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Date: Sat, 10 Apr 1999 22:24:54 +0900
To: aml@jca.apc.org
From: 1tsubo Kantoh <hankach@jca.apc.org>
Subject: [keystone 1298] 米軍用地特措法再改悪反対・集会決議(4/9)
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 昨日(4月9日)シニアワーク東京で行われた沖縄一坪反戦地主会関東ブロック主
催「米軍用地特措法の再改悪を許すな! 土地の取り上げ放題はいや!4.9集会」
の決議です。
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Tokusoho/990409app.html

 講演内容に関しましては、松島暁弁護士からインターネット公開用の資料が届き次
第メイリングリストに流す予定です。乞うご期待。

 なお、集会に先立ち関東ブロックと防衛施設庁との会合がもたれました。
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Tokusoho/990409-0.html
 その場でいくつか重要なことが判明しましたので、合わせて報告します。

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             集会決議

 3月26日、地方分権一括法案の一環として、米軍用地特措法の改悪案が閣議
決定され、29日に国会に提出された。私たちは、この暴挙を満腔の怒りをも
って弾劾する。

 米軍用地特措法は、97年4月、反戦地主達への逮捕弾圧の中で改悪が強行さ
れた。強制使用の期限がきれた後でも収用委員会で審理中であれば「暫定使
用」が許される、さらには収用委員会が却下裁決を下しても不服審査を建設
大臣に申したてれば、これも「暫定使用」として強制便用ができるという、
許すことのできない改悪であった。

 今回の改悪は、ひとつに、米軍用地の確保のために国家の権限を大幅に拡
大し、自治体の法的低抗の手段を一切奪うというものである。ふたつに、前
回の改悪ではカバーしきれない強制使用を、「緊急裁決」「首相の代行裁
決」として強行していくものである。これまでの法体系を踏みこえて、使用
認定から裁決までを国家がとり行うという、問答無用の土地強奪である。

 防衛施設庁は、私たちの抗議に対して、「安保条約の義務履行に直接関わ
る面は地域社会・住民生活の利害と相反する」と認め、これを追求されると
「住民の理解が得られない場合、国に権限を集中することもご理解願いた
い。地主の方には手厚く慎重な手続きを行なう」と言い放った。私たちは、
「手厚く慎重な手続き」であろうとなかろうと、基地のためには一坪たりと
も土地は提供しない。まして施設庁は、一度でも「手厚く慎重な手続き」を
したことがあるというのか。

 沖縄では、普天間基地や那覇軍港の「返還」に乗じた新たな基地の建設・
強化が強行されようとしている。基地の県内移設を許さない声と闘いがまき
おこっている。今回の改悪は、沖縄の闘いをおしつぶし、反戦地主をはじめ
とした反戦・反基地の闘いを封じて、基地の存続・新設を強行しようとする
ものだ。同時に、ガイドライン関連法案の今国会成立をはかりながら、これ
と一体のものとして、「有事」を想定した土地接収へと道をひらく攻撃であ
る。

 私たちは、この米軍用地特措法の再改悪を断じて許さない。反戦地主たち
と固く連帯し、闘いを強化・拡大し、今国会成立阻止へむけて全力で闘うこ
とをここに決議する。

                                             1999年4月9日
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 防衛施設庁との会合で明らかになったこと:

 ・これまで基地として使用している土地(“認定土地等”)は現行法通り
  裁決が出るまで暫定使用する。
 ・新規の土地(“特定土地等”)については緊急裁決ができる。

 つまり、現在使用中の米軍基地については現行法通りで、この再改悪は実質的に新
規土地使用・収用の緊急裁決を目的としている。

 ・日米新ガイドラインを想定して立案したものではないが、周辺事態法が
  成立すれば、米軍の要求で新規土地使用・接収ができる。

 米軍が後方支援の必要性から港湾施設などを要求とすれば、適用できるわけだ。た
とえば、那覇軍港を移設して浦添に軍港を作ったり、海上ヘリ基地が頓挫したので、
陸上の基地を作る場合には、新規に緊急裁決で収用・使用が可能となる。

 要するに、米軍が要求すれば、最短6ヶ月くらいで新規の基地用地が取得できると
いう、すさまじい法律です。これが、地方分権一括法案475本の中に隠れている。

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 さらに、米軍用地特措法とは直接関係しませんが、自衛隊の基地用地について以下
のことが判りました。愕然。

 防衛施設庁の見解(内閣法制局の見解でもあると言っていた)では、土地収用法第
3条31(下記)により自衛隊基地としての収用・使用が可能だとのこと。自衛隊は「
軍隊」ではないから。

 旧土地収用法(1900年制定)の第2条に、どのような公共の目的に土地収用が出来
るかという事業が並べられている(順序に注目)。

    1.国防其ノ他軍事ニ関スル事業
    2.皇室陵墓ノ営建又ハ神社若ハ官公署ノ建設ニ関スル事業
    3.社会事業又ハ教育若ハ学芸ニ関スル事業

 この旧土地収用法は、1951年に全面改定され、現在の土地収用法となった。その提
案理由が衆参両院の建設委員会で説明されたが、そこでは「今の土地収用法を見てみ
ますと、国防軍事に関する事業、皇室の墓の建設と神社の営建、この三つは明らかに
憲法に違反する事業ですので、廃止又は削除いたします」と述べられている。

(『日本国憲法 平和的共存権への道(星野安三郎・古関彰一、高文研)』から)

 提案理由で明確に否定されたことが、第3条31の解釈でひっくり返っていたとは。
 

 参考

    ・沖縄「特別立法」の危険性と違憲性(星野安三郎)
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/Appeals/Hoshino.html

   ・土地収用法
       第3条(土地を収用し、又は使用することができる事業)

       土地を収用し、又は使用することができる公共の利益となる
       事業は、次の各号の一に該当するものに関する事業でなけれ
       ばならない。

       (中略)

       31 国又は地方公共団体が設置する庁舎、工場、研究所、試
       験所その他直接その事務又は事業の用に供する施設

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 沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック hankach@jca.apc.org
http://www.jca.apc.org/~sei-u/hitotsubo_kanto/index.html

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