Date: Sun, 30 May 1999 19:35:24 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop06.odn.ne.jp>
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Subject: [keystone 1509] Re: [aml 12426] 非防守(無防備)・非核ネットワ−ク
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At Sun, 30 May 1999 01:04:44 +0900
加賀谷さん wrote:

> 北海道からのよびかけです。
> 北海道で新ガイドライン関連法案破棄を訴えて座込みを続けた仲間が「非防守(無防
>備)・非核ネットワ−ク」を立ち上げ、アクションのよびかけをしようと集会を企画し
>ました。
> 大阪泉南市の市議、小山広明さんが非防守のシ−ルを作ろうと提案されたことをきっ
>かけに、世界共通の非防守ステッカ−を作ろうと取り組むことになりました。
> 

 民間人の戦争協力を「義務」とした周辺事態法の成立で、その逆のベクトル
として注目されるようになった戦争非協力のこのジュネーブ条約追加議定書
(第1)についてなのですが、御存じのように日本はまだ署名していません
(北朝鮮は署名)。そこで幾つかの質問ですが、ご存じの方は教えてください。

(1)現在のところの署名国はどこで見つけられますか。
(2)最近外務省に電話した人の話では、この第1議定書署名に関して「今検
      討中」とのこと。日本の政府や国会でこれがどのように議論(あれば)
      されてきたか、どこで読めますか。
(3)軍事評論家の林茂夫さんなどが、この議定書に基づく「無防備地域宣
      言」運動を提唱されているようですが、私は入手しておりません。現在
      でも絶版にはなっていないのでしょうか。日本語の文献をご教示くださ
      い。
(4)この「無防備地域宣言」あるいはopen city* を宣言している地域、あ
      るいは運動を紹介しているサイト(海外ということになりますが)を御
      存じならば教えてください。

*open city    a city which is a military objective but is completely
demilitarized and left open to enemy occupation in order to gain
immunity, under international law, from bombardment and attack
(Webster's New World Dictionary)

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 それと関係のある話しですが、
 周辺事態法で自分に関係のない戦争にも参加「できる」ことになった日本で
すが、更に進んで有事法制も「整備」されると、戦争強制国家になるわけです。
個人の良心が問われる時代になってきました。アメリカのように毎晩爆撃をや
らないと夜も寝られないような国家でも一応conscientious objectors(良心
的兵役拒否)の存在は認められています。
 ただこのconscientious objectors(良心的兵役拒否者と訳されるが、徴兵
拒否だけでなくもう少し広い戦争拒否の意味を含む)たちは、アメリカでは
(他の国と同じく)戦争のための税金拒否までは認められていません。

 去る5月10日に、戦争税拒否の運動を続けるthe National War Tax
Resistance Coordinating Committeeが出した声明(以下に全文)
http://www.nonviolence.org/wtr/pr0599b.htm
は、米−NATOによるユーゴ空爆のための税金を支払うことを拒否するよう
呼び掛けています。何しろ米議会はペンタゴンへの爆撃特別予算130億ドル
を検討しているのですから。この声明では、自分たちの税金を殺人でなく、難
民やユーゴの貧しい人に向けるように求めています。アメリカでこのように軍
事費拒否の運動を進めている人たちの試算では、納税額の約半分が軍事費に費
やされている。イラクでもユーゴでも爆弾を雨のように降らせないと、余って
余ってしょうがないというのも分かります。

 昔古代ローマで公衆便所に課税しようとして反対された帝王が、「それは臭
わない」という論点ずらしの名言を残していますが、確かに課税は一括なので
技術的には誰の金がどこに使われたか特定するのは困難です。日本でも今年の
3月、米軍「思いやり」予算の税金を返せという訴訟が大阪地裁で門前払いさ
れたとおりです。
 しかしアメリカでは軍事費に税金を払わない運動はずーと続けられており、
議会へのロビー活動も盛んで、これに同調する議員もいるようです。またこの
ような行動は、目に見える具体的な非暴力の戦争非協力行動として意味があり
ます。この声明も、賛同者を募って全米に署名用紙が回っているようです。
National War Tax Resistance Coordinating Committee の連絡先は以下です。
PO Box 6512, Ithaca, NY 14851. (800) 269-7464.
Email: nwtrcc@igc.apc.org.

 アメリカの良心的軍事費拒否運動については、上記非暴力のページ
http://www.nonviolence.org/
などから見てください。
 なお良心的兵役拒否など、非暴力による戦争への抵抗運動の実戦と理論に関
しては、
http://www.pgs.ca/pages/nonviol.htm
が様々な文献を紹介しています(まだこのHPを見た人が400人ほどなのが
悲しい)。日本はまだまだ全体主義の国家で、いざ戦争が始まると抵抗するの
は頭で想像するほど簡単ではないでしょう。理論と感性を補強するためにこう
いう文献が必要です。日本語ではこういうページはないのでしょうか?
 

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     Masahiko Aoki
     青木雅彦
     btree@pop06.odn.ne.jp
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