Date: Fri, 22 Jan 1999 18:41:27 +0900
From: Masahiko Aoki <btree@pop11.odn.ne.jp>
To: keystone@jca.ax.apc.org
Subject: [keystone 1006] 雨よりも米軍機の方がよく「降る」
MIME-Version: 1.0
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 1006
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

 今週の雨はまとまったものとしては数ヶ月ぶりの所も多かった。ところで在
日米軍機は2日連続で墜落。日本では雨よりも米軍機の方がよく「降る」とい
う事実を知ると知らないでは、在日米軍の評価は全く変わってきます。
 例えば朝日新聞(大阪本社統合版)の読者は岩手の事故を知りません(地域
によっては報道)。私は夜10時台のNHK ラジオニュースを聞いていましたが
報道なし。どうした大マスコミ?自民党の「報道モニター」をもう怖がってい
るのか?!他の新聞でも、空模様の報道より小さな扱いで、この空からの脅威
については気付いてない人も多いでしょう。傘よりもシェルターの方が必要だ
ということに気付いてもらうために、ここでは関連の記事を少しずつ抜粋して
編集しました。
 第1報は丸山さんが投稿されているようなことですが、
→→→→→→→→→→→→→→→→
朝日 Web
 21日午後1時半ごろ、岩手県釜石市橋野町の山中に、米軍三沢基地(青森
県)所属のF16戦闘機が墜落、炎上した。岩手県や防衛施設庁などに入った
連絡によると、乗員1人はパラシュートで脱出し、軽いけがをした。現場は民
家から数百メートル離れ、墜落で周辺の樹木が約1000平方メートル焼けた。
同基地は、通常の飛行訓練中だったとしているが、墜落の原因などは不明。
←←←←←←←←←←←←←←←←
 米軍のAir Force Newsの速報では
→→→→→→→→→→→→→→→→
Air Force Print News
AFPN electronic filename:  22jan99

990085.  Misawa F-16 crashes

MISAWA AIR BASE, Japan (AFPN) - An Air Force F-16 from here crashed
about 1:30 p.m. local time Jan. 21 about 85 miles south of Misawa
City,Japan.
The pilot survived the accident, but details of his condition are
unknown at this time.
The aircraft was on a routine training mission.
A board of officers will investigate the accident.
←←←←←←←←←←←←←←←←
 「通常の訓練」だというのですが、三沢司令官の話では「普通は海で訓練す
るが、しけで大荒れなため、たまたま山中で訓練した。訓練の中身はわからな
い」(上記朝日)と。「たまたま」人家の上に来られてはかなわんのです。し
かし「たまたま」という表現は変・・英語で何といったのか??・・・・!!
・・それはAccidentallyに違いありません(笑)。
 山火事や燃料流出で地元は大変だった(下の岩手日報記事ー丸山さん提供)
ようですが、全国紙の報道では触れられていません。私はここにも「沖縄問
題」を見ます。

→→→→→→→→→→→→→→→→
県警などによると、現場は橋野町の集落から南西へ約2キロ離れた山林で、民
家などはなく住民の被害は避けられたが、火が周辺の林に燃え広がった。
消防団員ら100人以上や県の防災ヘリコプターが出動、消火作業などに当た
った。
墜落機が弾薬類を搭載していたため現場に近づけず作業は難航。同日午後4時
前、約1,000平方メートルを焼いてようやく消し止めた。
墜落現場近くを流れる沢桧川にジェット燃料が流れ出したため、市はオイルフ
ェンスを張った。
←←←←←←←←←←←←←←←←
 三沢のF-16は驚異的なトラブルメーカーです。
→→→→→→→→→→→→→→→→
神戸1月22日ー共同
 釜石市に近い岩手県宮古市では1月6日、今回と同じ三沢基地のF-16が低空
を飛行、消防の出初め式を中断させるトラブルを起こし基地側が謝罪するなど、
敵地への進入攻撃を想定した低空飛行訓練の被害が後を絶たず、今回も同様の
訓練だった可能性がある。三沢基地のF-16は、墜落事故のほか滑走路でのオー
バーラン炎上、爆弾や燃料タンクの海上投棄など、たびたび問題を起こしてき
ている。
←←←←←←←←←←←←←←←←
 まあこれだけ問題を起こす下宿人はとっくの昔に大家に叩き出されて当然で
すが、この「大家さん」は「思いやり」の心に溢れていて、「はいこれ、三千
億円で少なくて悪いけど今年のお小使いね」と、この不良居候に言わば盗人に
追い銭。素行が改まるはずもない。
 ホントにこんなに野放しでいいのか。官房長の談話。
→→→→→→→→→→→→→→→→
讀賣1月22日
 野中官房長官は、21日夕の記者会見で、米軍戦闘機が20日に高知県沖に、
21日には岩手県内の山中に墜落したことについて、「在日米軍機による航空
機の墜落事故が二日連続して発生したことは極めて遺憾なことだ」と述べた。
そのうえで、米政府に原因の徹底究明と再発防止を申し入れたことを明らかに
した。
←←←←←←←←←←←←←←←←
 しかしあの1月14日の低空飛行訓練の日米合意(すでに加賀谷さんの投稿
あり)のすぐ後にこのざまは?この外務省文書にいわく。
→→→→→→→→→→→→→→→→
 安全性が最重要であることから、在日米軍は低空飛行訓練を実施する際に安
全性を最大限確保する。同時に、在日米軍は、低空飛行訓練が日本の地元住民
に与える影響を最小限にする。
←←←←←←←←←←←←←←←←
 「安全性」の言葉が戦闘機より高く空しく宙に舞っています。
 この2事故ともパイロットは早々と脱出して無事でしたが、墜落した飛行機
で日本の住民に死者が出ていたとしたらどうか。また米軍機が永田町に落ちた
らどうか。犠牲者が出ないと大きく扱わないマスコミや政府の姿勢が、結局取
り返しのつかない大事故につながるのです。

 橘さんの提供された報知新聞の記事[aml 10803]は興味深いものでした。三沢の
F-16は80年代後半から日本の一部を「仮想北朝鮮」として訓練に使っていると
思います。確かにダムは重要な攻撃目標でしょう。興味深い文書があります。
米空軍の攻撃目標マニュアル。
AF INTELLIGENCE TARGETING GUIDE
 AIR FORCE PAMPHLET 14- 210 Intelligence
 1 FEBRUARY 1998
http://www.fas.org/irp/doddir/usaf/afpam14-210/index.html
興味ある方はぜひダウンロードしてください。イラクや北朝鮮への爆撃を「正
しく」理解するために。
 ところで高知の事故で「出身基地」岩国周辺の反応。この「静かさ」が悲し
い。三沢ではどうなのでしょう。
→→→→→→→→→→→→→→→→
山口新聞ダイジェスト 1月21日

◆米軍岩国機が空中衝突
        20日午前10時ごろ、高知県夜須町手結の沖約18キロの土佐湾で、
        高知県警の警備艇が航空機の残がいと大量の油が浮いているのを発見
        した。高知県警などによると、訓練中の米軍岩国基地所属の戦闘攻撃
        機FA18が土佐湾に墜落、高知県の防災ヘリがパイロットを救助した。
        詳細については調査中。この日、岩国市民からは「またか」の声が聞
        かれたものの、関係機関への問い合わせや抗議はほとんどなく、基地
        周辺も静かだった。
←←←←←←←←←←←←←←←←

****************************
     Masahiko Aoki
     青木雅彦
     btree@pop11.odn.ne.jp
****************************



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

  • キーストーンメーリングリスト 目次