それに先んじ
て組対法の質疑に入る動議を出され、通されてしまいました。そのために用意した決
議案で粘ることができず、法案は採決・可決されてしまいました。野党側としては、
策が尽きた、手足を縛られた、という感じでした。

 長時間・連続の牛歩は、特に年配の議員にはかなりきついものだったと思います。
投票順序で最後の梶原議員(社民)は、一番長時間立っていなければならず、腰をさ
すりながらの牛歩でした(痛々しかった)。若い共産党議員は、自民党議員の席の前
で罵声を浴びせられながらの牛歩でした。照屋議員は、投票に上がった壇上ですぐに
投票せずに、いつまでもしつこく粘り、反対の旨を発言しました(これにもヤジ)。
また、牛歩の間に福島議員はたった一人で「盗聴法反対!」とシュプレヒコールをし
ていました。

 傍聴席では、賛成・反対を意味するようなことは口にできません。また、立ち上が
っただけで衛視が制止に来るという、監視され非常にストレスのたまる中での傍聴で
す。それに比べて議員はかなり自由なことを言っていて、とりわけ自自公議員のヤジ
には呆れました。保坂三蔵議員(自民)のセクハラ発言はもとより、「同じこと言っ
てんじゃねえ!」「(牛歩の議員に対し)やる気あんのか、コラ!」「(民主党の議
員に対し)共産党に拍手されやがって」「(傍聴席に手を振る議員に)手を振るんじ
ゃねえ!」など、これがテレビ中継されていたら大変だなあというものでした(なぜ
NHKは中継しないのだ?)。
 このような自自公の横暴な議事進行や汚いヤジに対して、野党はちょっとイイ子ち
ゃんすぎると感じましたが、体力的・精神的に限界だったのかもしれません。住基法
に関しても、同じような抵抗も可能だったのではとも思いますが(会期切れまで残り
30時間)、もう困難だったのでしょう。

 なぜ各野党はもっと早く全党上げて取り組まなかったのか、本会議での戦術はあま
りに正直すぎなかったか、など、いろいろ思うところはあります。しかし、このかん
先頭で活動してきた何人かの野党議員の頑張りぶりは、本当に頭が下がるもので、次
の闘いの展望を感じさせるものでした。この反対運動では、市民・弁護士・議員など
が綿密に連携して運動を展開することができたと思います。廃案にできなかったこと
は率直に敗北として認めなければいけませんが、ここで培った連携は、弾圧への抵抗
や次の闘いに必ず生きてくると、思えるものでした。
 組対法の施行は来年春からという話が出ているようですが、サミット警備がらみで
使われる可能性もあります。
 電子メール盗聴などでは、暗号等で技術的に自衛をして、盗聴法を事実上無化して
くことも可能です。実績作りをさせず、いずれ法律を破棄するために、すぐに対抗た
めの議論を始めます。権力を持たざる者が、相互にアイディアを出し合うことで、可
能な闘いがあるはずです。様々な課題に取り組む者たちが連携し、国家による監視・
管理を打ち破っていく取り組みを始めましょう。

 今後とも宜しくお願いいたします。

ネットワーク反監視プロジェクト(NaST):http://www.jca.apc.org/privacy

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なすび<nasubi@jca.apc.org>
 山谷労働者福祉会館 活動委員会  東京都台東区日本堤 1-25-11
  電話:03-3876-7073 FAX:03-3876-1869
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