Date: Sat, 23 Jan 1999 16:13:28 +0900
From: 加賀谷いそみ  <QZF01055@nifty.ne.jp>
Subject: [keystone 1009] <ヤマサクラ35 >政府に「質問主意書」
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  日米共同方面隊指揮所演習「ヤマサクラ35」に関するニュース
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    《「練馬での日米共同演習の中止を求める緊急アピール」運動・事務局 》
                      〔発信:1999年1月23日〕 
 

◆国会議員の保坂展人さんが、政府に「質問主意書」を提出

 すでに報告しましたが、「緊急アピール」呼びかけ人たちが、1月12日、防衛庁 
と外務省を訪れ、「緊急アピール」賛同署名(第一次集約分)を提出するとともに、 
両官庁の係官たちに、「ヤマサクラ35」演習と陸上自衛隊・朝霞駐屯地の米軍使用 
について質問しました。しかし、防衛庁は、演習についての詳細な情報の提供をまっ 
たく拒否し、外務省は、紋切り型の「答弁」に終始しました。

 そこで、同日この行動に同行した衆議院議員の保坂展人さん(社会民主党)が、1 
月20日、政府に「質問主意書」を提出しました。これは、国会法に定められた国会 
議員の権利の行使です。

 提出された「質問主意書」に対する防衛庁の反応は、驚くべきものでした。提出の 
翌日、21日に、防衛庁の職員8人が保坂議員のところにやってきて、回答が3月に 
なると「説明」したのです。しかし、問題の演習は、まさにその日に始まったのです 
から、保坂議員は至急回答するよう求めました。そして話し合いの結果、「回答書」 
は2月2日に出ることになりました。

 上述の防衛庁の対応は、「ヤマサクラ35」の実態と同演習が想定している事態が 
、1月30日までの演習期間中に公になることを、極度に恐れていることを示してい 
ます。朝霞駐屯地の米軍使用についても、「ヤマサクラ35」演習が注目されている 
うちに、問題が広がることを避け、ほとぼりが冷めた時点で既成事実を押しつけよう 
というハラなのです。

 したがって、演習終了の数日後に出される「回答書」においても、防衛庁は「ヤマ 
サクラ35」について、ほとんど黙秘するかもしれませんし、外務省も正確な情報の 
提供を渋ると思われます。しかし、「回答書」は、政府の正式文書ですから、これは 
今後の公的証文となるわけで、やはり注目に値します。
 

 なお保坂議員が「質問主意書」を提出したことは、1月22日付『毎日新聞』の「 
ニュースボックス」で報道されました。
 

 以下に、「質問主意書」の全文を掲載します。
 
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 右の質問主意書を提出する。
 平成十一年一月二十日
 提出者 保坂展人
 衆議院議長 伊藤宗一郎 殿

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 「日米共同方面隊指揮所演習(ヤマサクラ35)」および陸上自衛隊朝霞駐屯地
  施設・区域の米軍使用に関する質問主意書

 防衛庁・陸上自衛隊と東京防衛施設局は、一九九八年十一月五日、東京都と練馬区 
に対し、一九九九年一月二十一日から同月三十日にかけて、陸上自衛隊朝霞駐屯地等 
で「日米共同方面隊指揮所演習(日本)」が行われることと、朝霞駐屯地施設の一部 
を米軍が使用するために、日米地位協定に基づく手続きを進めることを通知した。し 
かし上記の件に関し、事態が詳細に東京都民、同練馬区民、埼玉県民に報告されてい 
るとは認められず、朝霞駐屯地周辺住民を中心に不安が広がりつつある。

 こうした事態を受け、一九九九年一月十二日、東京都練馬区の市民グループ「練馬 
での日米共同演習の中止を求める緊急アピール」運動による、防衛庁と外務省への署 
名簿提出及び交渉に同行した事実をふまえて、以下に質問を列挙する。
 

(1)「日米共同方面隊指揮所演習」(「ヤマサクラ35」。以下「YS35」とす 
る)の目的は何か。

(2)一九九九年一月十二日、すでにのべたように、練馬区民たちの防衛庁訪問に同 
行した際、対応した係官は「演習は『日本有事に備えるもの』」とのべたが、「日本 
有事」とはなにか。政府の想定する事態を列挙し説明されたい。

(3)一九九五年十月二十九日付『朝日新聞』によれば、同年一月、陸上自衛隊北熊 
本駐屯地を中心に実施された「ヤマサクラ27」は、朝鮮半島から対馬、壱岐を経て 
侵攻してきた「茶色軍」が博多湾に上陸し、北部九州を占領したという想定の下に行 
われたという。記事の中で自衛隊幹部は、「茶色軍」とは、北朝鮮(朝鮮民主主義人 
民共和国)の軍隊であったことを明らかにしている。
 今回の「YS35」は、どのような想定に基づいて実施されるのか、政府は明確に 
答えられたい。また、今回の仮想敵国は、どの国の軍隊であり、どのような動きに対 
処することを想定しているのか、詳細に説明されたい。

(4)一九九八年十一月十九日付『朝雲』によれば、「YS35」には、陸上自衛隊 
側は「東部方面隊など約二千人」「米軍は約千百人」が参加するとあるが、東部方面 
隊のあるいは東部方面隊以外の、どの部隊が、どのような演練目的で、それぞれ何人 
参加するのか。
 また、米軍の参加部隊は、在日米軍あるいは在日米軍以外のどの部隊で、それぞれ 
どのように、何人参加するのか、詳述されたい。

(5)これまでの「ヤマサクラ」演習と日米共同の実動演習のすべて、及び「日米共 
同統合演習(キーンエッジ)」の指揮所演習と実動演習のすべてについて、実施の 
年月日、場所、想定された相手国と想定そのものを含む演練の内容を詳細に示された 
い。

(6)平成十年十二月十八日付『官報』二五三一号によれば、防衛施設庁長官は同年 
十二月十七日、朝霞駐屯地施設の一部の、合衆国軍隊への「新規提供」を決定したと 
あるが、それは同駐屯地の、どの施設およびどの区域か、防衛施設庁は明確にされた 
い。それについては、上記『官報』に言う、「土地・約千七百平方メートル」とはど 
の部分か、「建物・約一万四千平方メートル」とはどの建物か、また「工作物・水道 
等」の「工作物」および「等」に当たるものを明示されたい。

(7)(6)に触れた米軍への施設の「新規提供」の目的を、政府は明らかにされた 
い。冒頭にのべた外務省訪問の際、対応した係官は、「新規提供」は、「YS35」 
のためであるが、今後実施される日米共同演習においても、米軍が同様に使用するた 
めである旨のべたが、これは政府の正式見解か。
 また『官報』の記述は、きわめて曖昧で、いかようにも拡張解釈できる文言である 
が、米軍の使用目的、使用期間や頻度を明記しないのはなぜか。

(8)政府は、「新規提供」にあたり、東京都、練馬区、朝霞市、和光市、新座市の 
関連各自治体に何時、どのように同意を取り付けたのか。政府が各自治体に申入れた 
のは何時で、各自治体側から回答を受けたのは何時か。また、どのように交渉を進め 
たか。経過と内容の詳細について明らかにされたい。

(9)一九九八年十一月五日、東京都と同練馬区に通知された、朝霞駐屯地内施設・ 
「約24平方メートルの部屋の提供」について、「手続きが未了である」とする外務 
省に対し、防衛施設庁は「すでに手続きを終えている」と説明し、矛盾している。防 
衛施設庁と外務省は、それぞれ「部屋の提供」の目的を明らかにされたい。

(10)(6)に触れた防衛施設庁の決定は、(9)に触れた「部屋の提供」といかな 
る関係を有するのか、「部屋の提供」は、上記『官報』に言う「新規提供」に含まれ 
るのか否か、防衛施設庁と外務省は、それぞれ明らかにされたい。

(11)東京都および練馬区からは「新規提供」について、反対の声が上がっている。 
当該地方自治体から、「新規提供」について同意できない旨の回答があった場合、 
政府はどう対処するつもりか。地元の同意がなくても「新規提供」は強行するのか。 
「はい」「いいえ」で答えられたい。
 
(12)「はい」と回答した場合、政府は、「地元自治体や住民の同意は必要ない」と 
考えていると見なさざるを得ない。これに相違ないか。

(13)地元住民は朝霞駐屯地の再米軍基地化に重大な懸念を有していると聞いている 
。「新規提供」を突破口に、今後、朝霞駐屯地が再び恒常的な米軍基地と化すことは 
ないのか。「はい」「いいえ」で回答されたい。

(14)昨今の米兵による相次ぐ不祥事を受け、地元住民のあいだでは朝霞駐屯地周辺 
における米兵の犯罪行為が非常に危惧されているという。政府は「YS35」の共同 
開催者としてこうした住民の不安を解消するためにどのような方策を採ったか。詳述 
されたい。

 右質問する
                           〔メモ:原文縦書き〕
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