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X-Sender: kaymaru@mail.jca.apc.org
Date: Sat, 7 Aug 1999 06:43:02 +0900
To: aml@jca.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@jca.apc.org>
Subject: [keystone 1744] 日の丸・君が代:弁護士会等の声明
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国旗・国歌法案に関する弁護士会等の声明をホームページから集めてみました。

 ・日 弁 連 (99.7.14)
 ・京都弁護士会(99.7.13)
 ・横浜弁護士会(99.7.26)

 ・自由法曹団(99.6.19)
 ・日本ペンクラブ(99.7.15)

 なお、青法協の声明は([aml 13288])から以下に転載。
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/Hinokimi/appeals_1.html#Anchor3537307

 法案は、法務省(提案理由のみ)や総理府のホームページには掲載されていません
が、“「国旗・国歌」について考える女性懇談会”に法案全文(と言っても2条)と
附則、別記(日章旗の制式、君が代の歌詞と楽曲)が掲載されています。
http://www.iijnet.or.jp/c-pro/josei/chi/houan.html
 このページは「私たちの国旗・国歌を募集します」と言うことで、「国旗も国歌も
いらん」と考えるわたしには違和感がありますが……。マッド・アマノのパロディの
方が軽くていい。
http://www.smn.co.jp/JPN/gallery/amano/expo.html

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「国旗及び国歌に関する法律案」国会提出に関する会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/sengen/kaicho/1999/1999k13.htm

 政府は,去る6月11日,「国旗及び国歌に関する法律案」を急遽国会に提出した。

 「日の丸」「君が代」は,国民の間にある程度浸透していることは事実である。し
かし,過去のいまわしい戦争を想起させ,また被害を受けた諸国民に対する配慮の面
からも,国際協調を基本とする現行憲法にふさわしくないと指摘する声も少なくない

 政府は,今回の上程にあたり,「君が代」の「君」は「日本国憲法に規定された国
民統合の象徴としての天皇」であるとの新たな見解を示した。このような解釈をとる
としても,なお「君が代」の歌詞は国民主権という憲法の基本原則にふさわしくない
とする意見があることも事実である。

 また政府は,法案は「日の丸」の掲揚,「君が代」の斉唱を強制するものではない
と説明している。しかし国旗・国歌が尊重されるのは,国民的心情によるものである
べきで,法制化によって強制の傾向が強まることは問題である。

 国旗・国歌はその性質からして大多数の国民に喜んで迎えられるものでなければな
らない。今回の法案上程は,国民の間における混乱を持ちこみかねないものであり,
あまりに性急といわねばならない。

 当連合会は,国旗・国歌が現行憲法にふさわしいものとして国民的合意が得られる
よう,その法制化の要否も含めて,十分時間をかけて議論がなされるべきであると考
え,国会において格別慎重に審議されることを求めるものである。

                            1999年(平成11年)7月14日
                              日本弁護士連合会
                              会長 小 堀   樹
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日の丸・君が代を国旗・国歌とする法律案提出に関する声明
http://www.meix-net.or.jp/~kyotoben/menu01/s-05.html

 政府は、日の丸・君が代を国旗・国歌とする法律案を提出し、今国会で成立をはか
ろうとしている。

 法案では、これの尊重規定や義務規定は盛り込まれていない。

 しかし、法制化されていない現在でも、公立の小中高等学校の入学式・卒業式では
、文部省通達や学習指導要領を根拠として、日の丸掲揚・君が代斉唱が事実上義務付
けられてきている。そのなかで、反対する教職員が職務命令違反に問われ処分を受け
たり、つい先頃は、教育委員会との板挟みになった校長が自殺するという痛ましい事
件なども起こっている。

 このような状況のなかで、一方で唐突な形で法律案が提出され、他方で、法制化を
はかる目的について、政府が「教育現場に対して文部省の学習指導要領だけで根拠付
けるのには無理がある」としていることなどを考え合わせると、その法制化が、義務
化を一層押し進める結果をもたらさないかが懸念される。

 ところで、国旗・国歌であっても、その掲揚や斉唱を国民一般に義務づけることは
、愛国心の表明の強制につながり、憲法19条(思想及び良心の自由)・21条(表
現の自由)、国際人権(自由権)規約18条(思想・良心及び宗教の自由)・19条
(表現の自由)、子どもの権利条約14条(思想・良心及び宗教の自由)等が保障す
る精神的自由権の侵害にあたる。このことは、星条旗への敬礼を義務付けた教育委員
会の決議を憲法違反としたアメリカ連邦最高裁の、バーネット事件判決(1943年
)以来、確立されてきた法理である。

 公立の学校現場においても、この理は、最大限生かされるべきであり、国旗掲揚や
国歌斉唱が、教職員や生徒・児童への強制に及ぶようなことがあってはならないと考
える。

 そもそも国旗・国歌の法制化にあたっては、何を国旗・国歌とするかはもとよりの
こと、法制化すべきかどうかも含めて広く国民のコンセンサスを得て行うべきもので
あることは当然のことである。とりわけ日の丸・君が代については、歴史的な経緯や
歌詞の意味内容等から国旗・国歌とすることに疑問視する意見があるうえ、それを国
歌・国旗とすることに賛成をする国民も、直ちに法制化することについては、消極的
見解も多々見られるところである。

 当会は、日の丸・君が代を是とする立場、否とする立場を越えて、未だ十分な国民
的コンセンサスを欠いている現状の中で、義務化に法的根拠を与え、それを押し進め
ることにつながるおそれのある法制化は、すべきではないと考える。今回の法案につ
いて、十分かつ慎重な論議と検討を尽くすことを強く要請するものである。
 

                                 1999年(平成11年)7月13日
                                        京都弁護士会
                                     会長  村 山   晃
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会長声明
http://www.yokoben.or.jp/990725sei.htm

  本年6月11日、政府は、国旗は日章旗とすること、国歌は君が代とす ることを
定める「国旗及び国歌に関する法律案」を国会に提出し、同法案 は、7月22日、
衆議院において可決された。

  国旗および国歌は、大多数の国民が喜んで迎え入れ、心から尊重できる ものでな
ければならない。したがって、どのような旗あるいは歌を国旗・ 国歌とするか、ま
た、これを法律によって定めることとするかについて は、多くの国民のコンセンサ
スを得て決すべきことであることは言うまで もない。

  しかるに、今回の「国旗及び国歌に関する法律案」の上程は、極めて唐 突であり
、これに対する国民各層の様々な意見が巻き起こっているなか で、十分な審議を経
ることなく、衆議院において可決された。

  政府は、国旗・国歌の法制化の理由として、慣習として定着しているこ とのほか
、諸外国にも成文法化されている国のあること等をあげている が、法制化されてい
る国においてもその経緯は一様でなく、独立や政治体 制の交代など国民のアイデン
ティティの確立という必要性から法制化され た例も多い。これに対し、現在の日本
は、日本国憲法施行後50数年を経 ており、現時点において早急に、国旗・国歌の
法制化をはからなければな らない必然性はない。

  ところで、現行の学習指導要領においては、日の丸の掲揚、君が代の斉 唱が事実
上義務付けられている。国旗・国歌が法制化されれば、学習指導 要領に法律上の裏
付けがなされることになり、教科書においても学校教育 現場においても、義務の強
化につながるおそれが極めて大きいと考える。

  日の丸及び君が代を国旗・国歌とすることについては、君が代の歌詞 が、国民主
権という日本国憲法の基本原則からふさわしくないとする意見 や、国旗・国歌とし
て尊重するが、法制化することには消極的であるとす る意見も少なくない。また、
歴史的経緯から日の丸及び君が代を国旗・国 歌とすることに精神的苦痛を覚える国
民も少なからずいることも無視し得 ない事実である。国旗・国歌の法制化は、憲法
の保障する思想・良心の自 由に対する侵害の危険性が極めて強いことを指摘せざる
を得ない。

  よって、当会は、国旗・国歌の法制化については、国民的な合意が得ら れるよう
、その法制化の要否の問題を含めて十分な議論を尽くすべきであ ると考え、特に慎
重に審議されることを強く求めるものである。 

                               1999年(平成11年)7月26日
                                  横  浜  弁  護  士  会
                                       会 長   岡  本  秀  雄
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日の丸・君が代を国旗・国歌とする法案は廃案にすべきである
http://plaza10.mbn.or.jp/~jlaf/seimei/99/sei_990619_2.html

 1.政府・自民党は六月一一日、今国会に「日章旗(日の丸)・君が代」を国旗、国
歌と定める「国旗及び国歌に関する法律案」を提出した。

 君が代は天皇主権を定めた明治憲法下で天皇の統治が永久に続くことを讃える歌と
して国民に強制され、日の丸は日清戦争以降第二次世界大戦に至るまで、日本軍国主
義のアジア諸国に対する侵略戦争のシンボルとして使用されたものであり、いずれも
国民主権および非軍事平和主義を基本原理とする現憲法と相容れない。

 また、政府は、一方で侵略戦争を推進した高級軍人に高額の恩給を支給し、他方で
被爆者をはじめとする日本国民はもとより、強制連行された外国人労働者や従軍慰安
婦等の侵略戦争による犠牲者に対し、日本国政府による行為であるという事実すら認
めないばかりか犠牲者が受けた被害の補償を拒んでいる。このようにアジアに対する
侵略戦争を真摯に反省しようとしない政府・自民党が、日の丸・君が代を国旗・国歌
と定めようとしている。このことは、侵略戦争の被害国であるアジア諸国民の強い反
発を招き不信を買うものであると同時に、国際社会において名誉ある地位を占めるこ
とを目指している憲法の国際平和の理念にも反する。

 とりわけ、今国会で成立した新ガイドラインー戦争法のもとで、日本の軍事大国化
と日の丸・君が代の法制化とは一体のものとしてすすめられることは見過ごすことが
できない。日の丸・君が代を国のシンボルとして再び権威づけることにより、国民を
戦争体制に駆り立てる道具として利用するための法案といわざるをえないのである。
 

 2.国旗・国歌の強制は憲法が保障する思想・良心の自由を侵害するものであり、憲
法違反である。

 政府は法案の提出にあたって、日の丸・君が代を強制する条項を規定しておらず国
民に強制はしないという。

 しかし、これまでも日の丸・君が代が法的根拠を持たないにもかかわらず、政府は
「学習指導要綱」を根拠に教育現場において日の丸の掲揚、君が代の斉唱を強制して
混乱を招いてきた。本年二月には広島県の高校の校長が卒業式での日の丸・君が代の
問題を巡って自殺に追い込まれるという痛ましい事件まで発生している。そして、日
の丸・君が代を強制した事実について政府は何ら反省もしていない。

 このような経過に照らすと、法制化によって公務員に課せられている法律遵守義務
を根拠に、これまで以上に公務員個人の思想・良心を無視して日の丸・君が代の掲揚
、斉唱を強制するであろうことは火を見るより明らかである。政府の強制に従わなか
った公務員は懲戒の対象とされ、教育現場により一層の混乱がもたらされることにな
る。また、公務員が日の丸・君が代を強制されることにより、一般国民もあらゆる場
面で事実上強制から免れられなくなる。

 3.政府・自民党は日の丸・君が代が国民に定着しているなどと説明している。しか
し、法案についてのNHKの世論調査結果によれば、法案に反対及び賛成出来ない人
が合計四八%にのぼり賛成を上回っている。これをみても国民に定着しているなどと
はいえない。これまで法律家や教育関係者などをはじめ各界の人々が日の丸・君が代
に強く反対してきているという事実もある。

 日の丸・君が代を国旗・国歌として法律化することについて国民の間で何らの議論
を経ず、今国会の会期末に突然法案を提出した点からみても、国民に日の丸・君が代
を法律化してこれを強制し、新ガイドラインー戦争法の具体化を推進する狙いがある
ことは明らかである。

 憲法の国民主権と非軍事平和の基本原理に反し国民の思想・良心の自由を侵害する
日の丸・君が代を国旗・国歌とする法案は廃案にすべきである。

                                 一九九九年六月一九日
                                 自由法曹団常任幹事会
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「国旗・国歌」の法制化についての意見書
http://www.mmjp.or.jp/japan-penclub/seimei.html

 政府は国旗・国歌を定める法案を衆議院に提出、今国会での成立を急いでいます。
そもそも小渕内閣は当初、法制化は考えていない、と言明していたにもかかわらず、
いわゆる自・自・公協力態勢のもと重要法案がつぎつぎと通っていくなかで、突然、
今国会での法案提出は政党間の取引の印象が拭いえません。

 日本ペンクラブではこれまで一九八九年、九四年と、日の丸と君が代を強制するこ
とに反対する声明を発し、この問題に強い関心を示してきました。今回の国旗・国歌
法案には罰則規定はありませんが、法制化が強制へと作用する怖れは充分考えられま
す。

 日の丸と君が代を法制化することについて、必ずしも国民的合意を得たものとは言
いにくく、性急に結論を出すべきではなく、またその必要もないと考えます。したが
って今国会での成立が既定の路線のごとく進められることに反対の意を表明します。

      1999年7月15日
            社団法人 日本ペンクラブ
            会長 梅原 猛

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・日の丸・君が代 関連資料
http://www.jca.apc.org/~kaymaru/Hinokimi/kihi.html
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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.apc.org
 2GO GREEN (JCA-NET)
 http://www.jca.apc.org/~kaymaru/2GG_JCANET.html



 
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