X-Sender: kaymaru@mail.jca.ax.apc.org (Unverified)
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Date: Thu, 4 Mar 1999 07:08:40 +0900
To: aml@jca.ax.apc.org
From: "MARUYAMA K." <kaymaru@mail.jca.ax.apc.org>
Subject: [keystone 1146] Re: [aml 11329] Re;白神>F2>後年度負担
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At 4:50 AM +0900 99.3.4, Masahiko Aoki wrote:
> At Tue, 02 Mar 1999 22:15:17 +0900

>  (3)F−2の開発期間の延長
>
>     ○ 概要 10年度末の開発終了を目途としてきたが、要改善事項の判明と改
>     善に伴う試験の遅延等により、11年12月頃まで開発期間を延長する。
>
> となんか上品に書いてありますが、「要改善事項の判明」というのは実は、試
> 験飛行で、ある程度スピードを上げると主翼が振動して千切れそうになる致命
> 的な欠陥があることが分かったということなのです(ちなみに自自が成立を切
> 望している有事立法ができればこういう「国防秘密」を書くだけで臭い飯を食
> わされます)。
>  低空飛行など無理な飛び方をするまでもなく墜落するということなので大変
> です。 これだけカネをかけたのだし、アメリカと共同開発(ベースはF16)と
> いう手前、配備中止というわけにも行かない。 もうF-2を見たら防空壕に避難
> するしかない。これが「日本の安全を守るため」とは・・・トホホ

 兵器に関しては、最近改訂版が出た
『間違いだらけの 自衛隊兵器カタログ』(日本兵器研究会・編)アリアドネ企画
が参考になります。

 F2(世界一高価な支援戦闘機)については、アメリカのごり押しで共同開発する
ことになって、開発費用が「当初」見積もりで1650億円になり、「……アメリカ
側は供与技術を制限できるのに対し、アメリカが望む場合は日本の技術全てアメリカ
側に提供するという、だれが考えてもアメリカ主体の開発体制が採られることとなっ
ていた。これでは何のためか分からない共同開発であり、各国の共同開発の実状を見
てもこんな理不尽な取り決めはない。要はアメリカ側になめきられていたとしか言い
ようがない。(146頁)」とのこと。欠陥については、
====================
 しかしこの飛行試験において重大な問題が発生してしまった。それは当初の要求、
というよりFS−Xに不可欠とされた対艦ミサイル4発搭載時に超音速飛行を行うと
回復不能なフラッターが生じてしまうということで、このため原因追及が行われたが
、その詳細は明らかとなっていない。一応複合材で製作されている主翼の繊維を、織
り方向を変更することでフラッターがなくなるものと検討され、現在改修が進められ
ているものと思われる。しかし、これで解決できなかった場合には主翼の改設計が必
要になると思われ、そうなると胴体もそのままでは済まず、されに大規模な改修に発
展してしまう可能性がある。
==================

 それにしても、1機90億円近い高額な対地支援機を、100機以上装備すること
ができるのは日本以外あるまい。これが正しい選択であったか否かは一概に論ずるこ
とができないが、他国では許されることはないはずだ。(147頁)
==================

『Military Airecraft 1998/99』Gerard Frawleyにも、「The expensive Mitsubishi
F-2」と書かれていますね。また、F−16(F−2の原型)のフライ・バイ・ワイ
ヤー(fly-by-wire)に関するソースコードの提供を米側が拒否したために、日本独
自のフライ・バイ・ワイヤーによる飛行制御システムの開発をした、と書かれていま
す。なお、開発費用については「over US$3bn」となっていますから、3000億円
以上。

<フライ・バイ・ワイヤーは従来の油圧式機械的リンク機構による飛行制御ではなく
、コンピュータと連動した電子制御による飛行システム。F−16が成功?した理由
のひとつ。電線(wire)ではなく光ファイバーを使う場合は、フライ・バイ・ライト
“fly-by-light”>

>  それにしても、1機130億円という単価はずば抜けて世界1高価な戦闘機
> (攻撃機)です。外国から見れば日本の政治家や軍人は頭がおかしいと思うで
> しょう。しかも欠陥機なんだから、予算を議論する国会は何をやっているのか。
>  支払いは「後年度負担」ということで5年ローンです。頭金は数億円と楽な
> のですが、いったん発注してしまうと、政権が代わってからも払い続けないと
> いけない。
 

 後年度負担については、『防衛白書』(1998)によると、
(単位:100万円)
    数量   総額    98年度の予算額  後年度負担額
F2  9機 107,047    6      107,041

合計 48機 249,371   70      249,301

 つまり、98年度にF2を9機発注するが、頭金は600万円、のこり1070億
円はツケ。ちなみに、艦船は計14隻発注で、頭金8億8800万円、のこりは23
41億2800万円也。

 学校で「君が代」なんぞを教えてないで、若い人たちには借金の仕方・返し方を教
えないといけないのではないか?それとも「君」がまた戦争を起こしてチャラにする

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 MARUYAMA K.  kaymaru@jca.ax.apc.org
    2GO GREEN
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