Mime-Version: 1.0
Date: Sun, 10 Jan 1999 03:20:54 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: "M.Shimakawa" <mshmkw@tama.or.jp>
Subject: [keystone 972] 「第31MEU、湾岸へ向かう」(Marine Corps News:沖縄発98/11/11)
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 972
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org
 

 島川です。

 Marine Corps Newsの、「第31MEU、湾岸へ向かう」を訳してみました。
 青木さんが [keystone 897] イラク攻撃と在日米軍 で触れている話題です。

 海兵隊員が沖縄で乗船する前に、かねて用意の「砂漠用」装備が隊員に配ら
 れたという記述などもあります。この記事は(言わずもがなではありますが)、
 「事前協議」の空文性を示す実例としても使えますね。1個MEUプラス1個ARG
  では戦略単位とは言えないとでも強弁するのでしょうか。あるいは「出撃」
 ではなく「移動」であったとでも言うのか。外務省の論理アクロバット的弁
 解を聞いてみたいところですね。

 そもそも、MEU/ARGなんていう陸・海・空の三要素を備えた「統合軍」に、
 第二次大戦的な「陸軍の場合は一個師団」などという三分解した戦略単位な
 んて概念は当てはまりません。

 WebのMarine Corps Newsにはほぼ同文の記事が11/12と11/17の2回流れてい
 ますが、訳出したのは若干の追加記述がある11/17配信の記事です。11/12配
 信記事のタイトルは「海兵隊、沖縄からペルシャ湾へ向け出港」になってい
 ます。なお、FASのWebには11/17配信記事が11/12配信記事のタイトルで収録
 されています。<http://www.fas.org/man/dod-101/ops/docs/981112-mcn.htm>
 

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Marine Corps News
Posted 11/17/98 07:44:57 AM
 
31ST MEU HEADS TO THE GULF
By 31st MEU Public Affairs
<http://www.usmc.mil/news98.nsf/78474d8d567cc4648525657d0064a54a/
a7df802b941700a6852566bf00460892?OpenDocument>
 

海兵隊ニュース: 1998年11月17日付

 「第31MEU、湾岸へ向かう」
   
(第31MEU広報官記)
[日本・沖縄発(1998年11月11日)]

  国防長官は、約2,000人の海兵隊員と海軍兵士から成る第31海兵遠征部隊the 31st
Marine Expeditionary Unit(MEU)に対して、ベローウッド水陸両用戦即応部隊
Amphibious Ready Group(ARG)の艦船に乗り、ペルシャ湾に向けて今朝出港せよと
命令した。この艦船は、米国軍艦ベローウッド、同ジャーマンタウン、同デュビュー
クで、第11水陸両用戦戦隊Amphibious Squadron 11のさらに2,000人の海軍兵士と海
兵隊員(*1)の住居となっている。

  昨日の記者会見で、ウイリアム・コーエン国防長官は、大統領に対して「..ベロー
ウッド水陸両用戦即応部隊を、11月26日までに湾岸に到着するように(西太平洋戦域)
から出港させる」よう勧告した、と述べていた。

  第31MEUは、海兵隊が有する同様な統合兵種の、空-地任務部隊7個隊のひとつであ
るが、唯一恒久的に前方展開をしているMEUである。MEUは、水陸両用戦能力を特質と
し、統合作戦と危機対処のために編制されており、数多くの、同時併行の、船-から-
岸への任務、通常の海上任務と特別な海上任務、特殊作戦任務を完遂する能力を持っ
ている。MEUは、単独で15日間の行動を維持することができる。

  航空、陸上、そして支援能力のユニークなコンビネーションは、米国と同盟国の利
益が脅かされた時に、また、非戦闘員の状態が敏速な危機対処を必要とする場合に、
合州国の対応に多様な選択肢を提供してきた。タイムリーに選択された、信頼できる
空ー地部隊のコミットメントは、多くの場合に、地域に安定をもたらす助けとなった。
また、合州国は単に自らの利益を護りたいと望んでいるだけではなく、極めて強力な
軍事力を用いて即座にこれを実行することもできる、ということを世界中の侵略者た
ちに知らしめるシグナルとなった。

  第31MEUは、多様な作戦を完遂するためにたゆまぬ訓練をしている。その作戦とは、
水陸両用の襲撃、非戦闘員の退避作戦、安全確保作戦、航空機と人員の戦術的回収、
そして、人道的-市民的援助と災害救助作戦などである。

  部隊の広報官であるクリステン・ラジカ中尉は、「我われの激しい作戦テンポは、
第31MEUに常に能力、用意、即応性を保たせている」と言い、「我われは西太平洋の
ための即時-対処軍事力である」と述べた。

  乗艦命令が発せられた時には、第31MEUは即座に全世界から所属要員を呼び戻す。

  グアムで市街戦訓練の演習準備をしていた司令部の海兵隊員は、新しい任務の準
備をするために直ちに呼び戻された。

  第4連隊第2大隊(2/4)は、MEUの大隊上陸チームとなるためにカリフォルニアか
ら沖縄に向けての移動の途中であった。2/4の主力は11月の6日から10日にかけて沖
縄に到着し、海兵隊員たちは荷ほどきの必要もなく船へと向かった。

  MEUは、いかなる突発的な事件が起きても隊員が対処できるように、適切な装備を
確保している。MEUの海兵隊員は、乗艦の前に、砂漠に適合する軍服、ブーツ、薄布
ジャケット、薄布ヘルメット覆いなどの、砂漠用の支給品を与えられた。

  今回の展開のこのような準備に少々時間をかけている間に、第31MEUの指揮官D.D.
フルトン大佐は、家族たちが実情を知り心の準備ができるようにしたいと思った。出
発の前に、大佐、チャプレン(*2)、広報官と赤十字の代表、そしてキー・ボランティ
アたちKey Volunteers(*3)が、キャンプ・フォスターの劇場で多数の家族たちにブ
リーフィングを行った。集会の最後に、フルトンは参会者に発言を促した。彼は多く
の質問に答え、部隊の熟練度について聴衆に安心させた。

 「第31MEUのこの敏速な再編成と展開は、海兵隊のMEUの中でも、第31MEUの海兵隊
員と海軍兵士を際立たせている」と、フルトンは言い、こう続けた。「迅速な編成、
展開、そしていかなる与えられた任務をも完遂し国家の要請に応える--いつでも、ど
こでも--ことは、すべての海兵隊が持つ能力を示すものであるといえども」。
 

  [訳者注]
  *1 この2,000人は、3隻の揚陸艦の乗員。
  *2 配属牧師
 *3 Key Volunteer(またはKey Volunteer Network)は、家族を含む組織。
   <http://www.mcagcc.usmc.mil/BASE/3rdlar/keyvol.htm>
   <http://www.3fssg.usmc.mil/KV/guide.htm>
   等を参照。
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                                    島川雅史  mshmkw@tama.or.jp
                                               mshmkw@jca.ax.apc.org
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