Mime-Version: 1.0
Date: Thu, 19 Nov 1998 00:56:11 +0900
To: keystone@jca.ax.apc.org
From: higa akiko <higa@jca.ax.apc.org>
Subject: [keystone 824] Re: わたしめげません。
Sender: owner-keystone@jca.ax.apc.org
X-Sequence: keystone 824
Precedence: bulk
Reply-To: keystone@jca.ax.apc.org

比嘉@京都在住です。こんにちは。

At 9:57 PM +0900 98.11.18, H. Sasanuma wrote:
> 静岡の笹沼です。keystoneでは初めての書き込みです。

>  しかし、知事選の結果は沖縄の人々が平和よりも基地+経済を選んだと結果だと
> 言えるのでしょうか。

 その答えはもちろん、否です。
 選挙結果が、約52%対約47%という数字をみても、大田氏を支持した
 人たちもかなりの割合にのぼっています。
 今回の選挙で、稲嶺氏陣営は、海上ヘリ基地に関する問題を争点から
 はずし、失業率の高さの改善のみを問題にしていました。
 また、投票直前に、野中官房長官が「海上ヘリ基地断念」の発言を
 したこともあって、海上基地問題は終わったという雰囲気が流れた
 ことが大きく影響したと思います。
 基地建設はなくなったのだから、経済に強い?稲嶺氏がなにかを
 かえてくれるかもしれないといった思いが今回の結果につながった
 のではないかと考えています。
 名護市長選とほとんど同じです。

 ですから、稲嶺氏にいれた人たちがすべて「県内移設」オッケーだとは
 思っていない、と信じたいと思います。でも悲しいです。
 
>  そもそも、平和か経済か、というように平和と豊かな生活とは二者択一しなけれ
> ばならないものなのでしょうか。
>
>  本土の人々は、日本国憲法によって平和と民主主義、人権を保障され、それなり
> に豊かさを享受してきました。少なくとも本土の多くの日本国民にとっては平和と
> 豊かさは二者択一しなければならないものではなく、同時に享受できるものであっ
> たわけです。それが半世紀を経た日本国憲法がもたらしたものだったといえるでし
> ょう。
>
>  しかし、沖縄の人々にとっては、本土の国民にとっては当たり前のことが当たり
> 前に許されず、平和か経済かの二者択一が迫られるということ自体が問題なのだと
> おもいます。そんなことは比嘉ご自身もkeystoneの皆さんも十分承知していること
> なのだと思います。もちろん、このメールも比嘉さんを批判する趣旨で書いている
> わけではありません。それは、なすびさんが次のように書いているのと同様に、比
> 嘉さんの悲しみと怒りを私なりに捉え返し、沖縄の問題を考えていきたいと思うか
> らです。

 沖縄では、平和か経済かの二者択一を常に迫られてきました。
 今回も、名護市長選でも、名護市住民投票でも常に。
 復帰の時もそうだったのでしょう。
 これは、ほんとに「本土に住んでる者にいわれる筋合いはない」といわれるかも
 しれませんが、なんでまただまされるよ、なぜまた繰り返すのかという思いがあ
 るのは正直なところです。
 米軍ある故の事件事故で傷ついた人の痛みがまだ癒えてないのに。

 でもこうした怒りやあせりだけでは基地撤去の運動にはならないのでしょう。
 選挙や政治とかに関わるのは好きではないですが、でもやらなくちゃいけない時も
 ある。この選挙でなぜ、「敗北」したのか、冷静に考えたいと思います。
 自分に対する反省も含めてです。
 

>  今回の知事選とその結果は、「日本国民」が安保条約・地位協定、特別措置法等
> によって沖縄に基地とそれによる様々な人権侵害、低開発を押しつけている理不尽
> さを改めて浮き彫りにするものとなったのではないかと思います。平和か経済・暮
> らしかという選択しえないものの選択を強制される理不尽さを沖縄の人々は強く感
> じているのではないでしょうか。

 おっしゃる通りだと思います。
 ただ、その理不尽を押しつけているのが、「日本国民」というか日本政府である
 ということが、うまく隠されている。
 だまされちゃうよ、また〜。と叫んで見るんですがどうもうまくいかない。

 とはいえ、稲嶺氏が、基地反対の声を無視して政府のいいなりになろうとしたら、
 基地反対の人たちはだまっていないだろうし、稲嶺氏にいれた人たちの中からも
 危機感は出てくるはずだと思います。

 今回の「敗北」の反省が、稲嶺氏の大ぼけをかましそうになったときのための
 運動に活かされなければと思います。
 なまいきかもしれませんが、沖縄のなかでもそのことが議論されてほしいと
 思います。
 本土にすむわたしは、なにができるのか、どれだけのことができるのか今は
 わかりませんが、冷静に考えたい。
 
>  私にとっては改めて沖縄の問題を鋭く、重く突きつけられた思いがしています。

 本土でも、すでに県外移設された演習そのほかにたいする反対運動があって、
 それは沖縄の反対運動に関わる人たちへの大きな励ましになっていると思います。
 補助金バラマキ策より静かな生活をという選択をしている人たちが増えれば、
 特に反対運動をしていない人たちも共鳴していくこともあるでしょう。

 平和運動をしている人の多くが反対する「県外移設」をされた地域の人が、
 より強く「沖縄に連帯」してくれていることは、皮肉なことでしょうか。
 平和と経済の両方を享受してきた本土のみなさんが、あえて平和を守ることが
 結果的に豊かな生活を生むはずだという生き方を政府にもっと示していく運動を
 つくっていってほしいし、そうしていきたい。ガイドラインとかいろいろやる
 ことがあるかなと思います。沖縄の人たちをはげますのは運動によってのこと
 だと思います。わたしはそう思ってます。

 また、議論を巻き起こしそうですが(^^;)、この際ですから、他の方もご意見
 ありましたら、お聞かせ下さい。
 
 
 

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比嘉明子  higa@jca.ax.apc.org http://www.jca.ax.apc.org/~higa/

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