Date: Sun, 13 Jun 1999 15:42:58 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1562] 北海道「北方機動演習」
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 「すべての軍艦船を平和の船に!『おおすみ』を廃船にするためのネットワ−ク」で
は、北方機動演習について、6月9日北海道知事に公開質問書を提出。

 6月2日に演習内容がマスコミで報道されましたが、防衛庁が発表したのは6月3日
。道庁に連絡が入ったのは6月4日です。道庁がようやく腰をあげたのが8日。それも
まだ相談の段階。しかも演習をしてもいいから金をくれという色気をのぞかせた姿勢。
住民の安全を真に守るものではない。

自治体・民間への「協力」の強制については不明。

 昨年に比べて、人員、演習規模が拡大され、実戦に近い演習になっていますが、その
情報は格段に遅く少なくなっています。
 北部方面の回答では、今回の演習の費用は5億。その使い道は自衛隊の思いのまま。
 住民の生活のなかに踏み込んでおきながら演習でさえも秘密にする。有事を意識して
いるのは明らか。
 
 石狩港新港は道が管理する港。苫小牧港は市と道が管理。
 
なお
陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)で今月中旬から実施される在沖米海兵隊の155ミ
リりゅう弾砲実弾砲撃演習に参加する海兵隊員のうち先発隊十五人が六月八日、民間定
期便で東京・羽田空港に到着。
   九七、九八年の宮城・王城寺原演習場での演習では仙台空港から、ことし二月の大

・日出生台演習場での演習では大分空港から後発隊二十人から三十人が、民間の定期便
で沖縄へ。米軍が部隊の移動のために定期便をふくめ、さまざまな形で民間航空の軍事
利用を拡大していることを示してる。(6月9日「しんぶん赤旗」)

以下「北海道新聞」6月4日及びオンライン版6月3日、「朝雲」6月10日より

 磯島恒夫陸上幕僚長は三日の会見で、陸上自衛隊の北方機動演習を、二十三日から七
月二十九日まで、矢臼別演習場(根室管内別海町など)や浜大樹演習場(十勝管内大樹
町)などで行うと発表。(明らかになったのは2日)

 計画では東北方面隊から第六師団(山形東根市)を中心に約四千百人、車両約千二百
両、火砲十四門、戦車二十二両が参加するほか、輸送支援などで陸上自衛隊の護衛艦や
輸送艦など十二隻、航空自衛隊の輸送機など約百機が参加。

 矢臼別演習場では七月三日から二十二日まで戦闘訓練などを実施。
戦闘団の検閲を含め、師団規模の演習など。空自の戦闘機も仮設敵機として参加し、東
北地区ではできない広い地域を利用した訓練。
浜大樹演習場では同二日から四日まで海自輸送艦「おおすみ」(八、九○○t)や「お
じか」による陸自隊員や車両の揚陸訓練。

 搭載する輸送用エアクッション艇(LCAC)を使った揚陸訓練では、初めて90式戦
車の積み下ろしを行う。沖合から戦車などを「おおすみ」のエアクッション艇で揚陸。
「おおすみ」搭載の輸送用エアクッション艇(LCAC)を使った訓練は昨年は一日だ
けだったが、今年は三日間とも実施。

 昨年の揚陸訓練では陸自のトラックや救急車など六両を陸揚げしたが、陸自車両では
最重量(五十t)の同戦車の積み下ろしを実施することで、「おおすみ」の有用性を再
確認することが狙いとみられる。昨年よりも実戦を想起させる訓練内容。

6月9日北海道新聞

 在沖縄米海兵隊実弾砲撃訓練が行われる矢臼別演習場周辺の四町と道でつくる関係機
関連絡会議が八日、札幌市内で開かれた。夜間訓練については、引き続き中止を求める
一方、実施する場合は日数や時間を短縮することなど、昨年と同様の要望事項を国に求
めていくことで一致。道は今月中にも要望書をまとめ、札幌防衛施設局に提出予定。

 連絡会議には真田俊一副知事と根室管内別海町、釧路管内厚岸、浜中、標茶の三町の
各町長が出席。
 要望事項は夜間訓練のほかに1)矢臼別での訓練が固定化されないよう在日米軍基地の
整理縮小に国が努力する2)訓練に伴う情報の事前通知3)規律維持に万全を期す4)住宅防
音・移転事業の区域の早期設定―など。

 夜間訓練は一九九七年は六日間だったが、昨年は八日間に増え、地元の要望とは逆に
固定化につながりかねない状況。堀達也知事は二期目の公約で「夜間訓練が中止されな
い場合は、訓練自体の中止を国に求める」ことを掲げているが、これまで国や米軍に対
し、道民にわかりやすい形で中止を求めたことがない。

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(お知らせ)
平成11年度北方機動特別演習の概要について

陸上自衛隊は、平成11年度の北方機動特別演習を次のとおり実施します。

1 目的
 東北方面隊の1個師団を基幹とした部隊を北部方面区の演習場に転地させ、陸・海・
空各種手段を併用した長距離機動能力及び師団以下の訓練練度の維持・向上を図るとと
もに、海上自衛隊及び航空自衛隊との共同要領に関する練度の維持・向上を図る。

2 時期
 平成11年6月23日(木)〜同年7月29日(金)

3 場所
 東北方面区〜北部方面区(矢臼別演習場)

4 担任官
 東北方面総監 陸将 藤原 利將(ふじわら としまさ)

5演習の概要

   演習区分             時期
長距離機動演習(往路)       6月23日〜7月 2日

矢臼別演習場における錬成訓練    7月 3日〜7月22日
  戦闘団等の訓練
  師団規模の演習等

長距離機動演習(復路)       7月23日〜7月29日
演習参加部隊及び規模
  第6師団基幹
   人員:約4、100名
   車両:約1、200両
   火砲:約14問
   車両:約22両

その他
 海上自衛隊から護衛艦、輸送艦等の艦艇12隻、航空自衛隊から戦闘機、輸送機等延
べ約100機がそれぞれ参加する。

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                  1999年6月9日
北海道知事 堀達也様

       公開質問書

 1997年9月5日にアメリカ合州国軍空母「インディペンデンス」が小樽に入港し
、同月18日に陸上自衛隊矢臼別演習場でアメリカ合州国軍海兵隊の実弾射撃訓練が開
始され、その演習のさ中、同月23日に日本政府とアメリカ合州国政府は、軍事同盟を
強化する戦争マニュアル(「新ガイドライン」)に合意した。

 「インディペンデンス」は、小樽入港の途中も、小樽を出港してからも、軍事演習を
おこなった。矢臼別でのアメリカ合州国軍の演習のさいには自衛隊機が海兵隊員を輸送
し、兵器などの輸送に釧路空港や花咲港が使われた。

 1998年9月に、ふたたび矢臼別演習所でアメリカ合州国軍海兵隊の実弾射撃訓練
が強行され、本年2月14日から3月1日まで、北海道大演習場と自衛隊真駒内駐屯地
で、アメリカ合州国陸軍と日本陸軍(陸上自衛隊)との「積雪寒冷地合同実働訓練」が
おこなわれた。

 本年5月28日に、日本政府は、「周辺事態法」と「改悪自衛隊法」を公布し、「周
辺事態」における「後方支援」に地方自治体・「民間」を協力させようとしているが、
「インディペンデンス」小樽入港、矢臼別での海兵隊訓練、「積雪寒冷地合同実働訓練
」らは、地方自治体・「民間」の戦争協力の予行演習という性格も持つものであった。

 日本軍(自衛隊)は、本年も北海道で「北方機動特別演習」をおこなおうとしている
。本年の「北方機動特別演習」では、参加兵員はこれまでの2倍の約4000人にふや
され、攻撃用強襲上陸艦「おおすみ」と戦車輸送船「おじか」による兵員・戦車の上陸
演習がおこなわれようとしている。さらに、今回の「北方機動特別演習」の期間中、網
走港、室蘭港、函館港、十勝港、石狩湾新港、小樽港、苫小牧港に、日本海軍大湊地区
の艦船が入港し、とくに石狩湾新港と小樽港には、7月10日、11日に多数の艦船が
入港するという。

 わたしたちは、1998年4月にも、1998年9月18日にも、1999年2月8
日にも、地方自治体の長である北海道知事に、
 「北海道における日本軍およびアメリカ合州国軍のあらゆる軍事演習に反対し、いっ
さい協力しないこと、さらに『おおすみ』などの攻撃用武器をただちに廃棄することを
日本政府に要求すること」
を求めた。

 わたしたちは、このことをよたび繰りかえして北海道知事に求めるとともに、今回の
「北方機動特別演習」などに関して、つぎのことを質問する。
 

 1999年6月16日までに、回答していただきたい。

1、今回の「北方機動特別演習」がおこなわれることは、いつ、どこから、どのような
経路で北海道知事に伝達されたか。

2、今回の「北方機動特別演習」の日程、演習内容、目的の詳細を、北海道知事はどの
ようなものとして把握しているか。

3、とくに、今回の「北方機動特別演習」では、日本海軍(海上自衛隊)最大の攻撃用
艦船「おおすみ」搭載のLCACで、日本陸軍車両最大の90式戦車の積み下ろしが実
施されるようであるが、その訓練内容の詳細を調査し、明示していただきたい。

4、今回の「北方機動特別演習」に直接関係する市町村はどこどこか。北海道庁は、そ
れらの関係市町村と、今回の「北方機動特別演習」にかかわって、どのような内容の連
絡をしているか。

5、今回の「北方機動特別演習」の期間中、網走港、室蘭港、函館港、十勝港、石狩湾
新港、小樽港、苫小牧港らに入港する日本海軍艦船の詳細を調査し、明示していただき
たい。

6、今回の「北方機動特別演習」の経費・その内訳を調査し、明示していただきたい。

7、本年2月に、日本政府は、「周辺事態法案」などで規定している地方自治体の長や
民間業者などに日本政府が要請する軍事協力・依頼にかんして想定される10項目を、
関係地方自治体に文書で例示したが、その後、どのような関連文書が日本政府から提示
されたか。

8、北海道知事は、外国軍艦船が北海道の港湾に入港しようとするさい、事前に核兵器
積載していないという証明書を提出させる条例(「非核平和港湾条例」)の制定を、知
事として積極的におこなう用意があるか。

9、北海道知事は、本年9月にみたび強行されようとしている矢臼別演習所(別海町、
浜中町、厚岸町内)でのアメリカ合州国海兵隊の実弾射撃訓練に反対し、兵員・武器・
弾薬・車両などの輸送における港湾・空港の使用をふくむいっさいの協力を拒否する準
備があるか。

   すべての軍艦船を平和の船に!「おおすみ」を廃船にするためのネットワ−ク
                         連絡先  谷 百合子



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

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