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Date: Mon, 1 Feb 1999 23:03:18 +0900
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Subject: [keystone 1042] 思いやり予算訴訟・資料
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こんばんは、丸山です。
 明日2月2日、午後1時10分から東京地裁713号法廷で行われる「思いやり予
算」違憲訴訟・東京 第4回口頭弁論の資料を流します。米国の最新資料からまとめ
ました。ここに流すのは本文だけですが、傍聴者には図表入りの資料を配付する予定
です。是非傍聴においで下さい。

(文責:丸山)
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    「思いやり予算」違憲訴訟・東京
   第4回口頭弁論(1999.2.2) 配布資料

 ベトナム敗戦後ほぼ210万人を維持してきた現役米軍人数は、冷戦後急激に減少し
、97年には90年以前の2/3(140万人)となった。しかし、海兵隊に関しては第二次
世界大戦後一貫して20万人の水準が維持されている(図1)。海外に駐留する米軍人
数は、湾岸戦争後急激に減少を続け、97年には22.6万人へと湾岸戦争時の1/3にま
で減少した。しかし、ドイツなどでは急激に減少したものの、日本や韓国では依然と
して約4万人の米軍が駐留を続けている(図2)。

 70年代にはいると米国議会は同盟国の負担増を露骨に要求するようになる。1981年
のDefense Authorization Act(P. L. 96-342, Section 1006)に始まる立法措置に
よって、国防総省には同盟国の防衛負担を比較検討して議会に報告することが義務づ
けられた。1998年3月に提出された『共同防衛のための同盟国の寄与について(
Report on Allied Contributions to the Common Defense)』などの米側最新資料を
もとに「思いやり予算」を検証した。

 従来、駐留軍経費の日米の負担割合は、7:3といわれてきたが、96年度では78.3%
、つまり8割近くの米駐留軍経費を日本が負担していることが米側資料から明らかに
なった。これは、米議会が同盟国に対して2000年9月までに達成するように設定した
目標値の75%をも既に上回っている。NATO諸国の負担率は、イタリアがほぼ50%、つ
いでドイツが25%程度である(図3)。

 日本の負担率が約8割と他の同盟国を圧倒しているだけでなく、負担額に関しても
4584.61万ドルと日本はおしげもなく駐留米軍経費を負担していることがわかる。上
記報告をして「Japan maintains an enviable record of providing host nation
support and foreign assistance, ……(受入国支援と海外援助において、日本は羨
ましいほどの負担実績を続けている<斜体は引用者>、……)」といわしめたほどで
ある。駐留米軍人数が日本より多いにもかかわらずドイツの負担額は日本の約1/3
で、米軍人1人あたりにすると日本はドイツの4倍の経費を負担していることになる
。50%を負担しているイタリアは負担額では528万ドルと、日本の1/9弱にすぎない
(図4、表1)。

 さらに注目すべきは、受入国負担のうち直接支援(受入国の予算に計上される分:
労務費、光熱水費、提供施設整備費、民間の土地代など)と間接支援(予算に計上さ
れない分:税金免除分や国有地代など)の比率である。日本は、負担額のうち直接支
援額が約8割を占めている。一方、ドイツでは直接負担率が約4%、イタリアはほぼゼ
ロに等しい(図4、表1)。駐留軍経費においては間接支援額は地位協定による受入国
負担分とも言えるが、日本では、地位協定に定められていない膨大な直接支援を異常
なほどの「思いやり」で米軍に提供していることになる。そして、このことが、全世
界規模での米軍の規模縮小の中で、ひとり日本がその枠外にある大きな理由と考えら
れる。

 表2〜5は、米軍基地における厚生施設についてまとめたものである。在日米軍基地
には、ジム・フィットネスセンター、プール、夜間照明付きテニスコートなど運動の
ための建造物が多いのに比べて、日本以外の米軍基地では売店・学校・図書館などと
いう生活に密着した施設が中心であること気づく。つまり、他の同盟国がはほとんど
支出していない直接負担=「思いやり予算」によって、在日米軍基地の異常な豪華さ
が維持されていることになる。

 在日米軍基地がいかに居心地が良いかは、軍人と家族数の変化からも明らかである
(図5)。沖縄返還時において約4万人であった在沖米軍人の数は78年には約3万人に
まで減少した。同時に約2万人いた基地従業員も78年には8千人強へと半分以下となっ
た。また、米軍家族数は74年の約2万5千人から77年の1万5千人弱へと激減している。
円高ドル安の影響で、家族を連れての滞日生活が負担になったためである。しかし、
78年に始まった労務費負担により、基地従業員数はその後横這いあるいは増加に転じ
た。そして、79年から始まった提供施設整備費の日本側負担によって、施設整備の進
展と呼応するように家族数は増加し、近年では、ほぼ返還時と同数の家族が基地内の
優雅な生活を謳歌している。一方、「思いやり予算」によってその人件費が直接支出
されない現役米軍人の数は、「思いやり予算」の支出が始まってやや増えたものの、
米国の財政再建のための軍事費と兵力の大幅削減の影響で減少傾向にある。つまり、
米国内の多くの基地が閉鎖され、アジアでもフィリピンからは全面撤退し、ヨーロッ
パでも多くの米軍基地が閉鎖されているにもかかわらず、在日米軍基地は「思いやり
予算」による日本政府のおしげもない財政支援の下で維持されつづけている。

 在日米軍基地内における施設は米国の生活水準に合わせているという従来の説明は
、海外の米軍基地と在日米軍基地を比較した今回の検証によって、否定された。さら
に、上記報告書で同盟国の寄与を評価する際に、それぞれの国の生活水準(一人あた
りのGNP)を考慮していることを考えると、基地内施設についても、受入国の生活水
準を勘案すべきは当然であり、その水準以上の施設にかかる費用は、少なくとも米国
自身が負担するものと理解できる。にもかかわらず、日本政府は米国の要求のままに
「思いやり予算」を米議会の設定目標(75%)をも越えて支出している。このことは
、75%という何ら根拠のない設定値に対して正当化を与えるものであり、他の同盟国
に対する米国の圧力に口実を与えることにもなっていると考えられ、他の同盟国の日
本政府への批判をも引き起こさざるを得ないだろう。本訴訟で、この異常な「思いや
り予算」に歯止めをかけることは、単に日本国民の利益にとどまらず、他の国に対す
る米国の不当な圧力に対しても影響を持つことを考えると、裁判所の責任は大きく、
実質的な審理を行うことは最低の責務であろう。
 

 米軍基地における厚生施設については、以下に画像等の詳細な資料がある。
・Standard Installation Topic Exchange Service:
http://www.dmdc.osd.mil/sites3/index.html
 配置転換者や家族のための公式情報。
・FAMNET Crossroads:
http://www.famnet.com/famnetadds1.htm
 配置転換者や家族のための情報(上記と一部重複)。空軍の
    情報が中心だが、基地内部の画像多数。
http://www.geocities.com/Pentagon/3611/
 在沖海兵隊の個人のページ。情報は公式資料に近い。画像多数。
・The Spencers in Iwakuni:
http://www.geocities.com/Tokyo/Towers/2060/index.html
 岩国海兵隊基地に所属する個人のページ。詳細資料。非公式情
 報だが本音がわかる。

参考文献
・ 『沖縄の米軍及び自衛隊基地 統計資料』(沖縄県)
・ 『これが米軍への「思いやり予算だ」』(社会評論社)
・ 『基地 イワクニ 〜日米安保のはざまで〜』(中国新聞社)
・ 『日出づる国の米軍』(メディアワークス)
・ 『フェンスの向こうのアメリカ探検』(サンドケー出版局)
 

国防総省公式資料
・ Annual Report (1998)
 http://www.dtic.mil/execsec/adr98/index.html
・ Report on Allied Contributions to the Common Defense (1998.3)
 http://www.defenselink.mil/pubs/allied_contrib98/index.html
 
 

「思いやり予算」違憲訴訟・東京 事務局
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 電話とファックス:03-5275-5989
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