Date: Mon, 15 Mar 1999 21:53:50 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1183] 秋田県議会規則改正
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 政府自民党が中央で、いくら檄を飛ばしても、有権者と直接顔を会わせて暮らしてい
る地元の議員は、「非核条例」にまともに反対はできず、「継続審議」で逃げるのが精
いっぱいの様子。
 当地でも、「国のためなら仕方がないべ、おらだもてっぽかつぐべ」なあんて、言え
る雰囲気じゃない。

首相「あくまで(国が)協力を求めるもので、強制ではない。従って憲法に抵触しない
。協力を拒んでも制裁的な措置はない。自治体に法案への関心が高いので、引き続き説
明していきたい。」(12日衆院本会議・読売3月13日)

なんていってもいまさら、だれも信じない。もう強制してるし。実効性のない法なんか
つくるはずもない。

 秋田県では、県議会に県民から「戦争法案に反対」という声が届くのをヨカンして、
先に逃げ道を作っておこうという魂胆か、「継続」オンパレードでは、これからの地方
分権時代にカッコ悪くて恥ずかしいのか、陳情の採否を決めないという手に出ました。

 中には「珍妙」な内容の陳情もあるようですが
「一括審議となる場合もあると思いますが、必要があれば今まで通り審議しますし、状
況判断ということで。議員配布とかですね。みなさんの陳情を全然無視すると言うわけ
ではなくてですね」「今までも継続が多かったですからね、別に変わらないといいます
か。今まで通り検討させていただくと言いいますか」「今まで陳情の取り扱いを継続と
いうことであいまいにしていたのを明文化したと言いますか、どういいますか」なんた
らかんたら。

「どなたにも異論はなかったのですか」
「みんなで決めたと言うことで。選挙を前にしてあまり政策の違いを言いますと、票に
も響くとみなさん考えたようですし」

政策? そういうのがあるところはうらやましいです。こちらは顔の好みで選ぶしかな
いです。選挙活動で委員会にも出るひまもないほどお忙しいところ、失礼しました!

以下 要請書

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  秋田県議会議長 
  北林康司 様
                  要請書

【件名】会議規則の改正の見直しを求めます。

【要請趣旨】
 この度、貴議会において、全議員の提案で、陳情の取り扱いを変更し、採否を決めな
いと会議規則を改正したとのことです。

 新聞報道によると、その理由として「他県から郵送されるケ−スも増加、地方議会の
審査になじまない内容の陳情もあるなど多様化し、議会としても責任ある対応に苦しむ
ケ−スが増えてきた」など(秋田魁新報2月25日)−ということですが、これは、議
長や、議会運営委員会が委員会への付託の段階で判断すればよいことであって、陳情を
議員配布で済ませられるような改正の理由とはなりません。

 県議会へは、圧倒的に秋田県民の生活に密着した内容の陳情が多く、それにもかかわ
らずその採決のほとんどが「継続審査」で棚上げのまま、審議未了・廃案となっている
ことこそ、問題とされるべきであって、あいまいな「継続審査」を正当化するような行
為は、規則の「改悪」であって、「改正」とはいいがたいものです。

 わたしたちには陳情権があり、地方自治法で、「常任委員会は、その部門に属する当
該普通地方公共団体の事務に属する調査を行い、議案、陳情等を審査する。(第5節・
第109条B)」と定めています。市民の安全と平和を守る責務を持つ自治体を支える
議会として、県民の意思を行政に反映していくのは議員の大事なお仕事であり、その意
思を託する手段のひとつとして陳情があります。議員の紹介が必要な請願だけでは、市
民の声を十分取り上げることはできません。これらを真剣に審議し、その是非を判断す
る責務が議員にはあります。

 また、地方分権推進法が1995年(平成7年)に施行され、その基本理念を「地方
公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図るこ
とを基本として行われるもの」とし、地方公共団体は「国の地方分権の推進に関する施
策の推進に呼応し、及び平行して、その行政運営の改善及び充実に係る施策を推進する
責務を有する」としています。

 そして、地方分権の推進に関する基本方針として、「地方公共団体においては住民に
身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から地域における行
政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきことを旨として、行われ」「地方公
共団体は、行政及び財政の改革を推進するとともに、行政の公正の確立と透明性の向上
及び住民参加の充実のための措置その他の必要な措置を講ずることにより、地方分権の
推進に応じた地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るもの」としています。

 行政に主体的な取り組みが望まれることはもちろんですが、地方分権の推進を実行性
あるものとする議会の役割と責務は、さらに重要になっています。今までのように判断
を先送りするだけでは、自主的で自立した地方公共団体の行政体制を効率的に整備・確
立することはできませんし、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現には、そのときど
きに市民の意思を真剣に審議し、その是非を判断する議会の活性化が求められます。

 今後、地方自治権はより充実されなければなりませんが、その推進に、議会のはたす
役割は大きく、わたしたちの主権は議会の姿勢によって大きく左右されることになりま
す。
 このような時代の流れのなかで、市民の意思を判断して実行する努力もなく、先延ば
しするような怠慢は今後許されず、議会の主体性が問われています。そして議員には、
一県民としての良心がさらに強く求められるものです。今までのように上からの指示を
待っているようでは、県民の主権を守り、平和で安全な施策を求められる行政を支える
議会の責務ははたせません。

  国会では今、「新ガイドライン」の関連法案が審議されていますが、この関連法案
の中の「周辺事態法案」では、自治体に、市民の日常生活をも脅かす様々な協力を要請
しようとしています。政府は協力を当然としているようですが、これはあくまでも要請
であって、「正当な理由」があれは断わることができるものです。

 県行政関係者や議員を含め県民はだれもが平和な日々の営みを願っていると思います
。それが損なわれるならば、地方自治法に定められている住民及び滞在者の安全、健康
及び福祉を保持する自治体の責務とその独立性を根拠として、自治体の積極的な判断に
よって政府の協力を「正当」に断わりうるものです。その姿勢を示すためにも、県民の
意思を議会は明確にしなければなりません。もしも貴議会が平和を願う県民の意思を「
継続審査」という形で不問にしたならば、これらの法案を制定すべく、市民の不安や批
判を無視し、なりふりもかまわず自治体に干渉してきている政府は、協力の要請を受け
入れるものと解し、法案の成立後には、自治体に市民の生命財産安全を損なう協力を求
めることは必至です。その時私たちは安全に暮らす権利を剥脱され、自治体の独立性と
議会制民主主義は崩壊します。

 このように大事な時期における貴議会の「陳情を採否せず」という規則の「改悪」は
、議会自らが、主権在民であるこの国でくらす秋田県民の主権と人権を奪い、議員は有
権者に対して背信行為をなす結果ともなるものです。

 貴議会におかれましては、昨今の情勢に鑑み、県民の意思の付託を受けた議員として
、平和行政を支える議会運営はどうあるべきかをとくとお考えいただき、今回の規則の
改正の見直しを強く要請申しあげます。
 1999年3月15日

                  〒
                  秋田県男鹿市
                      加賀谷 いそみ

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【参考】−秋田魁新報3月14日−
統一選全国世論調査より
 日本世論調査会(共同通信社とその加盟社で組織している世論調査機関)調査
(同紙では「自治体協力52%が是認」「周辺有事、反対も41%に」と題して一面ト
ップで紹介)

問4 「日米防衛協力のための新指針」、いわゆるガイドラインの関連法案が国会で論
議されています。この法案には、日本周辺で戦争や内乱などが起きた場合、出動する米
軍への地方自治体の協力が盛り込まれています。あなたは、都道府県や市町村が米軍や
自衛隊に協力することについてどう思いますか。次の中から1つだけお答えください。

 協力すべきだ              21.2(%)
 どちらかといえば協力すべきだ      30.6
 どちらかといえば協力すべきでない    23.8
 協力すべきでない            16.7
 分からない・無回答            7.7



 
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