Mime-Version: 1.0
Date: Thu, 1 Apr 1999 03:25:57 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 1257] [aml]自衛隊の「海上警備」行動、NATO空爆について抗議文
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1257
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

   (from 『オルタナティブ運動情報メーリングリスト』 改行位置等若干変更)
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 Date: Thu, 1 Apr 1999 02:42:12 +0900 (JST)
 From: YOSHIKAWA Yuichi <yyoffice@jca.ax.apc.org>
 Subject: [aml 11652] 自衛隊の「海上警備」行動、NATO空爆について抗議文
 

 「市民の意見30の会・東京」では、自衛隊の「海上警備」行動、およびNAT
Oの空爆について抗議する以下のような声明を発表、機関誌『市民の意見30の
会・東京ニュース』(明2日に発送)に掲載しますので、お知らせします。
 

自衛隊初の実弾射撃とNATO軍のユーゴ攻撃について
――どちらも言語道断な"火遊び"――
 市民の意見30の会・東京

 前号の『ニュース』に米英軍によるイラク爆撃に抗議する緊急の声明を載せたのに続き、今回も締めきりギリギリのときに、重大な事件が立て続けに起こされ、またも緊急な抗議と警告の声明を掲載せざるを得なくなった。これはともに実に空恐ろしくも、悲しむべき事件である。
 「北朝鮮スパイ船」追跡事件の中で、「威嚇」とはいえ、自衛隊発足以来はじめて、海上自衛艦が実弾を他国の船に向けて発射し、航空自衛隊機が他国の船に向けて爆弾を投下した。多くの識者の指摘にもあるように、このような不審な船の領海侵入はこれまでにも数々あり、今回に限ってこのような自衛隊実戦部隊による追跡と実弾使用が行われたのは、まさに国会で審議中の新ガイドライン関連法案を通過させるために、一気に世論を煽り立てようとする意図によるものであることは、きわめて明瞭である。
 日本政府がこの不審な船の侵入を米軍からの通報によって知ったのは、早くも二二日のことであり(『朝日』二五日)、その段階から政府は「有事到来」のシナリオ作成を開始したものと見られる。しかし二五日の参院外交・防衛委員会で、野呂田芳成防衛庁長官は不審船について「二一日深夜から断片的な情報はあった」とのべている(『朝日』二六日)。とすれば、担当省庁である海上保安庁に連絡したのが二三日午前一一であるから,まる二日以上も連絡しなかったことになる。政府による情報操作は歴然とすることになる。
 それを受けて、読売は「防衛法制の欠陥が露呈した」として「緊急事態に即応できる法制と態勢の整備は、国として最低限の義務である」と論じ(二五日社説)、『朝日』も「タカ派」編集委員・田岡俊次が「仮に撃沈しても外国から非難されることはない」「全く日本の主権にかかわる問題」であり、「国際法の範囲で国内法令を考える必要があるだろう」と論じた(二四日夕刊)。
 私たちは、このような、あまりにも見えすいた演出によってまで、強引に「関連法案」の国会通過を図り、有事体制づくりを急ごうとする政府の行為を、強く非難、糾弾する。
このような作為は、やがて真相を知った民衆からの強い反撃に見まわれることだろう。私たちとしては、関連法案など、新ガイドラインにもとづく戦争国家つくりに反対する行動をいっそう強めるだけである。
 一方、米軍を主力とするNATO軍によるユーゴ空爆に対しても強く批判し、その一刻も早い中止を要求する。国連の看板自体が、すでに超大国の勝手な行動への覆いになってきていたのだが、今回の空爆は、その国連安保理事会さえをも無視して行われた、国際法上でも何の根拠も持たぬ恣意的な破壊、殺人行為である。このよう事態が容認されれば、すでに前回のイラク攻撃批判の声明でものべた通り、世界は強者の武力のみが支配する無法の舞台と化してしまうことになる。解決の道はまったく別にある。交渉、説得、人道的援助、当面の人命救済措置、そして民族対立解消のための地道な社会的・文化的交流など、非軍事、非暴力の基本に徹した措置をあくまでも追求することである。武力の行使は、一部政治家と軍人、戦争関連産業の野望を満たすのみで、ただただ民衆の不幸と死をもたらすだけである。
 日本の政府が、今回もまたいち早くこの攻撃を支持したことにも、私たちは再び抗議の意思を明らかにする。日ごろ、何かといえば「国連尊重」を持ち出す日本政府が、安保理事会をも無視した米国、NATOの軍事行動を支持したことは、要するにアメリカのやる武力行使は何であろうと即座に追認するという、およそ独自の外交政策を持たぬものであることを示している。新ガイドラインの危険性はさらに明らかになったと言わねばならない。
 今回の二つの軍事行動は、ともにきわめて危険な言語道断の"火遊び"である。

 一九九九年三月二六日
 

YOSHIKAWA Yuichi 吉川勇一
yyoffice@jca.ax.apc.org
http://www.jca.ax.apc.org/beheiren



 
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