Date: Sat, 03 Apr 1999 22:09:16 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1268] 秋田県知事回答せず
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 秋田県知事に「周辺事態法」に際して「国が国以外の者に対して求め、または依頼す
る協力の内容」10項目は、私たちの生活に広く密着した問題なので、これに対し、自
治体の長としての姿勢を明らかにしていただきたく、知事に「質問書」をさしあげまし
た。しかし明らかな「回答」をしていただけなかったので、「回答」を求める「要求書
」を3月23日に提出しました。4月2日午後、秋田県人事課から電話があり、同様な
質問に対しては同様な回答しかできないので、私の「要求書」に文書では答えないとの
連絡がありました。つまりは「回答」はしてもらえなかったわけです。

 以下はその時のやりとりです。
 公開質問に関することですから、人事課とのお話も公開する旨を申し上げたところ、
知事の回答は先のもの以上ではなく補足説明ではない、話の受けとめ方には違いが出る
とのことでしたので、会話の内容を再度確認をしました。
( )内は私の聞き取りメモで特に確認をとっていないところです。
 人事課の言うには、内容は、私の恣意的な誘導質問から出たやりとりでしかないとの
こと。「あなたより上手ではないわ」

1、政府に対して、全国知事会を通して法案の説明、情報提供を求めていたが、3月末
に説明があった。本県にも「許認可」を求める建物、設備はありえると把握しているが
、あくまでも「例」であるので今時点では具体的にはわからない。

2、外交、防衛に関しては国の専権事項であるが、空港・港湾の管理権は県にあるので
、県の管理する空港及び港湾の米軍による使用について協力要請された場合、状況と内
容に応じて個々に判断する。その前提として、県民の議論をふまえての判断がある。

3、「国が、国以外のものに求め、または依頼する協力」10項目の内容については、
法案が審議中でもあり、注目はしているが、これに関する具体的な調査は行っていない
。これから調査するかどうかはわからない。

4、国が民間に求める協力は、民間で判断すべきことで、県が直接係る立場にはない。

5 自治体協力を「正当な理由」で断った場合は、合法であるかぎりは制裁措置はない
と受けとめている。「正当な理由」とは、たとえば病院で空きベットがないなど物理的
な事情がある場合など。
  政府から求められる協力は、自治体の持っている権限に対してなされるものである
ので、弾薬輸送などのケ−スは考えられない。(県は運送業をやっていない)

6、「周辺事態法案」を知事として撤回を求める状況にはない。<とまではっきりは言
えないがというニュアンス>(国民が国に直接求めること。)
 県では非核・平和の誓いをしていることであり、広く県民の議論をふまえ、「県益」
について慎重な検討を行っていきたい。
 県の管理する港湾関係、医療関係者からの「政府が求める協力」に関する不安につい
ては具体的に把握していない。(少なくとも県職員からはない)
 14議会の「周辺事態法案」に反対する意志を無視するわけではないが、あくまでも
議会の決議であって、各市町村長の意志は把握していない。(全議会が反対しているの
ならいざしらず、一部の県民からの声はあるが、撤回の意志を示すほど多くはない。)
  特に県民に対して、組織的に意見を聞くようなことはしていない。今後どうするか
はわからない。

以上です。

 わたしは、要求の際、「協力」の内容について、資料として「新しい日米協力のため
の指針」の別表に「周辺事態における協力の対象となる機能及び分野並びに協力項目例
」40項目があると申し添えたのですが、「40項目? 指針にですか? ちょっと待
ってください。ああ、ありますね」と。
 県が管理する病院・空港は知っていましたが、港湾については正確な港をご存じあり
ませんでした。
 「周辺事態法案」に反対しているのが多数ではないといいたい様子でしたが、同法案
に賛意を示す声は聞いていないとのこと。県内でも戦争協力を拒否するデモや集会や署
名活動がされていますが、その声は県庁には届いていないのでしょうか。

 「県民の意図するところ」をいまだ見極めていないからという逃げの姿勢で終始した
というのが、私の印象です。国から「協力」を求められたら、自治体は断れないだろう
という心根のあらわれかもしれません。
 県民の安全が脅かされるような国への「協力」は拒否できるのか伺いましたが、でき
ると明確にしてはもらえませんでした。私がどのような場合安全を脅かされると言って
いるのかわからないとのことでした。質問書でもお伝えしたつもりですし、実際各地で
危険な事故がおき、その恐怖は現実のものになっているのですが。3月29日にも、青
森県三沢基地のF16戦闘機2機が、吹雪で視界不良だったとして、海上自衛隊八戸航
空基地に、緊急着陸しています。

 「新しい日米協力のための指針」は「国民的合意」があって成立したものではありま
せん。その実行性を確保する「周辺事態法案」が成立すれば、政府はいつでも戦争をす
ることができるし、住民は意志如何にかかわらず参戦させられます。しかし政府ばかり
ではなく、県政も、憲法で保障されている戦争への協力を拒否する住民の権利を奪おう
としています。
 
  知事が県民の「安全・健康及び福祉を保持する」のは、法に定められた自治体の長
の責務です。時々の情勢や思想心情などによって左右されるものではありません。私た
ちの平和的生存権も同じです。しかも各議会が、「周辺事態法案」に反対の意志を示し
ているのです。
「勘違い」しないでほしいです。



 
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