Mime-Version: 1.0
Date: Tue, 12 Jan 1999 05:19:47 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 978] 「海兵隊遠征部隊とは何か」(15th MEU Webより)
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 978
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

 島川です。

 第15MEU(カリフォルニア/ペンドルトン)のホームページにある、「海兵隊
 遠征部隊とは何か」を訳してみました。
 海兵隊本体のWeb*にも説明がありますが、ちょっと簡略すぎるので、やや詳
 しい第15MEUのほうの記述を使いました。
   *<http://www.usmc.mil/meus/meus.nsf/help?openhelp>

 第15MEUは、かの「唯一前方展開している」沖縄の第31MEUと同じく、太平洋
 方面のMEUで、西海岸駐屯MEUの担当範囲はインド洋から中東まで含むとあり
 ます。第31MEUや第7艦隊の例もそうですが、「安保再定義」の「アジア太平
 洋地域」は、60年安保の「極東」よりも範囲を拡大するものですが、しかし、
 未だ実情には追いついていない、ということであります。
 

 --------------------------------------------------------------------------

WHAT IS A MARINE EXPEDITIONARY UNIT?
<http://www.cpp.usmc.mil/web/mef.nsf/f67baadeee700cee8825632a00692bed/098b0e8e24fe62c18825655b006ba876?OpenDocument>
 

 「海兵隊遠征部隊とは何か」
 

第二次世界大戦以来、合州国が軍事力を投入展開したほぼすべての危機において、
先ず最初に、一定期間の十分な維持能力をもって上陸する任務を与えられたのは、
アメリカ艦隊海兵軍Fleet Marine Forcesの部隊であった。この部隊は、海兵空地
任務部隊Marine Air Ground Task Forces(MAGTF)--航空、陸上、そして支援部隊
の合同部隊--として編制されるようになった。

MAGTFは、特別な任務、あるいは広範囲にわたるあり得る任務の予測に基づいて編
成されている。航空、陸上、そして兵站部隊の連携は、それぞれの戦闘単位の戦
闘力を極大化する。MAGTFの構成は、特殊な状況の細密な分析と、過去数十年にわ
たり海兵隊の方策立案者たちが蓄積してきた歴史的データに基づいている。

MAGTFは、米国と同盟国の利益が脅かされた時に、また非-戦闘状態が迅速な危機
対処を必要とする場合に、合州国に対して数多くの対応の選択肢を提供してきた。
空-地部隊による、選択的で、タイムリーな、また信頼性のあるコミットメントは、
多くの場合に地域に安定をもたらす助けとなってきたし、また、合州国は単に自
らの利益を護りたいと望むだけではなく、極めて強力な軍事力を用いて即座にこ
れを実行することができる、ということを世界中の侵略者たちに端的に知らしめ
るシグナルを送ることにもなった。

海兵隊遠征部隊は、海軍の兄弟たちとともに、地球上の数多くの任務を完遂でき
る、国家の前方展開された迅速対処チームとしての役割を果たす。

MEUは、単一の指揮官によって指揮され、2,000人を超える海兵隊員と海軍軍人か
ら成り、水陸両用戦戦隊Amphibious Squadron(PHIBRON)や軍艦に勤務する海兵隊
員や海軍軍人とともに、3隻の軍艦に搭乗して海外へ船出する。戦隊は、3隻か
ら成る水陸両用戦即応部隊Amphibious Ready Group(ARG)を指揮する。

第15MEUは、第5水陸両用戦戦隊PHIBRON-5ならびに米国軍艦エセックス(LHD-2)水
陸両用戦即応部隊(ARG)とともに行動して、このような単一の海軍/海兵隊チーム
を構成している。

MEUは、リチャード・C・ジルマー大佐によって指揮されており、第1海兵遠征軍1st
Marine Expeditionary Forceが駐屯するカリフォルニアのキャンプ・ペンドルト
ンから派遣された、3個の西海岸駐屯MAGTFのひとつである。これらのMEUは、西太
平洋、インド洋、アラビア湾岸その他の地域をめぐり、6カ月を一期として定期的
に交替している。

MEUの主要な構成要素は、司令部Commannd Element(CE)、陸上戦闘部隊Ground Combat
Element(GCE)、航空戦闘部隊Aviation Combat Element(ACE)、そして戦闘任務支援
部隊Combat Service Support Element(CSSE)である。第15MEUのGCEは、第1連隊第3
大隊が務める大隊上陸チームBattalion Landing Team(BLT)である。

司令部(CE)は、指揮官と補佐スタッフから成る。CEは、作戦の計画と実施が効果的
なものとなるように命令を出し調整をはかる。さらに、MEUのCEは、偵察・監視部
隊、電波偵察・電子対抗チーム、諜報・諜報対抗部隊などの特別任務分遣隊によっ
て強化されている。

MEUのGCEはBLTである。歩兵大隊を中核として、BLTは、砲兵、強襲水陸両用車両部
隊、戦闘エンジニア、対戦車部隊、軽装甲車両部隊によって増強されている。この
ような様々な種類の装備の割合や数は、任務--または予期される任務--によって決
定され、また輸送手段によっても影響を受ける。

ACEは、航空支援を提供する。その構成は、戦術的様態、MAGTFの任務と規模、そし
てARGの搭載限度によって決まる。ACEは、MAGTFの内にあるままで、増強飛行隊
reinforced squadronから1個またはそれ以上の規模の海兵航空隊Marine Aircraft
Wingへと転換することができる。第15MEUの場合は、CH-46増強飛行隊となっている。
ACEは、航空作戦の全分野を指揮することが可能であり、海兵航空隊所属部隊から
適切な部分を抽出して混成されている。海兵航空隊は、回転翼航空機(ヘリコプ
ター)として、CH-53Eスーパー・スタリオン、CH-46シー・ナイト、UH-1Nヒュー
イ、AH-1Wスーパー・コブラなどを、また垂直/短距離離着陸機AV-8Bハリアーを装
備している。またMEUは、用務を自足できるように、2機のKC-130ヘラクレス輸送・
給油機を持っており、カリフォルニアの海兵隊航空基地に待機している。AECは、
航空管制、航空機の整備・支援、航空兵站・補給にあたる部門も持っている。

MEUの最後の主要部分はCSSEである。MEUのためにある--それがMEU軍務支援部隊MEU
Service Support Groupである。MSSGの任務は戦闘への支援を提供することであり、
特に、糧食、整備、輸送、爆発物処理、軍事警察、飲料水の製造と配給、工作、医
療と歯科診療、燃料貯蔵と配給、またその他の、展開するMEUのためのサーヴィス
である。比較的少人数、通常は300人を下回る海兵隊員と海軍軍人をもってMSSGは
広範囲に能力を発揮し、戦闘作戦行動やこれに付随する作戦の間、戦闘部隊の人員
や装備がよく備えまた持続できるよう、各人はその特種な能力を注いでいる。

MEUは、航空と陸上の戦闘単位が戦闘任務支援と結びつけられ単一の指揮官--MEU指
揮官--の下にあるという点でユニークである。この、空-地任務部隊air-ground task
forceという概念は、航空部隊と陸上部隊を緊密に統合して単一の部隊とすること
によって、それぞれの持つ戦闘力を最大限に発揮させるべく考案されたものであ
る。MEUは、任務を迅速に完遂しようとする時、または後続部隊のための通路を固
めようとする際には、必要なものは海上から自ら補給して持続することができる。
MEUの規模と構成は、水陸両用作戦、安全確保作戦、暴力によって被害を受けてい
るか脅威を受けている非戦闘員の非-戦闘状態での撤収、特殊作戦、そして移動訓
練チームとしての役割に適している。MEUはその本質において遠征軍であり、米国
の基地や施設がない外国の土地で作戦が可能である。MEUはその性格において海軍
力であり、航空と沿岸の通常作戦に有効で、米国艦隊と共同して全世界での作戦が
可能である。MEUの連合兵種チームは実力のある軍事力であり、目標地域内に激し
い持続的な火力を浴びせつつ、高度な戦術的移動を行う能力を持っている。

展開に先立って、各MEUは、4-5カ月の海上訓練期間を含む6カ月のハイペースな訓
練サイクルの間に、31のユニークな能力を完全に習得することになる。

 ============
 

第15MEUの装備
<http://www.cpp.usmc.mil/web/mef.nsf/f67baadeee700cee8825632a00692bed/9b793efb221802c688256539007556d9?OpenDocument>
 

Aircraft
AH-1W Super Cobra Helicopter
UH-1N Huey Helicopter
CH-46E Sea Knight Helicopter
CH-53E Super Stallion Helicopter
AV-8B Harrier II
KC-130 Hercules

Anti-Armor Weapons
AT4
Shoulder-Launched Multipurpose Assault Weapon
Dragon Weapon System
Tube Launched, Optically Tracked, Wire Guided (TOW) Missile Weapon
System

Fire Support
M198 155mm Medium Howitzer, Towed
Stinger
Avenger Weapons System
AN/PAQ-3 Modular Universal Laser Equipment (MULE)
Global Positioning System - Survey (GPS-S)
Laser Rangefinder AN/GVS-5

Infantry Weapons & Equipment
M9 Pistol
MP-5N Heckler and Koch 9mm Submachine Gun
M1911A1 .45 Caliber Pistol
M16A2 5.56mm Rifle
M40A1 Sniper Rifle
M203 40mm Grenade Launcher
Squad Automatic Weapon
M240G Medium Machine Gun
M60E3 7.62mm Machine Gun
M2 .50 Caliber Machine Gun
MK19 40mm Machine Gun, MOD 3
M224 60mm Lightweight Mortar
M252 81mm Medium Extended Range Mortar
12 Gauge Shotgun
AN/PVS-4 Individual Weapon Night Sight
AN/PVS-5 Night Vision Goggles (NVG)
AN/PVS-7B Night Vision Goggles (NVG)
AN/TVS-5 Crew Served Weapon Night Sight

Communication
AN/PSN-11 Precision Lightweight GPS Receiver (PLGR)
Single Channel Ground and Airborne Radio System (SINCGARS)

Miscellaneous
Reverse Osmosis Water Purification Unit
M40/42 Chemical/Biological Protective Masks
Tactical Bulk Fuel Delivery System, CH-53E (TBFDS, CH-53E)
Marine Assault Climbers Kit
Parachutist Individual Equipment Kit (PIEK)
Close Quarters Battle/Direct Action Program
Combat Rubber Reconnaissance Craft (CRRC)

Vehicles
M-9 Armored Combat Earthmover (ACE)
High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle (HMMWV) (M998 Truck)
Assault Amphibian Vehicle Personnel Model 7A1 (AAVP7A1)
KLR 250-D8 Marine Corps Motorcycle
Landing Craft, Air Cushioned
Light Armored Vehicle-25 (LAV-25)
 --------------------------------------------------------------------------

                        -----------------------------------
                                    島川雅史  mshmkw@tama.or.jp
                                               mshmkw@jca.ax.apc.org
                                    -----------------------------------

 



 
  • 1998年     3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  • 1999年     1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

  • キーストーンメーリングリスト 目次